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「思考プロセス」と子供の教育について②誰のためのスキルか

こんにちは、ゴール・システム・コンサルティング&リ・デザイン研究所です。ゴール・システム・コンサルティング代表取締役村上悟による、TOCの基本スキル「思考プロセス」と子供の教育に関する2回目のコラムをお届けします。TOC(制約理論)や、教育のためのTOCに興味がある方、ぜひご覧ください!

前回は第1回目として、TOC思考プロセスには組織の問題解決を体系的に行う「ジョナスキル」と子供の育成・教育に関わる「TOCfEスキル」という2つの体系があり、それぞれに特徴があるというお話しをしました。
そして、fEスキルはシンプルで扱いやすいが、組織の中の連続した(体系的な)問題解決にどう使っていけば良いのかという質問が投げかけられることなどを説明しました。

では今回からは、この2つのスキルをどのように考えてゆけば良いのかを検討してゆきましょう。まず、fEスキルをどのように使うのが正解なのか、決まりはあるのかという事について、NPOであるTOCfEの会長キャシー・スエルケン氏はこう話しているそうです。

「どのツールをどういった順序で使うのかは、その人のゴールや目的によって変わるので、どれが正しくてどれが間違いということは無い。
もちろん、3つのツールを繋げて使う事が間違っているわけではないし、逆にバラバラに使っても、全くジョナスキルとは違う順序で使っても、それは、その時の状況とゴールによって変わるので、使う人次第。」

要するに、どう使うかは使う人次第だという事。これは、確かにfEが持っている条件、つまり同じツールを子供、教師、親がそれぞれに使い共通のプラットフォーム化するという立ち位置に合っているのではないかと思うのです。私個人の見解としても、fEのツールはそれぞれ独立しているので、どういった順番でどう使っても良いと思います。

しかし、どんな時でも誰にでも「体系的にも使える万能の手法」かと問われれば「そうではない、体系的な問題解決はちょっと苦手だよ。」という事になると思うのです。もしTOCfEのスキルが万能の問題解決手法ならば、ゴールドラット博士が思考プロセスの体系をfEに一本化しているはずです。しかし現実にはそうなっておらず、fEとジョナという別の体系が存在するのです。それは何故なのでしょうか?

TOCを開発してきたゴールドラット博士は、「何故」を考えるときに(fEでもジョナでも)事象が依って立つ「あたりまえの仮説」を疑えと教えてくれました。ジョナとfEという2つの体系が存在するという事実を成り立たせている「あたりまえの仮説」とは何でしょうか?私が考えるに、それは「子供と大人が同じではない」という事だと思うのです。

「fE」と「ジョナ」の根本的な違いを考えるとき、それぞれ誰のためのスキルかを抜きにして検討することは出来ません。fEの主役は子供であり、一般的な問題解決手法であるジョナスキルの主役は大人です。この「大人」と「子供」の違いに気付くことが重要なのであり、二つのスキルを使いこなすカギになるのではないでしょうか。

大人と子供の違いとは「子供は成長する」という至極あたりまえの事だと思います。私たち大人も精神的な側面や経験の蓄積など、子供と同じように学び成長します。「子は親の鏡」とか「学校は社会の縮図」などと言われ、大人と子供は変わらないのではという意見もあります。しかし子供は科学的に見ても、体格も脳の構造も大人とは違います。子供は物理的に「発達する」し、精神的に「成長する」ものなのです。

子供の成長発達にとって適切な経験は非常に大切です。TOCfEは子供の発達を支援する道具として、この「適切な経験」を積めるような体系で設計してあり、使うことで子供の健全な発達を促すことが出来るのです。
この事は、TOCfEの「成り立ち」と「ツールの定義」を見るとちゃんと読み取れます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。続きが気になる内容かと思いますが、次回は来週掲載予定ですのでお楽しみに!
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