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書けるときに日経日記 2021年8月9日

■全体感
2020年前には思いもよらなかった形でオリンピックが行われて、そして終わった。パラリンピックをやりきる課題はあるが、その振り返り、課題で紙面が覆われている。

■今日の数字
・約1.1万人→オリンピックの参加選手。

・205→オリンピックへの参加国、地域

・600,000回以上→選手や大会関係者への検査数

・1兆6771億円→オリンピックの経済効果

・58個→日本のメダル獲得数。金は27、銀が14、銅が17。過去最多。

・1300億円→ 無観客による経済効果の縮小分。


■所感
賛否あれども、結果オリンピックは行われるべきだったのではないかと思う。
もちろんこれからのコロナの状況を見据えて考えていかなければいけないが、今の段階において率直に感じる事はGDPに現れない豊かさを選手や大会運営者の方々が生み出してくれたことに対しての感謝である。

コロナ下、世界と共に 東京五輪閉幕
異例の夏、未来へ糧

特にマイナースポーツの選手にとっては「開催してくれてありがとう」という気持ちが強いようだ。
始まってみると、過去最高の金メダルするとメダル総数を記録して選手たちにとっても見る私たちにとっても、やって良かったと思える結果になったのではないだろうか。
心が揺さぶられる経験と言うものは、確かにお金に変えられる部分もあるが、ほとんどの事はお金に変えられない。
経済効果以上に、私たちの心は揺さぶられたと思うし、それは決してGDPなどで換算できるものではない。

現実問題としては、防衛費などはGDPをベースに水準が決まってくるし、日本の財政問題もGDPが改善されなければ根本的な解決が難しい状況でもある。そのため、GDPは関係ないと言う甘いことを言うつもりもない。
ただ、一人当たりGDPが一定水準以上を超えた状況において人々の本当の幸せと言うものはGDPでは表現しきれないのだろう。

4年に1度のオリンピックに命をかけて日々のトレーニングを行う選手たちが与えてくれる感動は、きれいごとではなく経済に関係のない豊かさでもある。もちろんそれが経済に前向きなつながりがあればそれに越した事はないが、本来経済効果とは切り離されたものであろうと思う。

オリンピックの経済効果、自分に置き換えると普段よりも少しお酒とつまみの家での消費量が増えた程度だったなぁと。。
選手と運営側の方々の貢献によって心はだいぶ豊かにさせていただいたが。
1.6兆円を超える経済効果は、主にオリンピック前のインフラなどによるものなのだろうと思う。無観客による経済効果消失は1300億円と言うことなので、全体としてのインパクトは実感よりも大きくないということか。
とはいえ、観光をはじめとする飲食宿泊サービス業などにとっては当初想定されていた期待と大幅に食い違った結果となった。
オリンピックをさらに加速させる要素としてインバウンドの方々を多く呼び寄せて、日本の観光やおもてなしのサービスを世界に広げていく目論見は崩れてしまった。
まさに、コロナがサービス殺しと言っても過言ではない影響を世の中に与えた。
そのような中でも、Twitterなどを通じておもてなしの精神は世界に拡散されたようだ。
でも、実際に来ていただければそんなものではないと言う事は伝えられると思うしそのためにもサービス業を中心として苦境にある方々には今を乗り切ってほしいと思う。

一人当たりの付加価値をもっと効率的に出すためにはおもてなしの精神をやりすぎないと言うことも必要なのかもしれないが、しっかりとおもてなしをして、その分の付加価値を経済効果にも表すということがコロナ後(ウィズコロナ)の日本において必要な付加価値の上げ方なのかもしれない。

インバウンドの来日の理由は、前回おもてなしの精神だけではなくこの30年間で安くなってしまった物価によって安い日本を求めてのことであると言う分析もある。実際に様々な比較をしてみるとその通りなのだろうと思う。しかしそれだけでは味気ない。そして、今後安い日本ではなくなるような未来を描いていかなければいけないし、そのためには、安い日本でなくなった先にはおもてなしの付加価値の精神で選ばれる必要があると考える。

おもてなしの精神はテクノロジーにも生かされるはず。コロナ禍において、これだけの大会を運営したノウハウと経験は他国をしのいでいるはずである。

「全勝で金!!」 五輪ツイート分析、野球がトップ
新競技スケボーも話題

新聞でもテレビでも、TwitterなどSNSの分析がニュースになる。
リアルタイムによる人々の反応をアンケートよりも迅速に把握できるためこのようなメディアミックスはとても重要になってくる。

新聞やテレビ、行って見ればオールドメディアがあることによって、SNSなどのトータルの分析が可視化される部分もある。
新聞やテレビなどは、記事やコンテンツの構成を見る人によって変えられない不自由さがあるが、その分世間一般の人たちが考えていることを大掴みにするには適している。

そして、その世間一般の人たちが考えている事がリアルタイムで表現されることがSNSなどのネット媒体である。
個別のSNSなどは、見る人のオンデマンドでその人の趣味嗜好に合った形に編集されたものである。
そのため、新聞やテレビなどのオールドメディアがなくなってしまうと人々は、自分自身の趣味や嗜好にますます限定された世界に閉じ込められていく。

だからこそ、継続的に世間一般に開かれたオールドメディアに触れることによって、客観的に自分の位置づけを把握することが大切なのだと思う。

オリンピックのTwitterの内容としては、野球がナンバーワンだった。
存在感を発揮しているが、次回のオリンピック以降、オリンピックの競技からは消えてしまう。そのような中で、前回の東京オリンピックの時代から継続して人気を博している。変わりゆく価値と、変わらない価値と言うものを共に感じる結果である。

一方で、SNSには当たり前であるが選手個人のアカウントもある。そして選手個人のアカウントにはオリンピック開始の前やオリンピック中においても様々なメッセージが直接書き込まれる。
そして、その中には選手の心を蝕むような内容のものも多く含まれていたと言う。
匿名で、気軽に投稿できる分、そのメッセージが与える影響を知覚せずに送ってしまう場合や、自覚した上で送ってしまう場合など様々あるだろう。

学校教育においても情報の授業が行われているという。情報と言うと何か新しいもののように感じるが、人々に伝わる内容はメディアの形式を変えるだけで変わるものではない。結局は人の心を理解して、どのようにメッセージを伝えるかということが基本にあるのだと思う。
メッセージにも思いやりと配慮が必要だと思う。そしてそれが世界中とつながるようになったとしても、日本の文化になりうるのではないだろうか。


日本の半導体、再興なるか
未来の市場予測し戦略 自民党半導体戦略推進議連会長 甘利明氏

新型コロナウィルスのワクチン開発もそうであるが、本当に世の中が求めている戦略的物資に対して日本は適切な予算をかけてきたのだろうか。

人材は短期間で簡単に育つものではないが、人材育成を中心として、中長期に時間軸を定めて圧倒的な予算を半導体にかけていくことも必要なのだろうと思う。
この記事にも記載しているように、単純に台湾のTSMCの誘致に予算を投じるだけで終わってはいけないと思う。
日本そのものに、人材と技術ノウハウを蓄積していかなければいけない。そして、私は細かい事はよくわかっていないが今後の半導体は微細加工の技術開発が限界に近づき、積層などのゲームチェンジの場面に入りつつあるようだ。
もちろん、中長期的に人材を育てることを視野に入れた場合中長期が経った後にどのような技術が競争領域になっているのかと言うことを見定めなければいけない。
とはいえ、そのような予想が100%当たるわけではない。故に、今後様々な環境変化の中で、その環境変化に応じて競争領域を見定めて人を育てる主体そのものを人材育成によって育てていくことが必要なのだ。
言ってみれば、半導体の技術者とともに、世の中の技術を、社会を見定めた上で競争領域を見定めて資源を投入していく判断をする実質的な経営者を育てていくことが必要なのだと思う。

日本の財政問題は根深く、根本的な解決が現場の枠組みのままでは難しい。だからといって、お金をかけるところには際限なくお金をかける自動的な投資判断を実現することによって未来を切り開いていくしかないのではないか。そのような限られた分野が半導体の積層技術なのかもしれない。ただ、10年20年先にはその先の技術と言うものがある可能性がある。
目先の技術を置くだけではなく、総合的な力を蓄えてその先の柔軟な対応を実現できる人材と金とものが必要なのだと思う。もうこの分野に金の糸目をつけるべきではないと思う。

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