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新卒でベンチャーに入社して8年経った僕が振り返る「ベンチャー企業を1stキャリアに選ぶメリット・デメリット」

グルコースの宮本です。

来年4月入社の方々は就職活動もまもなく山場の時期、今年4月入社の方々はまもなく新社会人になる時期ですね。
弊社にも新卒のみなさんから多数の応募をいただいており、現在選考の真っ最中です。

グルコースはまだまだ小さい会社で、属にいうベンチャー企業の類に入りますが、正直なところ「ファーストキャリアでベンチャー企業へ入社する」というのは大きなメリットもある一方で、大きなデメリットもあると思っています。

実は僕も新卒でベンチャーに入社した身で、日々働くなかで色んなメリット・デメリットを感じてきました。僕の周りでも、新卒でベンチャーに入社して以来その会社で長く働く人もいれば、逆に早期で転職した人もいました。人によって合う合わないが分かれやすいと思います。

「新卒で入社する」という経験は人生で一度きりですし、新卒で入った会社はその後の自身のキャリア観に大きく影響しますから、どんな企業に入るかは大切な選択です。


弊社を選んでくださった新卒のみなさんにも、今後ベンチャー企業を志そうと考えているみなさんにも、最善の選択をしていただきたい。ということで今回は、僕が新卒でベンチャーに入社し約8年働いて感じた「メリット・デメリット」を正直に書こうと思います。

(あくまでN=1の主観的な話ですので、全てのベンチャーに当てはまる話ではないことはご留意ください)


本題に入る前に

宮本が新卒で入った会社は、グルコースのグループ会社であるINCLUSIVE株式会社です。

・当時INCLUSIVEは非上場(2019年に上場)

・人員規模は入社当時30〜50人程度

・IT系(ウェブメディア運営)


メリット

・若手のうちから重要な仕事を任されやすい

これは大きなメリットです。

基本的にベンチャーをはじめとした成長企業は、やりたいことに対して人が足りていないことがほとんどです。そのため、大企業ではベテランが行うような業務でも、ベンチャー企業だと入社半年〜数年で任される……なんてこともザラにあります。

僕が過去担当していた事業でも、若手を積極的に大きなプロジェクトへ抜擢し、「スキル面・経験面で足りない部分があっても、まずは任せてみよう」「仕事のなかで改善・成長していこう」といったスタイルをとることが多かったです。

若いうちからマネジメントや上流工程の仕事に関われるのは貴重な経験であり、個人のキャリア形成といった意味では得るものが非常に大きいです。

・会社ではなく個人の価値で仕事ができる

大企業を辞めた方からよく聞くのが「自分個人の価値以上に大企業の看板が評価されて仕事を得ることが多かったと、退職してから気付かされた」という話です。

大企業には優れたサービス提供の仕組みや信頼などが既にあるため、お客さんはそこに魅力を感じて取引することも多いですよね。そういった大企業のサービスや評判は、いわゆるブーストのようなものだと言えます。

一方でベンチャー企業の場合は信頼度はまだまだ低いですし、サービス提供の仕組みも未成熟なことが多いため、先述のブーストはほぼ使えません。(多少はありますが、大企業に比べると微々たるもの)

その分取引先は、仕事相手のことを「どんな人か」「どんな仕事をしたか」にフォーカスしてフラットに見ます。自分自身の仕事が評価に直結するんですね。

ある意味「ドライに評価される」とも言えますし、すべての方にとって魅力的なメリットではないかもしれませんが、個人のキャリアやスキルを作りたい方には、力をつけるのにもってこいだと思います。

・自分の仕事が会社の成長に貢献している実感がある

組織が大きいと、集合の中の一部を担当することになるので、自分の仕事が会社へどれほど寄与しているかが実感しにくくなります。

一方小さな組織だと、仕事の仕組みの面でも未分化なことが多いため、個々の裁量が影響する範囲が広い傾向にあります。ゆえに「自身の意見や判断が会社に貢献している」と実感できる機会が増えます。

また会社の規模が小さいので個々のプロジェクトや個人の成果が業績や会社の成長に反映されやすい面もあります。
自身の関わった仕事によって会社が大きくなったり、自身の役割にも素早く反映される。非常に仕事の成果がわかりやすく、仕事のやりがいにつながります。


デメリット

・分業体制が未分化なのでゼネラリスト傾向が強まる

前述のメリットでも触れましたが、基本的には組織の分業や仕組みが未分化の状況です。なので必然的に一人ひとりが担当する範囲が広くなります。

そのため、特定の分野に特化した人材になるというよりはマルチに何でもできるようになっていくケースが多いです。

専門分化が進むと特定領域だけに特化した人材が活躍する余地ができますが、未分化の場合はその特定領域が事業のコアな部分と直結していなければ特化型の人材は必要とされづらいです。特定領域を一本磨き上げたいという場合は入社した後にギャップが生まれるかもしれません。

逆に自身でフリーランスや起業などを視野に入れている方の場合は、広く見えることはメリットになるかもしれませんが。

・会社が不安定なことも

ベンチャー企業は色々な面で不安定です。

まず事業面。大口取引先の契約が切られる、 大手の競合が参入してくる……といったことがきっかけで赤字に転落するなどザラにあります。

(実際に僕自身も「このペースだとあと1年で会社潰れるから巻き返し頑張ろう」と入社直前に聞かされ、大変なところに入ることになったがやるしかない……と覚悟を決めた思い出があります)

先行投資が大きい会社だと、目標に達しないなどあれば事業縮小などで実質的なレイオフ(新卒に関係するところであれば内定取消など)が起こることもあります。

そのほかにも、入社するときには上場を目指すと言っていたがいざ入社してみるとほぼ準備していない、あるいは準備のかなり初期の段階で諸事情により頓挫している、など聞いていた話と違うなんてこともよくある話です。

社内制度においても、管理体制やコンプライアンスの面で大手企業では考えられないようなことが起こることも多くあります。これは上場してから気づいたことですが、上場企業と非上場企業ではコンプライアンス面の最低水準に大きく隔たりがあるためこういったことが起こりうるんですね。

会社によりますが、一般的な会社組織にある当たり前のものがないのは日常茶飯事だと考えておくのがいいかと思います。
(大企業からベンチャーに転職したら、オフィスにプリンターがなくてぴっくりしたなんて話も)

未開の地のような状況を楽しめるかは人を選ぶところかと思います。

・長期的なライフプランの見通しが立てづらい

大企業であればある程度、30歳で年収○万円、40で◯万円、といった見通しは立てやすいはずです。また、仕事の進め方やキャリアアップについてもある程度整備がされており、段階的に仕事を覚えて成長していくといった形で先が見通しやすいと思います。

ところがベンチャーだと、そもそも数年後に自分が勤めてる会社があるのか?といった前提から予測がしにくいので、長期的な会社でのキャリアプランなど想像がつくはずもないです。

ベンチャーに入る場合は「会社と共に」を前提としたライフプランを立てることはできず、一個人としてどうキャリアを作るか?の観点が強く求められることになります。

これは20代のうちはさほど気にならないのですが、歳を重ねてライフステージが変化してくると徐々に気になってくる部分かもしれません。


まとめ:デメリットよりもメリットが上回ったらベンチャーへ

僕自身はデメリットの方はさほど気にならず、メリットの方が上回ったのと運も良かったので楽しくキャリアを過ごせているなと思っています。

付け加えるとグルコース自体は上場企業のグループ会社ということもありベンチャーの中ではかなり安定感がある方ですね。

僕個人の経験から考えたメリット・デメリットですが、今後ベンチャー企業への就職を検討している方にとって少しでも参考となれば幸いです。


おまけ:どうしてベンチャーは新卒をとるのか?

これまで社員目線でメリット・デメリットをご紹介しましたが、翻ってベンチャー企業側の視点から考えてみると、そもそもなぜベンチャー企業は新卒を採用するのでしょうか?
各種組織体として不安定ですし猫の手も借りたいくらい忙しいベンチャー企業が、短期的に見ると育成コストのかかりやすい新卒社員をとるのは一見すると非合理的で、即戦力になりうる中途社員を取ったほうがよさそうに見えます。

それでもベンチャーが新卒採用にこだわるのはなぜなのか?
これにはいくつか理由があると考えています。

①新卒採用でしか採用しづらい人材は多数いる

転職が一般的になってきたとはいえ、日本人の1/3は転職しないと言われています。つまり、労働市場の1/3の人々には新卒のタイミングでしかリーチできないということになります。また、印象論ですが優秀な人材が良い会社に就職した場合、転職市場に出てくることは少ないです。
日本には新卒採用のタイミングだけしかリーチできない人材がいる、これはベンチャーが新卒を採用したがる大きな要因だと思います。

②中途採用市場で必要な人材が確保できないなら育てる方が確実

人材採用競争が熾烈になるなか、欲しい人材が採用市場で確保できるとは限りません。そうなると社内で育てるしか道はないですよね。
一から育てるのであれば新卒でも中途でもさほど差はないので、であれば上の理由と合わせると中途よりも新卒で採用することがメリットになってきます。

③新卒社員は会社のカルチャーを体現する

最初に入社した会社のカルチャーは、キャリアを形成するうえでその人に大きな影響を与えると冒頭に書きましたが、言い換えると新卒社員の働き方やマインドには会社のカルチャーが色濃く反映されるということです。
そういった自社のカルチャーを深く理解し、体現する社員がいることは会社の成長に良い影響を及ぼす部分が大きいです。(もちろん中途社員でもカルチャーマッチや入社後のカルチャーフィットで同様にカルチャーを体現する社員は大勢います)

一見非合理的な「ベンチャーの新卒採用」ですが、こうして考えるとメリットも多いですよね。
こういった企業側の事情からも、ベンチャーにマッチする人材はどんな人か?自分はベンチャーに合っているのか?が見えてくる気がしますね。


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