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博士がゆく 第37回「質問は誰がために」

学会1週間前。

指導教員にプレゼンテーションを見てもらい。

いいところやわるいところ(主にわるいところをメインに)を指摘される。

それを2~5日かけて修正し、

発表練習を日夜重ねる。

もちろん当日台本は見られない。

一生懸命覚えた。



発表当日。

着なれないスーツ姿がパッとしない。

朝からお腹が痛い。

脇汗も止まらない。

学会会場に向かう道中も

発表内容の暗唱を繰り返す。



会場に到着。

あなたの発表はセッションの1番手。

USBを係の人に渡して

パワーポイントファイルを会場のPCに移してもらう。

アニメーションが動くか簡単にチェックしたのち

トイレに向かう。


発表まで残り30分。

震えが止まらない。

口もぱさぱさ。


発表まで残り20分。

会場に戻り最後の暗唱。


発表まで残り10分。

セッションの会長が、簡単にセッション前の挨拶をしている。

もちろん耳には入ってこない。

その後起きた拍手に

遅れながら手をたたく。


司会があなたを指名したことを確認し、壇上へと向かう。

そして司会の先生が言う。

「準備ができたらお願いします。」

「一生できないので勘弁してください。」

そういいたい気持ちを必死に抑えて、発表を始める。




不思議だ。

練習の甲斐もあってか。

いざ発表が始まるとすらすらと言葉が出てくる。

会場を見渡す余裕もできる。


ふと。

指導教員と目が合った。

安堵や不安が入り混じり。

一瞬言葉がでなくなる。


でも大丈夫。

あなたのセリフは止まらない。

練習の成果は存分にあったようだ。

そうなると10分もあっという間。

「ご清聴ありがとうございました。」

パラパラと拍手が起きた後に司会が言う。

「今の発表に質問がある方はいませんか?」



しー--ん。


ってなったらめっちゃイヤじゃない?

今日はそんなお話。


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今日はこの辺で。

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