博士がゆく 第31回「質問力をきたえる」
こんにちは。ドクター細胞くんです😎
今日の記事を読むべき人
→博士を目指す学生
→学会で質問できない人
研究において
「疑問をもち、それに対する答えを求める」
質問というのは極めて日常的なものでなければなりません。
なぜなら、どんな研究も疑問が起点となるからです。
最初に定義しておきましょう
質問力とは重要な疑問を見つける能力です。
そして質問力は、
質問を繰り返すことでしか鍛えられません。
誰しも、自分がいい質問をできているか最初は分からずに質問します。
質問した際に、
「いい質問ですね」
とか
「私も同じことに興味をもっています」
など
自分より高みにいる人に自分の質問を評価された時
はじめて自分がいい質問をできたかどうかわかります。
すなわち質問すらしない人は、
永久に質問力を鍛えることができません。
質問力を鍛えられないとどんな問題があるのか?
はっきり言って
しょうもない研究しかできません。
なぜなら質問力が低い研究者の研究は
その研究の起点となる最初の疑問のレベルが低いからです。
例えば以前紹介した、リンゴに含まれる細菌を研究した興味深い研究。
起点となった疑問はおそらく
「リンゴにも細菌って含まれているのかな?」
そこからどんどん疑問が湧き出た結果
「この木のリンゴとあっちの木のリンゴに含まれている細菌って違うのかな?」
「あまり変わらない。なぜだろう?」
「ヒトの腸内細菌が、栄養源である食べ物で変化するのなら、リンゴの栄養源である土壌が変わることで、リンゴに含まれる細菌も変化するのかな?」
「同じ農園内では土壌の質もほぼ同じだから細菌が変わらなかったのか?」
「もしかしたら世界中でリンゴに含まれている細菌を比較したら違いが分かるかもしれない!」
起点となるシンプルな疑問を起点に
ヒトにおいて知られている既存の知識を加えて、
リンゴに含まれる細菌を変化させる要因が土壌であることを見抜いた見事な研究です。
この研究者の質問力が低かった場合、
もしかしたら農園内のそれぞれのリンゴの細菌を比べて、変化がなかったところで諦めてしまっていたかもしれません。
もしかしたら、リンゴに細菌が含まれているかどうかにさえ疑問を持たなかったかもしれません。
疑問を解消するために行った研究の結果が新たな疑問を生む。
これを繰り返すことで研究とは成り立っています。
低レベルな疑問を繰り返せば研究もおのずと低レベルになります。
一方で
高度な疑問を繰り返せば繰り返すほどあなたの研究は優れたものになっていくものです。
どうでしょうか?
研究者として質問力がいかに重要か伝わりましたか?
次回からは、実際に質問するための方法を少しずつお話ししていきましょう。
質問箱を開設しました~。「博士がゆく」を読んでの感想や、質問や相談をじゃんじゃん投稿してください。
今日はこの辺で。
またね~♪
いただいたサポートは、博士へのより正しい理解を広めるための活動資金として使わせていただきます。