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糞ったれDJ!ぶっ殺し太郎さん

 フロアは血塗れで、匂いも凄い。
 「つまんねえつまんねえ。次、早く次の曲。」
 男は、血に濡れた日本刀をDJに突きつけて言い放つ。
 股間を濡らしたDJが、ガタガタと震えながら、レコードバックを漁る。
 右のターンテーブルで回転するのは、4つ打ちハウスとジャズが合わさった北欧系の洒落た楽曲だ。
 左のターンテーブルで回転するのは、レコードではなく切断された人間の首だ。
 まだ若い、二十代半ばの青年の首が、33回転のゆっくりとしたスピードでクルクルと回る。
 意外な和モノ使いが仲間内から好評だった彼も、突然の殺人ゲストの耳を満足させる事は叶わず、敢え無くブース上で晒し首となってしまった。
 残りのDJは2人。
 客も店員もあらかた殺されてしまった。

 ほんの30分前、スキンヘッドのその男はプレイ中のDJ鰤大根を斬首すると、こう宣言した。
「俺がこの糞つまらねえパーティーを改善してやんよー」
「俺の気にいる曲を流さないDJはぶっ殺す!」
【続く】

#逆噴射プラクティス #小説 #DJ #クラブミュージック #DJ論 #音楽

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