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フィンランド紀行①-1 郷を纏う

(前回はこちら)

day1-1(土)晴れ
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港に5時半に到着する。
いちいち見える景色に感動して立ち止まってたり、荷物の受け取りなどもろもろで、自由に動けるようになったのは7時半ごろだった。

まずは、ネットを手に入れるべく到着出口でてすぐにある、コンビニ「R-Kioski」にいく。プリペイドSIMを手に入れる。
事前に調べていたDNA社の「DNA Rajaton Prepaid(5ユーロ=900円くらい)」を購入する。Netflixとかのプリペイドカード群に紛れていた。
合ってるか少し不安だったけど、いかつめの店員が「何日滞在するんだい?」みたいなことを聞いてくれて、「5日」と答えると、OKと頷いていたので大丈夫そうだった。VISAカードで会計する(この旅は基本クレジットカード会計だった)。
物理的にはSIMカードを入れ替えるだけでつながるのだけど、若干つながるまでに手間取った。結局、機内モードを解除して再起動したらすんなりつながっていた。テザリングもできるので、妻のWi-Fi役も務めた。
小腹もすいていたので朝飯を探す。R-Kioskiのとなりにあったスーパーの「Alepa」をぶらぶらする。korvapuusti と書かれたおいしそうなパンを選ぶ。パンに割り振られた番号と個数を脇の機械に入力すると、シールが出た。これを貼って会計するらしい。なんとなくシステムを把握できて嬉しい。無事会計もできて椅子に座って食べる。シナモンとカルダモンが効いていてうまい。シナモンロールだという確信に変わる。


パンシールの謎解き中


いよいよ街に向けて出発。
交通機関については、ヘルシンキの交通会社「HSL」のアプリで1dayパスを滞在日数分、購入した。結果的にバスも電車も船(一部除く)も使えたのでほぼ事足りた。
改札がなく、すっとホームにたどり着いた。その代わりたまに抜き打ち検査があって提示を求められるらしい。「いちいちタッチしなくて済むから楽」と妻は言っていた。

10分ほど待って電車がくる。乗ってから、少し高い座席に移動するところでスーツケースを盛り上げると取っ手が外れる。あせる。なにか使えるかもしれないとリュックに忍ばせていた、携帯ガムテープが大活躍した。40分ほどフィンランドの車窓をたのしむと中心地のヘルシンキに着く。
こちらももちろん改札はなくて、ぬるっと出た。
かもめが飛んでいる。4人の火影像がいる。石段がごつごつしている。

荷物を預けようとうろちょろする。電車駅の正面左側(図書館のあるほう)にロッカー所があった。おおよそ使い方は、近年の日本と同じで、支払いしたら発行されるQR付レシート(もしくは書いてあるパスワード)を使って解除する仕組みだった。12時間で10ユーロ(1700円)くらい。

全体的におおきめ


身軽になって街を闊歩する。街並みをみるだけでたのしい。道中見つけた、レコード屋さんでフィンランド語の書かれたレコードを買ったり、古本屋で日本の漫画のフィンランド語版を見つけたりした。主観でその時だけかもしれないだけど、めっちゃBLEACHが置いてあった。

20分くらい歩いて、最初の目的地のヒエタラハティに着く。夏に開催されるフリーマーケット場である。11時くらいに着くとすでににぎわっていた。
吟味しながら市場価格を見極める。妻がムーミンの小さいフィギュアを購入していた。
一角ではおじさんがDJでダンスミュージックをかけて、おねえさんがキッズたちをぶちあげていたり、一角では地面にチョークで絵を描くキッズがいたり、ほほえみの空間だった。


そろそろ昼時なったので、近くのおいしそうなレストランに行く・・・もメインがひとり30ユーロ(5200円)くらいだったので断念する。ふらっと入るには高すぎた。
しかしそのそばに巨大なスーパー「S-market」があったので、そこで惣菜を買うことにした。そこには、肉屋さんや魚屋さんのセクションもあり、惣菜を取り分けてくれるおっちゃんもいた。ミートボールとマッシュポテト、サラダを買って近くの港で座って食べる。すると、嗅ぎつけたかもめが近づいてくる。こんなおいしいもの渡さないぞと死守していたら、チェっと言ってどこかに飛んでいった。



昼まで過ごしていたものの、寒かった。温度は20℃近く、日差しもあったけど、湿度が日本に比べてだいぶ低かったせいかもしれない。このままだと厳しいということで、見つけた古着屋の「UFF Vintage Bulevardi」に入る。UFFはヘルシンキに何か所かあり、日本でいうところのトレファクである。ディグして、わたしは紺のアンブロのジャージを、妻は水色のニットのカーディガンなどを購入した。早速纏うと、旅行者の感じが消え、現地民へと溶け込むことに成功した。フィンランドのあたたかみを手に入れて、一行は次の目的地に向かう。

(続く)


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