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ものぐさニート、自炊を検討する

先日、ガーリックパウダーを購入したら食の満足度がめちゃめちゃ上がったという記事を書いた。

最初に試したのは塩焼きそばで、次に各種パスタで試し、冷凍チャーハンでも試した。
結果、どれもそのまま食べるよりも遥かに美味しくなることが分かった。
普段から安めのレトルト食品を買って調味料で味を足すことで物足りなさを補っていたが、やはりニンニクの効果は絶大だ。2022年最高の買い物は恐らくこのガーリックパウダーになるだろうと思う。

特に美味しかったのが冷凍チャーハンで、これはもう、二度と普通のチャーハンには戻れないだろうというくらいの威力があった。
300円足らずで袋ごと調理から喫食までできる食品でこの美味しさはもう価格破壊と言ってもいいくらいだ。

しかし、チャーハンという食べ物は実はもっと安く食べる方法が存在する。自炊して作るというのがそれだ。
一食当たりの値段は分からないが、恐らく300円を超えるということはあるまい。かなり安めに、それも自分に合わせた量で作ることができる。味付けを確立すれば、満足感も冷凍のものをそれほど下回りはしないだろう。

問題は、自炊をしなければならないという点である。
300円という値段は手間賃を含んでいる。この値段で、チャーハンを作るのに必要な諸々の工程を買っているわけだ。
生きていくのに支障が出るほどに面倒くさがりな私としては、こういったものにお金を出すのは確実に必要経費のうちに入る。
米を炊く、パスタを茹でる以上の作業など言語道断、面倒すぎる。なんならこの二つの作業だってやらなくていいなら絶対にやらない。私が嫌々ながらもそれなりの頻度で食べ物を買いに出かけるのは、菓子パンやレトルト食品で少しでも食の面倒を省きたいがためである。割高になるのもしかたがない。そうしなければ生きていけないのだから。

ところが、節約を考えなければならない事態というのはどうしても発生するものだ。
今月は少し余計なものを買いすぎた。まだ六月は半ばだが、家賃や光熱水費を除くと使える金額はもう一万円もない。
今日から食費を切り詰めなければならない。自炊という、普段の私からは縁遠い案が浮かんできたのはそのためだ。
幸いガーリックパウダーによって満足度を底上げすることはできる。ならばすこしでも出来合いのものを避けて自分で作ったほうが安く上がるのは間違いないことだ。

……と考えたが、まぁ私にとってはいつものことで、考えるのが遅すぎる。
自炊をすると決めれば自炊ができるようになるわけではない。相応に揃えなければならないものがある。
フライパンに香味ペースト、油に卵あたりがチャーハンを作るのに最低限必要だ。
我が家には香味ペーストと油がない。今日外出してきたのだが、自炊のアイデアが浮かんだのは帰宅してからだ。自炊をするにしても、始めるのは次の買い物以降になる。
そしてフライパンはあるにはあるが、長いこと使っておらず埃を被っているうえ、フタを紛失し表面の加工はボロボロである。洗えば使えないということはないだろうが、引っ張り出してくるのは非常に面倒だ。
総じて、「自炊によって節約をする」のを試みるために必要な準備が足りていない。

私はいつもこうだ。
泥棒を見て縄を綯うという諺があるが、私は何をするにもこの調子なのだ。物事に取り掛かるのが遅すぎる。提出すべき書類があれば期日の前日に書き、財布が空になってから金の調達を考え始め、節約が必要になってから節約に必要なものを買い始める。何もかもが致命的に遅い。

そして、書いているうちに「足りなければ家賃を待ってもらえばいいのでは?」などという悪辣な考えが脳裏に浮かんできている。
自炊を検討するというのはまさしく検討しただけで、恐らく実行に移すことはないだろう。私は今後も冷凍チャーハンのヘビーユーザーであり続ける。
来月はちゃんと考えてものを買うようにしよう。先月もその前も同じことを考えたものだが。

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