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細菌の世界 第1回「リンゴだって細菌と一緒」

こんにちは。細菌学者のドクター細胞くんです😎

今日は「細菌の世界」として、細菌学に関連した面白い論文を紹介したいと思います。

今回紹介するのはコチラ

Environmental Microbiologyより引用

リンゴに含まれる細菌叢のグローバル解析:すべてのリンゴは同じなのか?

というタイトル。

ユーチューバー風に言うと

世界中のリンゴの中に入ってる細菌くらべてみた~!

といった感じ。

僕ら人間のお腹の中には100兆から~1000兆匹の腸内細菌がいて

彼らが体調を整えてくれているのは有名になってきていますね。


仲間のムギウギさんも酪酸菌や乳酸菌について熱く語ってくれていました!


これはリンゴも一緒!

実はリンゴには1個当たり1億匹の細菌がいることが2019年の研究で分かっています!

さて、ここで問題💡

ヒトの腸内細菌は、個人が「食べているもの」で変化します。

リンゴは土壌から栄養分を得ていますね。

では土壌が変わればリンゴに含まれる細菌も変化するのでしょうか?

これが今日紹介する論文のメインテーマ。

彼らは、カナダ、イタリア、スペイン、スイス、ターキー、ウルグアイ、そしてアメリカ合衆国の主要なリンゴ生産地

合計21か所のリンゴに含まれる細菌がそれぞれ違うのかどうか評価しました!

すげぇ仕事量だっただろうに。。。

だが、その仕事の甲斐もあり、リンゴに含まれる細菌には地域ごとに違いがあることが分かりました!

図3Dより引用

灰色の破線でまとめられている地域で、

リンゴに含まれている細菌が似通っていたとのこと。


アメリカ合衆国、カナダ、ウルグアイはアメリカ大陸。

スペイン、スイス、イタリアはヨーロッパですから、

リンゴの細菌は、地域ごとに似通っているのが分かりますね。

面白いのは、アメリカ合衆国の西海岸と東海岸で、

含まれている細菌が違うこと。


論文では、湿度が大きく異なるために細菌の分布が異なるのかもしれないと考察されていました。

西海岸はより乾燥していて、病気のリスクが高い。

そのため、より多様な細菌と共存することで、病気から身を守っているようです😮


いかがだったでしょうか?

少しでも細菌の世界に興味を持っていただけたらとても嬉しいです😊


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