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私ってブリッコ?20年間、コンプレックスを貫いた話

生きていく上で、楽しいこともあれば悩ましいこともたくさん。そんな女性の悩みを、専門家に質問していくYoutubeチャンネル「GOAL IN TV」。番組を盛り上げてくれている出演者の一人、マルチタレント・わさびさんのコラムです!自分の人生を楽しく生きるためさまざまなことに挑戦する彼女の生き方についての連載。

私は10代・20代の頃、「あの子はブリッコ」と悪口を言われていた。

「え?ブリッコって、男の前で態度が豹変するあのブリッコ?え、アタシが??」自分でそんなことをしている意識は全くなく、なんだかだんだん腹が立ってきた。

ある日「あなたがブリッコだってみんな言ってるよ」と、親切な顔して自分の意見に「みんなが〜」の皮をかぶせる子に「私のどこがブリッコなの?」と思い切って聞いてみた。すると「声とアヒル口ってみんな言ってるよ」と即、返されてしまった。

確かにその二項目には自覚があった。ブリッコをしているという自覚ではない。私の顔は他のパーツに比べて鼻の下が長いので、上唇をアヒルのクチバシのごとく遊ばせている時がある。そして私は、完全なるアニメ声だ。二つともしょうがない。簡単には治せない。

「ブリッコ」と言われるのはすごく不本意で嫌だったけれど、整形やらメイクやらで顔を変えようとか、声帯を引きちぎろうとまでは思わなかったし、悪口を言われてもそれとなく楽しいことは沢山あったから、「嫌だなぁ」とは思いつつもクチバシにもアニメ声にも対処せずにそのまま生きてきた。そしたら「クチバシアニメ声」のまま33歳になってしまった。クチバシアニメ声おばさんの誕生だ。

アニメ声を貫いたままおばさんになったら、今度は周りの評価が180度変わった。もう誰も私のことを「ブリッコ」とは言わない。「面白い声だね」「他にない声だね」と、映像のお仕事をされている方や音声のプロの方からも声を褒めていただけるようになった。「この声はなかなか珍しいぞ!」と高そうなヘッドホンを床に叩きつけそうになっている録音技師さんのテンションの上がりっぷりを見た時「ああ、私は己のアニメ声との勝負に勝ったんだ」と思った。

貫けば、勝てるのだ。「ブリッコ」と言ってきたクラスメイトや仕事の先輩にも私は勝ったんだ。20年かかったけど。

外見や内面を問わず、みんなそれぞれのコンプレックスがあって、コンプレックスと生きている。“自分の嫌な部分を頑張って変えよう”と奮起することも大切だと思う。

だけど私は、ほとんどのことはそのまま放っておいていいんじゃないかと今は思う。平らにならそうとしたときに飛び出してしまう個性が、時間の経過と共に唯一無二の個性に変わる。

世の中や周りの都合に合わせるのではなく、たまには、コンプレックスを貫いてみるのもいいかもしれない。

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