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アラサーが15年ぶりに浅草演芸ホールに行ったら楽しかった話

行ってきました浅草演芸ホール!アラサー女ひとりで!

中学生のときに社会科見学で連れて行ってもらった時以来なので、15年ぶり。もちろん自分のお金を使って観るのは初めて。

今まで落語と縁を作ろうとも思わなかったわたしが、急に演芸ホールに行った理由や体験談を書き残します。

浅草演芸ホールに行こうと思ったきっかけ

1. 月1ペースで音楽ライブや舞台を観ていたが、ここ半年ほど実施されておらず、観にいけていないことによるライブ飢え
2. ラジオ「問わず語りの神田伯山」にハマった

きっかけ1.
月1ペースで音楽ライブや舞台を観ていたが、ここ半年ほど実施されておらず、観にいけていないことによるライブ飢え

2020年2月末以来、ご存知感染症の影響でほとんどの音楽ライブが実施されていません。なので「ライブ」に飢えています。

無観客ライブ配信も増えてきていますが、0歳児のいる専業主婦の身では集中して2時間観る空間を確保することが難しく。
配信ライブも観ましたが、家で観られる手軽さは嬉しいものの、身体が家庭の中にあると集中しきれない。感動に浸りきれない!!!!
そんな寂しさがありました。

やっぱり身体ごとライブに行きたい!どこならやってるの???

飢えに飢えた時、以前見たバズりツイートを思い出しました。

そうか!
浅草演芸ホールは営業してるんだ!
つまり、生で芸を観れるんだ...!!

気付いてからは、このひらめきがずっと頭の隅にありました。


きっかけ2.
ラジオ「問わず語りの神田伯山」にハマった

TBSラジオで毎週金曜夜に放送されている「問わず語りの神田伯山」。

元々ラジオはよく聴いており、「2019年度マイベストラジオ番組5選」なんてふざけた投稿をするくらい好きでした。
2020年2月時点では14番組/週を聴いていましたが、赤ちゃんが生まれてから家にいる時間が長くなった影響で、更に聴く番組が増えました。

そこで増えた番組の1つが、問わず語りの神田伯山。
radikoで聴いたり聴かなかったりしていたのですが、2020年4月17日放送分、高井元議員のセクキャバ通いスキャンダルをいじり倒した回に遭遇して惚れ込んでしまいました。

2020年4月といえば、東京全体が初めての自粛生活でどんよりした空気。
そんな気落ちを吹き飛ばす面白さ!
初のリモート回だったそうで音質は最低だったのですが、悪口は冴え渡っていました。

これなら今後も聴きたい!過去回もちゃんと聴きたい!
えっ?スマホアプリ「ラジオクラウド」で過去放送分が全て聴けるってぇ!??聴くしかないじゃん!!!!!

過去放送分を詰め込んで聴いた4ヶ月間。

あまりにも落語・講談を知らないため、逐一ググる労力をかけながら聴いた結果、講談を全く知らなかったわたしが神田一門の数名をなんとなく名前だけ覚え、落語家数名の名前とエピソードを覚えるまでになりました。

ここまで土壌が作れたら、自然と興味も出てきます。


当日までの気持ちの高め方

我が家には現在0歳児がいますが、おっとりさん(夫)が育休を5ヶ月間取ってくれているので、赤ちゃんを互いに預けて1人で外出するリフレッシュデーを月に1日ずつ設けています。

過去2ヶ月は
・病院&必要なものの買い物
・美容院&ウィンドウショッピング
で過ごしましたが、8月は特にしたいことが思い浮かばず予定は未定のまま。

「今月はどうする?」とおっとりさんに訊かれた瞬間、それまでぼんやりしていたのが嘘のように「浅草行こ、演芸(ライブ)観たい」と思い立ちました。

早速スケジュール調べ。
ここで初めて出演者が10日間ずつ区切られていることを知ります。

寄席の興業期間は、毎月「上席」「中席」「下席」と10日間ずつ区切った期間です。当ホールでは、落語協会と落語芸術協会が10 日ごとに交代で公演を行い(ただし、31日は特別興行を行います)、それぞれに「昼の部」と「夜の部」を設けています。

引用元: https://www.asakusaengei.com/first/

うっすらかじった程度のわたしには、全員知らない人だったらさすがに無理だな...とびびりつつ行けそうな日程を見ると、昼の部出演予定者には"桂 宮治、神田 鯉栄、ねづっち、三遊亭 遊雀、ハマカーン"の文字!!!

今のわたしの状態で5組も顔と名前がわかる人がいる期間は激レアなのでは!??と思い、令和二年八月下旬(下席って言うのかしら)に訪れることを決めました。

夜の部には神田伯山さんの師匠・神田松鯉さん(人間国宝!)が出るとのことでちょっと惹かれましたが、今回は昼の方が都合が良かったのでまたの機会に見送りを。

行くと決めたら、さっぱりわからなくて困るのは嫌だ!それなら予習だ!
※わたしは音楽ライブで観る予定のアーティストの曲をみっちり予習するタイプです。

予習の仕方もわからなかったので、とりあえず神田伯山ティービィーに初めてアクセス。

伯山さんを見る予定ではないので幅広く出役の人を知れそうな、2020年に開催された「松之丞改メ神田伯山真打昇進披露興行」および「松之丞改め六代目神田伯山真打昇進襲名披露パーティー」の模様を収めたプレイリスト「松之丞が六代目神田伯山になった日【全30回】」をひたすら観ました。

ネタじゃないんかい!と思われるかもしれませんが、バラエティ観覧で心得た「人を知っていればネタは自然と入ってくる」に準じた行動です。

この中で一番ユーモラスだった三遊亭 遊雀さんは問わず語りリスナーにはお馴染みCurel(キュレル)乳液信者。

「キュレル以外の側面も知れて嬉しいなぁ〜今度行ったら実物を見れるのかぁ〜」と日に日にワクワクを高めながら当日まで過ごしました。


いざ、入場するぞ

観たい人の中で一番出番が早いのは桂 宮治さん。
12:00過ぎからの出番だったので、12:00頃に到着。

着くまでは「平日とはいえ夏休みだから混んでたりするかなぁ...?感染症対策で席数を減らしているはずだし、そのせいで入れなかったらどうしよう...」とびびりつつ行きましたが、結果、全然大丈夫。

「まだ始まったばっかりなので空いてますよ〜前の方の席も空いてますよ〜」なんて言われながらあっさり入場しました。良かった良かった。

おそらくですが、本当に混んでいたり人気公演の際は浅草演芸ホール公式Twitterがお知らせしてくれるようです。

音楽ライブで事前チケット予約に慣れている身としては、予約不可の当日券ってドキドキするよ。
当日券の方が気軽に行けるはずなのにね。

「途中から行っても、休憩まで入れないのでは?」と危惧もしましたが、普通に演目中に入場できました。ゆるくてありがたいけど、いいんですか!?

ちなみにチケットは現金のみの扱いです。予想して現金持っておいて助かったぜー。

席制限について
足を伸ばして座れる最前列が全てテープで封鎖されており、2列目以降も隣同士で座れないように封鎖されておりました。事故現場級の凄まじいテープ貼りです。KEEP OUT!!


内容、わかるかな?

15年ぶり2度目の浅草演芸ホールの座席へ着席!
最初の30分ほどはなんとなく落ち着かず、マジックも話の内容もふわーっと流れていってしまいました。
拍手も周りの人がするので慌てて合わせたり。

そんなふわふわ感も数人の演目を越えたら、だんだん落ち着いてきました。


持ち時間の使い方

・マクラ(枕。話の導入部)で会場を盛り上げてから本題に入る
・演目の中に頻繁に現代の小ネタを挟む

だいたいがこの2パターンだなとわかるだけでも、かなり話が頭に入ってくるようになりました。いぇい!
意外と、ただ出来上がった噺をやるだけの人はほとんど居ませんでした。


「もっと慣れが必要だな」と思った部分

・落語独特のリズムで話されると、途端に話が追えなくなる
・なぜそれがオチになっているのか、わからないことがある
・演芸仲間の内輪ネタは、人を知らないと全部わからない

リズムについていけなくなった時は、知らない言語を聞いている状態...。
とはいえ観客として楽しむ分には、ある程度見聞きする回数を積んだらクリアできる部分だと思っています。
気にせずいこーぜ!


驚いたこと

・演者のおじさんが舞台上で踊り出す
・転換が早い。15秒くらい

??????
噺が終わったら、おもむろに着物の裾をたくしあげて踊り出すんですよ。
わたしが観に行った回では2人も踊ってました。
「時間が余ったから」ではなく、最初から踊り用のステテコが仕込んであるので、予定している筈なんですよ。

なんでなんだ。

…この謎はもうちょっとゆっくり解きたいと思っています。
ググったりなんかしないんだからっ!

2つめは音楽ライブで立ちっぱなし30分を当たり前と捉えている身なので、転換の早さに感動しただけです。いいなー
※"仲入り"という休憩時間も5分くらい


不慣れな部分や驚きもありましたが、演目もだいたい内容はわかるし、昼の部の後半からは自然と声を出して笑えるくらいまで馴染めました。
マクラでは新しいスキャンダルを交えてくれる人も居たりして、予想外の新鮮さ!

行く前に一番怖かった「話がわからなすぎてさっぱり入ってこない」は杞憂でした!ヨカッター


見る前の期待と実際に目にした感想

※昼の部の演目は画像2枚目

問わず語りリスナーなので、お目当ては桂 宮治、神田 鯉栄、三遊亭 遊雀(敬称略)。

同類のためにこの3人がどんな様子だったかをさらっと書いておきます。

桂 宮治
問わず語りでは「元々販売職で、ものすごい売上を作っていた人。落語を始めてからももの凄い優秀」といった風にベタ褒めの紹介をされていました。
公式HPを見たら令和三年二月に真打昇進予定と記載されておりました。おめでとー!

実際に観た感想
とにかく下世話でにぎやか。うるさいとも言えるかもしれない。
マクラで有名夫婦スキャンダルと仲間の結婚を掛け合わせ、そのまま夫婦を題材にした本題に持っていく流れは非常に滑らかでした。


神田 鯉栄
問わず語りでは「鯉栄姉さん」の呼び名で頻繁に登場。優しくしてもらった、くらいのふんわり感でしか語られていない。

実際に観た感想
男社会にもまれて来たことを感じました。
そして声がいい!
わたしは不機嫌な時に態度で圧をかけてくる人がいると相手の機嫌を取りにいってしまうので、そうではなく威勢よく突っかかり返せるようになりたいなぁとしみじみ。
演目の最後に「長い物語の冒頭だけお話しさせていただきました」のようなことを言っていたのですが、続きはどうしたら聴けるんだ...!?と咄嗟に思っちゃいました。


三遊亭 遊雀
問わず語りでは「キュレルの乳液を全身に塗ると調子がいい」と信じてやまないエピソードがあまりにも鮮明。

実際に観た感想
マクラ無しでいきなり本題だったので、最初はちょっとびっくりしました。
"みたらし団子の蜜だけを全て舐め取る"下品なシーンがあるのですが、その時の蜜をすするリアリティといやらしさと面白さの混在がすごい!!!!
「どうせ落語って蕎麦啜るんでしょ」程度の知識しかないわたしは衝撃を受けました。
この日唯一「これがプロの技...!」と落語の技術に感動しながら笑えた人です。


おまけ・常連さんとわたし

座れる限りの最前列に座っていた常連さんが「待ってました!」と掛け声をかけていたのが神田 鯉栄と三遊亭 遊雀でした。期待してる人が同じ!
更に「やばい、この人すっごい声大きいけど眠くなる」と思った演者が一人だけいたのですが、常連さんはその間見事に寝ていました。

常連さんと期待や感想が同じってこたぁ、わたしも楽しむセンスが常連に近いってことかい?
それとも、ラジオリスナーの時点でわたしが既に面倒くさい奴ってだけかい...?


また行きたいか?

YES!!
思った以上に楽しかったです。4時間飽きずにいられて3,000円は満足度めちゃめちゃ高い。
終わったら浅草でプラス1つくらい好きなことして帰ればいいですし。
わたしの場合はスーパー銭湯に行きました。

そして、地味に見逃せないポイントが「食事の持ち込み可」

アレルギー持ちは超助かる〜〜〜!!!!!!!

食物アレルギーが多すぎて外食では入店を断られることも多々ある身体。
「食べられるものがないからお腹が空いたら帰宅するしかない」ムーブが非常に多く、基本的には長時間の外出ができない生活を送っています。

なので、弁当持ち込み可によって初めて時間を気にせず外出できる!!!やった〜〜〜〜!!!!!


🧚‍♀️🧚‍♀️🧚‍♀️

ラジオを聴いてなかったら行こうと考えもしなかった場所、浅草演芸ホール。
「会社員はできないと思ったから芸を始めた」など、ちょっとした一言にその人の選択と人生を感じることもありました。
いい時間だったなぁ。

初回だったので15年前とはいえ、一度行った経験のある浅草演芸ホールを選びましたが、その他の会場にも足を運んで、もっともっと観てみたいと思える1日でした。

ライブに飢えている人にはオススメだよ!


「問わず語りの神田伯山」以外に聴いているラジオが丸わかりの投稿はこちら👇


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