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The EXPERIENCE 2011 Kho Tao Thailand

2011年の年末から2012年の年始にかけてタイのタオ島で行われた年越しRAVE『EXPERIENCE』のレポート。ASIAのRAVEシーンで欠かせないのがこのエリア。この回から定番化した様なので記事で気に入った方は是非。
この記事中の写真はフィルムカメラで撮影しています。


KHAOSAN Rd

年末年始を海外の何処で過ごすのか?と言う議題は長期旅行者にとっては割と問題になる。

なにせ年末近くの移動代、宿泊費は跳ね上がり、尚且つ人気の観光スポットは満車満室のオンパレードだからだ。


だいたいの予定はクリスマス前には決めておかないと、訳分からない田舎で身動きが取れず年を越すなんて事もあるかもしれない。


今回は一ヶ月前から計画的にこのタオ島の年越しパーティーへ向けて動いていて、ラオスのシーパンドンでビザクリをしてタイのカオサンロードへ戻って来ていた。

クリスマスも絡んでいるのでカオサンはいつもより活気に満ちていて、いつも泊まっていたピーチゲストハウスは満室だったので、日本人に人気のNat2ゲストハウスへ泊まる事に。

皆、年末年始休暇で日本から来てるので朝から晩まで飲んだり、女の子を買いに夜の街へ出かけたり、ビリヤードしたりと賑わっていた。

今回は、今の嫁のマリコと、当時タイに住んでいたナミ、エジプトから追って来たおっくん(うんこに咲く花)、そして日本からヨシコ&マドカの6人でこのパーティーへ向かうのだけど、このメンバーがタイでしかも年越しに揃うなんて奇跡に近いもんで、皆この時点で日本で会った事が無かった。

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旅好きでパーティー好きはフットワークがメチャクチャ軽い。


カオサンには旅行代理店が沢山あって、何軒か周り一番安い所を探したが、結局この当時ジパングトラベルを経営していたヨシオ君に頼んでジョイントチケットを取って貰う事に。このジョイントチケットとは、カオサンロードからタオ島までのバス、船がセットになったチケットで、乗り込んでしまえば次の日には島に着ける便利なチケットなのだ。何処の旅行代理店でも取り扱っているが、値段が違うので何軒か回らなくてはならない。


出発当日、連日道端で似顔絵を描いて眠そうなおっくんと、ナミ、マリコの4人で満車になったバスに乗り込む。車内は冷房ガンガンで、予め用意していたブランケットにくるまりながらお菓子をほう張る。夜行バスなので途中ご飯休憩などが入りつつ朝には船着場に到着するのだが、バスの荷物の下ろし方が異常に雑な上に早い。

コレか。と思った時には既にバスは出発してしまったのだが、当時長距離バスの荷室に人が入り込んで金品を奪う事件が多発していて、どうやらそのバスに遭ってしまった様だった。


僕らは話は聞いていたのでバックパックのチャックから何から至る所に南京錠と紐をして、更にレインカバーを掛けておいたので無事だったが、おっくんは日本代表のユニホームを盗まれていた。


船着場では何人か分からない白人たちが朝から酒を飲んではしゃいでいた。船は小型だが甲板に出られる位のサイズで、年末年始のハイテンションな乗客は殆どが甲板に出て海を眺めながら座っている。


船から水面までは2−3メートルあるのだけど、出発して1時間後位に海のど真ん中で酔っ払っていた白人2人が海へ落ちたので救出しに戻る。連れは大爆笑しながら迎えていたがタイ人クルーはご立腹だった。船から人が落ちるなんてタイタニックでしか見たことがない。


僕はナミに笑われながら出発前に酔い止めを飲んでおいたが、結果的には船酔いで甲板から吐いているナミを僕が笑う結果となった。


そんなこんなでパンガン島を経由して目的地のタオ島に到着する。


タオ島


タイの太平洋側には無数の島があるのだが、その中でもバックパッカーに人気なのがパンガン島とタオ島だ。

パンガン島は言わずと知れたパーティーの島で、毎月満月の夜にはハドリンビーチで音楽が鳴り響いている。


ただ、長いハドリンビーチで、各海の家がジャンルの違う音楽を爆音でかけているだけのホームパーティーに近い。ヒップホップの1メートル隣でレゲエがかかっている感じ。

音楽を楽しむと言うよりは、酔っ払って騒ぎたい白人のビーチと言ったところか。


まぁそれはそれで楽しいとは思うが、パーティー好きが好んで行っていたのはハドリンでは無く、島中心のセブンイレブン近くでやっていたハーフムーンやシバムーンと言ったしっかりとしたイベントだった。約15年前の話だが。

当時はまだ映画ザビーチの影響もあってパンガン島の白人観光客の数が半端なく、皆異国の南の島でアバンチュールや全てを忘れてのんびりとくつろぎに来ていた。島全体的にそういった雰囲気が漂っている。


今回はそんなパンガンはスルーして、隣の島のタオ島へ直行するのだが、タオ島は本来ダイビングとシュノーケルで有名な島で、日本人向けのダイブショップなども多数ある観光島になっている。

フェリーで15分位行ったところに、ナンユアンと呼ばれる3つの島がビーチで繋がったシュノーケルスポットがあって、とても綺麗なのだが、その昔ここで溺れてドイツ人に助けてもらってから海はからっきしダメになった悪い思い出のある場所だ。


タオ島もパンガン島も小さい島だが基本バイクをレンタルして移動する事になる。

バイクレンタルは大体パスポートのコピーを渡し、料金を支払えば国際パスポート無しで簡単に借りられる。


島に着くと先ずは調子の良さそうな宿探しからスタートするのだが、年末年始もあってバンガローが中々見つからなかった。バナナの葉で覆われた高床式のバンガローが一棟400バーツ程度で借りられて、プライベートビーチが目の前って言うのがこの辺の島のウリでもある。

ただ6人泊まれてとなると中々難しく、今回は街中の宿を普通に3部屋借りる事に。

1日目は宿探しとバイクレンタルに使い、2日目に日本から飛行機で来たヨシコとマドカと合流して近くのご飯屋で先ずはカンパイ。久々の再開とパーティー、年越しでボルテージは最高潮に上がりきって31日のEXPERIENCE当日を迎える。

THE EXPERIENCE


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会場は山頂にあり、バイクを2ケツして行くか、タクシーで向かう。

早めに会場へたどり着き、入場ゲートでリストバンドを着けてもらうと早速ビールを買いにBarへと向かう。

メインフロアーとチルアウトフロアーの2ステージで、広さは大して広くないのだけど、しっかりと踊れるスペースが確保されていて、物販も飲食ブースもあり申し分ない感じ。

欲を言えばスピーカーがイマイチだったか。

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ゆっくりと人が集まり始め、音も徐々に上がり始める。

一晩のイベントは一度寝てしまえばそれで終わってしまうので、一発勝負。

夜の体力を温存しつつこちらもゆっくりと準備運動の様に踊り始める。


初めは6人でカンパイし、踊り始めたが、おっくんは会場で似顔絵を描き始め、自然とそこに人が集まり始めていた。

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カオサンで見かけた人や、日本人の顔もチラホラ見かけたが、圧倒的にシンガポールのレイバーが多かった。

そして彼らはめちゃくちゃフレンドリーで優しいし、何よりイベントを楽しんでいるのがこちらにも伝わってきた。

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完全に日が落ちると、年越しまではあっと言う間に過ぎて行く。もう何杯飲んだか分からないビール。

徐々に踊りながら仲良くなって行く友達。

日本に居た事、この半年間の旅、仕事、写真、全てから解放されてただただ踊り狂う。

ヨシコと会えば必ず何か飲みもの片手に踊ってるし、マドカはひまわりの種を貪る様に食べてたな。

ナミはなぜかタイのカレン族のでっかい帽子被ってた。

マリコと僕は徘徊してて、おっくんはひたすら似顔絵。

皆んな煩わしい事を忘れてたいんだ。あの場所ではそんなもの考える必要が全く無い。

テーマパークだってそうだろ?

それが僕らにとってのパーティー。


HAPPY NEW YEAR

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年を跨ぐと2-3時間は踊り続け、気がつけば徐々に人が減っていった。


タイの南の島といえど、夜は寒くなって来て僕らも帰る準備をし始めていた。


おっくんとナミは会場に残るといい、僕とマリコはバイクで、ヨシコとマドカはタクシーで宿まで帰る事に。帰宅と同時に直ぐにベットで寝てしまった。


次の日に起きるとナミの様子がおかしいので聞いてみると、おっくんより遅くまで残って遊び、帰りにバイクタクシーで帰ってくるも雨でずぶ濡れになり凍えて帰って来たそうな。


僕らはナミを珍獣と呼んでいるが、やっぱり何か彼女はやってくれる。


楽しいパーティーもあっという間に終わり、それぞれが出発の時を迎える。


本当にこのパーティーだけに集まって、それぞれの目的地へと戻るのだ。


また必ず会えると分かっているから、寂しさは全く無い。


ヨシコ、マドカは日本へ、おっくんとナミはバンコクへ、マリコと僕はマレーシアへ。


次はどのパーティーで会えるかな。


THE EXPERIENCEは、アジアのパーティーの良さを存分に味わえた良いパーティーだった。ヨーロッパにはヨーロッパの、アジアにはアジアのそれぞれの良さがあって、なんだろう、アジアは旅の延長でパーティーがあるイメージでローカル色が強い分、気取った感じがしなくてそれはそれで良い雰囲気が出ていた。

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有名なDJが来ていた訳でも無いし、 LIVEがあった訳でも無い。

デコが素敵だった訳でも無いがそこには間違いなく楽しい空間があって、それを楽しめる仲間が居た。それだけでも十分だった。

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また必ず集まろう。


地球のどこかで。


次回 RAVE レポート Rainbow SerpentFestival   Australia

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