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“企業の経営”に役立てるためにTOC(制約理論)を学ぶ「TOCアカデミー」第1回開催レポート

こんにちは。ゴール・システム・コンサルティング(GSC)の但田(たじた)です。少し前の話になりますが、GSCでは2024年4月から『TOCアカデミー』を開講しました。今回は初開催ということで、広く告知はせずに小規模で開催しています。しかしながら、GSCの20年の実践の集大成とも言える内容で、事務局をしている私も内心興奮する第1回となりました。

そこで今回は、『TOCアカデミー』とは何か?そして、その開催までの経緯と、第1回の様子をリポートしていきます。


「TOCアカデミー」とは何か?

「TOCアカデミー」は、中規模~大規模な組織の改革をめざす方を対象に、TOC(制約理論)を体系的に理解し、自社に適用できるようになるための知識付与と、そのための基本シナリオ作成を支援する、半日間×全6回のオンライン講座です。

TOCを「知識として学ぶ」ことが主眼ではなく、実際に組織での変革を推進していくリーダーとなる人材が、TOCの知識体系を構造的に理解し、自社の経営にあてはめて考え、役立てられるようになるための講座です。

本講座ではアウトプットとして自社へのTOC実践プランを作成するため、同一組織から複数名での受講を推奨しており、また、対象外の方はお断りすることもございます。講座の詳しい内容は、以下のページでご覧いただくことができます。

※TOCアカデミーは現在の募集は終了していますが、来年度以降も引き続き開催していく予定です。

なぜ「TOCアカデミー」を開催することにしたのか?

さかのぼること約3年前の2021年7月、GSCに現副社長の渡辺薫が加わりました。こうして、日本のTOCコンサルタントの草分けとして、25年で100社以上の日本企業を支援してきたGSC創業者の村上悟と、日立グループで15年以上に渡ってTOCを指導し、500を超える成果事例を生み出してきた実践者である渡辺薫が手を組んだことで、TOCを巡る社内でのディスカッションはさらに活性化し、進化していきました。

それから3年経った現在でも、当社の中では村上・渡辺とコンサルタントメンバーでの熱心なディスカッションが日々重ねられています。このような経緯を経て、TOCとはどのようなもので、そこにはどのような構造があり、それぞれのTOCソリューションは、どのような環境・前提条件に適合するのか、といった全体像の整理が進んでいきました。

こうしたなかで、村上・渡辺の両名が強く実感していたのが、「TOCの本来の力は十分に発揮されているとは到底言えず、TOCに魅力を感じ、活用しようとしている多くの方々が、様々な困難に対峙している」といいうことでした。

そもそも、TOC(制約理論)というと、「シンプルな全体最適の考え方で、めざましい成果が誰にでも出せるもの」というような、過大とも言えるイメージが先行する一方で、さまざまなTOCのソリューションの全体像を理解し、そのそれぞれのソリューションを的確に使いこなすのはとても難しいという、曖昧さを多く残した状態が続いていました。

結果として「TOCってなんか良さそうなんだけど、実際に会社で活用しようとすると、どうにもよく分からないんだよね」というようなお声を、TOCに可能性を感じている多くの方からいただいておりました。

こうした現状を乗り越え、TOCを構造的に理解し、自らの組織で使えるようになる人を増やすために、TOCアカデミーの開催が決まったのです。

20年の実績をベースに、議論と推敲を積み重ねた600枚超のテキスト

通常、私たちがTOCに関する講座を行う時には、アップデートはあるにしても、利用するスライドの大半はこれまでにも使ったことがあるものが多いです。なぜかというと、私たちはこれまでに何回もTOCに関するセミナーや講義を行ったことがあるからです。

けれど、今回の「TOCアカデミー」では、大半のスライドがGSCの社内メンバーすら初めて見るという「初物」のスライドになっています。なぜかというと、ただ既存のTOCの各種手法を個別に説明するのではなく、TOCの知識体系の全体像を示し、そのなかの各手法の位置づけを明らかにすることに今回はチャレンジしているからです。

ちなみに、このようにTOCの全体像を捉えて説明する資料はとても少ないので、GSCのこのYouTubeも多くの方にご視聴いただいているのですが、今回のTOCアカデミーに向けた知識整理を経て、おそらく、このような構造的な解説もまたアップデートされる見込みです。

さて話を戻しまして、TOCを丁寧に構造整理してお伝えするという野心的な取り組みのために、講師の村上と渡辺は、ディスカッションとテキストの追加・改訂を繰り返しました。最終的なテキストのスライドは600~800枚の見込みですが、そこに至るまでに、大量の構想メモと、最終テキストと同じくらいのボツになったスライドがありました。

こうして出来上がっていく第1回テキストを見てきた私たち社内メンバーにとっても、テキストの完成と、TOCアカデミーの開講はとても待ち遠しいものになりました。

2024年4月10日、TOCアカデミー開講

このように半年以上の準備期間を経て、GSCが創業以来初めて提供する、マネジメント人材向けのTOC講座『TOCアカデミー』の第1回を無事に開催することができました。

今期はクローズド開催に近い形でお声がけし、GSCとお付き合いのある企業様から10数名のマネジメント層の方にご参加いただいています。

まずはTOC(制約理論)の全体像を構造的に説明し、その原理原則や世界観を大づかみで理解してもらい、第2回以降でそのなかの部分的なフローアプリケーションや手法を理解してもらうというプログラム構成になっているので、おそらく、通常業務とは違う頭の使い方になる、かなり濃密な4時間半になっています。

このような決して初心者向けではない内容で、受講者の方々は付いてこられるだろうかという不安もありましたが、さすが各社で活躍されている方々で、しっかりとこの難しい講座に集中して取り組んでくださっています。

TOCアカデミーは、第3回以降でより具体的な内容に踏み込んでいきますので、これから先の展開もとても楽しみです。

噛めば噛むほど理解が深まるテキストで、TOCの世界観を自分のものにする

今回のTOCアカデミーを通じて、講師陣が提示しようとしている「TOCの講義」は以下のような点で、とても斬新でチャレンジングなものになっています。

  • TOCを個別の手法の集合体ではなく、構造的に整理し、全体像を示す。そして、その全体的な構造のなかに、個別手法を位置付けることで、TOCの世界観を真面目に理解しようという試み

  • TOCを「なんにでも使えるめざましい成果を生み出すもの」と謳うのではなく、その効果が発揮される範囲を明らかにすることで、より使いやすくなり、有効性が高まるという考え方

最後は私の主観含みで申し上げてしまいますが、このTOCアカデミーの講座内容はかなり難解で、テキストを一読して「分かった」と言えるようなものではありません。しかしながら、この全6回を経験し、そして、テキストを何回も見直すことで、これまでの自分自身では見えたことが無いレベルで、TOCの全体的な世界観を掴めるようになるものだと確信しています。
いわば、噛めば噛むほど味わいが出るスルメのような講義内容となっています。

このようなこともあり、TOCアカデミーご受講の方には、講義動画を何度でもご覧いただけるようにしています。また、GSCのコンサルタントメンバーは、全員今回のTOCアカデミーの講義録画を視聴するようにしています。

TOCについてはそれなりに学んできた私たちですが、これから全6回のTOCアカデミーを通じて、これまで以上に深く広い視点でTOCを理解できるようになることを、とても楽しみにしています。

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