夫婦の新しい「概念」！

生きていく上で、楽しいこともあれば悩ましいこともたくさん。そんな女性の悩みを、専門家に質問していくYoutubeチャンネル「GOAL IN TV」。番組を盛り上げてくれている出演者の一人、マルチタレント・わさびさんのコラムです！自分の人生を楽しく生きるためさまざまなことに挑戦する彼女の生き方についての連載。

「ふたりでハーレーに乗って旅をする、そんな夫婦やらへん？」

関西人の旦那くんから、プロポーズの時にこんなことを言われました。

そんな旦那くんの言葉にのっとって、先週ふたりで第一回目のハーレー旅に行ってきました。

正直、出発する直前は「ハーレーで旅をする夫婦かぁ。キャッチーではあるけど、バイクで旅するより車の方がダンゼン快適じゃん！」なんて、思っていたのです。

だって、私の乗っているハーレーには荷物を積む場所が無い。そうなると、旅に必要な着替えやらMacBookやらが入ったリュックを背負わないといけないのです。ああ、車なら荷物持たなくてもいいのになぁ。

バイクだと風は寒いしエンジンは熱い。雨が降ったら容赦なく、ずぶ濡れになる。ああ、車なら天気に左右されないのになぁ。

色々なリスクに備えた装備をしなくてはならないので、バイクにまたがるまでに時間がかかります。ああ、車ならエンジンかけて2秒で出発できるのになぁ。

脳内の小さなわたしは、旦那くんに漏れ聞こえないように「いや、バイク旅めんどくさそうだな！」と全力でボヤいていたのでございます。

目指すは千葉県の最南端、南房総白浜にある野島崎という岬です。千葉県市原市にある自宅から片道約100キロの道のり。

山を切り裂いたようにはしる高速道路を1200ccのハーレーでびゅんびゅん飛ばしてみると、景色と風が最高に気持ちいい。気持ち良すぎて、重いリュックを背負っていることなんてすっかり忘れちゃうほどです。

あれ……結構イイじゃん……！

ふたりで通信中のインカムマイクで最低限の会話をしながら走ると、「静かに自分の世界に浸りたい」という欲望と「誰かと一緒にいて安心感を得たい」という気持ちが両方叶う。

バイクに乗ったことのない人に説明するのなら、天気がいい日の原っぱにシートを敷いて、夫婦でたまに会話をしながらそれぞれ別の本を読んでいるような感じです。こんな独特な快感を得たのは生まれて初めてでした。

そして疲れたら、互いを気遣って休憩所で飲み物を買って。バイクにトラブルがあれば、旅先のホームセンターで材料を探してその場で直して。ガソリンスタンドに入れば、いろんなおじさんに話しかけられて。

どんなルートで行くか、どこにバイクを停めるかまで、しっかりコミュニケーションを取る必要があります。車で行くだけではそうはならない。車で行くより、互いの絆がめちゃくちゃ深まるのです。

もはやカップルというより戦友です。

一緒にハーレーという鉄馬に乗って走る戦友です。車で行ったほうが楽だけど、不便だからこそのおもしろさがある。

一泊二日のハーレー旅は、わたしに新たな概念を植え付けました。

「ふたりでハーレーに乗って旅をする、そんな夫婦」。わたし、なんだかこの不便さにハマってしまいそうです……！

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