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博士がゆく

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本小説では配属されたばかりの学生さんが研究室で直面する悩みと、その解決法を11のストーリとして解説しています。 筆者の失敗経験をもとに、博士号を取得した今だからこそ語れるアドバ… もっと読む
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記事一覧

博士がゆく 第1話「大丈夫だよ」

「3流だな」 そう言い残して指導教員は自分のオフィスに戻っていった。そんなハラスメント丸…

細胞くん
1年前
19

博士がゆく 第2話「おつかれさま」

目を開けると蛍光灯の光がまぶしくて顔をそむけた。変な態勢で仮眠をとっていたからか、体中が…

細胞くん
1年前
7

博士がゆく 第3話「憂鬱な読論発表会」

「えっと…Figure 1の結果がこうだから…。Figure 2でこの実験をするのか?」 「そんでこの実…

細胞くん
1年前
6

博士がゆく 第4話「わからないことはわからない」

「どう考えてもコントロールが足りない」 博士(ひろし)は指導教員に指示された実験のプロト…

細胞くん
1年前
12

博士がゆく 第5話「やってみた方が早いこともある」

「う~ん…」 今日も博士(ひろし)は研究室で頭を抱えていた。新たな実験を始めようと思うの…

細胞くん
1年前
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博士がゆく 第6話「研究発表」

背もたれに体重をかけて天井を仰ぐ。 「なんでも知ってるのかあの人は?」 今日は研究室内で…

細胞くん
1年前
8

博士がゆく 第7話「初めての研究発表会①」

ラップトップを見つめる目は充血している。 研究室に配属されてから半年。とうとう博士(ひろし)のはじめての研究発表が1週間後に迫っていた。初めて使うPowerPointに苦戦しながら、なんとか今まで取得したデータを貼り付けていく。半年では大したデータは取れないが、それでもいいのだろう。とりあえず今までやった成果をひたすら貼り付けていく。 「とりあえず一通り貼り付け終わったか」 1週間前にスライドが完成していればかなりいいペースだろう。博士は自分の成果を自分でほめた。スライ

博士がゆく 第8話「初めての研究発表会②」

「今日はかなり調子がいいみたいだね」 コチラの悪態を気にせずに細胞が続ける。ペンケースを…

細胞くん
1年前
5

博士がゆく 第9話「初めての研究発表会③」

(前回のつづき) 自分ではてっきり褒められると思っていた博士は面食らった。 「どういうこ…

細胞くん
1年前
4

博士がゆく 第10話「初めての研究発表会④」

(前回のつづき) 「それで、メッセージをあきらかにするにはどうすればいいんだ?」 「デー…

細胞くん
1年前
4

博士がゆく 第11話「初めての研究発表会⑤」

(前回のつづき) 珍しく残したカップラーメンのスープを流しに捨てて、テーブルを片付けてラ…

細胞くん
1年前
7

博士がゆく 第12話「うまくいかないクローニング①」

制限酵素処理したプラスミドDNAを、アガロースゲルの小さなウェルに注ぎ込む。ローディングバ…

細胞くん
1年前
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博士がゆく 第13話「うまくいかないクローニング②」

↑↑↑↑↑↑↑↑ 本文を読む前にフォローしてください。 博士(ひろし)の研究室ライフを平日…

細胞くん
1年前
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博士がゆく 第14話「うまくいかないクローニング③」

↑↑↑↑↑↑↑↑ 本文を読む前にフォローしてください! 博士(ひろし)の研究室ライフを平日午後6時に毎日更新中です! フォローすればTLに「博士がゆく」が表示されるので最新情報を見逃さずに済みます💪 なので(2回目ですが)フォローよろしくお願いします! それでは本編をどうぞ。 ↓↓↓↓↓↓↓↓ (前回のつづきから) 「うん。クローニングに関してあまり指導教員を信用しない方がいいよ」 「え?」 「彼らにとってクローニングは朝飯前なんだ」 「だからクローニングについて過