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旅はドラマ作り②

前回のつづき…

※彼の日の丸国旗に僕の目標や座右の銘を書いた話は後述する。

時系列が飛び飛びになってしまったので、彼と出会った時に話を戻す。

彼と握手を交した後、旅をしてきた2年8ヶ月をどのように過ごしてきたのか、質問攻めした。

彼は、最初の1ヶ月は、「おれヒッチハイクやってますっ。うっす。」と大学生のヒッチハイク旅の様な感じでやっていたらしい。ところが、2ヶ月目に、初めて同じ境遇の旅人(サーファー)と出会ったことで旅の考え方が変わったと言う。

そのサーファーから言われた言葉が「旅はドラマ作り」だ。

旅の間は、何をするにしても一つ一つの選択がドラマの脚本となる。
例えば、道路の分かれ道で右に行くのか左に行くのか、お腹が空いたときに何を食べるのか、誰に声をかけるのか、など。
日々僕らは無数の選択肢から一つを選択し生きている。

そして「もし選択肢に迷った時は意外な方を選ぶ」。この精神が、自分の範疇では想像がつかない脚本を作るのに必要な要素となる。これらを繰り返すことで、旅を終えたときには一つのドラマが完成しているのだ。

この考え方は非常に印象的だった。冒頭でも述べたように、一見よくありそうな言葉なのだが、彼の雰囲気と経験談が相まって言葉に説得力があった。

何気ない日々の「選択」を丁寧にしていくことで、毎日が刺激的で時の流れがゆっくりに感じられる。つまり、一日が長く感じる。これは僕も旅に出てから3ヶ月間ずっと思ってきたことで、とても共感し合った。

週5日勤務で、土日休みの日々を送っているときは「もう日曜日の夕方!?」と思うのが当然だった。毎日やる仕事の内容が多少違ったとしても、そんなに変わり映えのない日々を送り刺激が少なかったのだろう。

刺激が少なければ当然記憶には残りづらく、1週間を振り返ったときに何も思い出せない。結果的に、何もない日の積み重ねだったから1週間が早く、短く感じる。逆に、刺激が多い日々を繰り返せば記憶に残りやすく、1週間を振り返ったときに、あれもこれも思い出すことができる。特に、違う土地を転々とするだけでも、景色が変わるので刺激が多くなる。同じ1週間でも、濃さや厚みの違いで、時の流れの感じ方に差が出る。

このからくりにようやく気付くことができた。

これまでの人生で考えても、ここ数ヶ月がまさに「今を生きている」という感覚だ。


旅はドラマ作り③につづく……

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