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「製品開発マネジメント」に悩むお客様の典型的な3つのストーリー

こんにちは、ゴール・システム・コンサルティング(GSC)の但田(たじた)です。先日、「当社に製品開発マネジメントのご相談をされるお客様は、どんなことを悩んで、連絡をくださるに至っているのだろう?」ということを改めて振返ってみました。複数との企業様の経緯を振り返ったところ、そこには、製品開発マネジメントに真剣に取り組み、悩んでいるお客様の典型的なストーリーが浮かび上がって来ました。
※今回のnoteでは、複数の企業様の事例を組み合わせて、守秘情報に触れないようにした上で、典型的なストーリーとしてお届けします。


1.QCDの最後の砦として残る、開発納期の問題

当社は、TOC(制約理論)を活用するコンサルティング会社ですので、当社にお問合せをされるお客様の多くが、TOCのプロジェクトマネジメント手法である「CCPM」に興味をお持ちです。しかし、もう少しお客様の経緯を丁寧に紐解いていくと「TOCが好きだからCCPMに興味がある」といった状況とは少し異なる、製品開発の現場の苦悩が見えてきました。

「CCPM」という観点で言うと、ソフトウェア業界の方も多く利用されている手法ですが、当社のお客様においては「製造業の製品開発」に関わる方がほとんどです。

それらの製品開発の現場では、グローバルニッチトップの製品を作っていたり、精密機器など、高度な技術連携を要求される業界に対応している状況にあり、高い技術品質で差別化を進めていらっしゃいます。

製造業で追いかける指標としては、QCD(品質・コスト・納期)があり、どの企業でもこの3つの同時実現を目指していますが、このように高い技術品質(Q)に対応し、なんとかコスト(C)を整合させている製品開発現場において、どうしても最後に残ってしまいがちなのが納期(D)の問題です。

なぜかというと、製品開発においては複数の開発テーマを同時に走らせる必要があるからです。製品開発現場では、それぞれの開発テーマのリスクが大きく、それぞれの開発テーマに依存関係がある中で、複数の開発テーマで人的リソースを共有しながら進めていることがほとんどです。そのため、ひとつのリスクが顕在化すると、他の開発テーマにも影響が及び、それらに対処していくうちに、どうしても納期が後ろにずれてしまいやすいのです。

2.製品開発を悩めるお客様が、CCPMに惹かれる理由

このように、製品開発の納期遅延を何とかして改善したい、とお考えの担当者の方が思い至るのが「何かしらの管理技術が必要だ」ということです。そして、そのような納期改善に効く管理技術のひとつとして、CCPMには可能性がありそうだ、と期待を抱かれるようになります。

なぜなら、CCPMという手法の説明では、従来の発想を逆転させるようなシンプルな管理手法で納期が守れる、25%の納期短縮も期待できる、などとされているからです。実際、当社の支援先でも、CCPMで良い成果が出せている企業様は多くあります。

3.GSCの支援にフィットするお客様(と、そうでないお客様)

このように、CCPMに期待を抱いた製品開発担当者の方で、外部支援が必要という考えに至った方は、CCPMを適用するコンサルティング会社のセミナーに参加したり、問合せを行ったりなさいます。その際、多くの企業様が、複数のコンサルティング会社の方とやり取りをしてじっくり検討されるようです。

当社は規模は大きくないので、年間何十社もご支援できるわけではありません。限られたリソースの中で、ご支援させていただくからにはしっかり成果を出したいという考えから、事前のご相談には丁寧に対応するようにしています。そのようなプロセスを経て、当社をパートナーとして選んでくださるお客様には、以下のような特徴があることがわかってきました。

  • CCPMの導入への関心が強いのではなくて、製品開発の納期遅延問題の解決への関心が強い

  • CCPMの考え方に魅力は感じているが「すぐにバラ色の未来」とかではなく、適切な努力を重ねてきちんと成果を出して行きたい

  • CCPMの導入知識だけでなく、製造業の製品開発の現場を理解できるパートナーを選びたい

上記からも見えるように、当社は少し泥臭いタイプのコンサルティング会社なのでしょう。たとえば、TOCが大好きで、CCPMを迅速に導入したい、といったお考えであれば、もしかすると、当社よりももっとフィットするコンサルティング会社さんがあるかもしれません。

A.CCPMだけに期待しすぎることのリスク

当社は、日本のTOCコンサルティング会社としては歴史がある方ですので、当社のコンサルタントも、基本的にはTOCの考え方を気に入り、研究・実践しています。しかしそれでも、製品開発支援へのCCPM導入を長年支援してきた実績の中で「CCPMに過度に依存することにはリスクがある」と考えるようになってきました。一刻もはやくCCPMのバッファチャートの運用に持ち込もうとするなど、CCPMの導入だけに焦点が当たってしまうと、結果的に納期遅延に至るような、不幸な結果にも発展しやすいと考えています。

B.GSCの製品開発マネジメント支援品質が上がった理由

当社では、CCPMと「リーン製品開発」の手法を組み合わせた製品開発マネジメント支援を長らく行って参りました。そのなかでも、ここ2年ぐらいで、製品開発マネジメント支援の品質があがってきたという手応えが得られています。

そして、支援品質が上がった理由は、CCPMという手法だけに依存するのではなく、現場を良く診たうえで、どのような手順で支援していくか、製品開発プロジェクトの性質に合ったマネジメントをやるようになったことにあると考えています。

A項とB項でお話した内容については、このnoteだけでお伝えするのが難しいので、5月からの無料連続ウェブセミナーで詳しくお話します。1時間×3回でコンパクトにお話いたします。ただいま6月13日(月)16時~17時からの第2回のお申込みを、以下のリンクから承っております。
ぜひお気軽にご参加ください。(本ご案内は、2022年5月30日に更新しました)

▼この記事に登場した「CCPM」と「リーン製品開発」については、今回のセミナー講師である真道久英による過去のnote記事があります。ご興味がある方は、以下をご覧ください。

▼リーン製品開発についてのセミナー動画は、youtubeでもご覧いただけます。

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