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分かってないのは私の方でした。【こんなもんだよ夫婦って】        

誕生日サプライズ 言えなくてごめんなさい

年の半分くらい 夫婦でワーケーションをしながら各地を回っています。

今年は 旅先で誕生日を迎えることになりました。

そこで 大切なことに気づかされる出来事がありました。

旅先では日中仕事をし、夕方からその土地を探索することがルーティーンとなっています。

いつものように仕事をしていると、
『明日の夕食は誕生日だからちょっといい鉄板焼屋にでもいくか?』
と旦那に誘われました。

正直、わざわざ高いところじゃなくてもいいのに・・・それよりお皿1枚洗ってくれた方がうれしいわ、、、
など思いましたが せっかく誘ってくれたのだからありがたく受け入れておくことにしました。

結婚30年近く経ち、色々あった結果、素直にありがたいと思えなくなっている自分がいました。

私はそこでサプライズを受けることになります。

時間になりお店へ着くと事前に伝えてあったらしく既に私達2人分の席が用意されていました。

いつ予約したのか?
日中、同じ部屋ではないが同じ屋根の下で仕事をしているのに いつ電話をしたのか分からない。
誰かと話してるくらいは聞こえてくるのに、、、
相変わらず 段取りが素早いなーと ここはいつも感心するところ。

彼が選んだお店は
小じんまりではあるが品格のあるキレイな和モダン風の鉄板焼き店。
他の客は居ない。

店主とメニューはどんな感じにするかをなんとなく話した末、せっかくの旅先なので地元のお肉の食べ比べが出来るものとなった。

正直、ライブクッキングスタイルのお店で夫婦隣に並び、私は旦那とどんな会話で時間を埋めていけばいいのか、、、落ち着かない

注文後、数分で料理が出てくる町中華の時間で丁度いい。

見たことありませんか?喫茶店やレストランで時間を埋めるのに無言で過ごす御夫婦さま

あれ、皆さん平気ですよって感じに見えますけど 私は慣れないです。

まだ一人の方が楽かも。

そうこうしているうちにいつもは人見知りであまり自分から話さない旦那が、今日はなんか頑張ってくれてて、

店主さんとの話も広がり会話があまり途切れることもなく一通りのコース料理が終わりました。

早速、帰る準備をするわたしに
スタッフの方から最後にデザートがありますから、と言われ

あ、まだか、、、と手に持った荷物を戻し 時間が経つのを待つ。

そのすぐ 2.3分後、突然店の電気が暗くなり、誕生日を祝う時のあの定番の音楽が流れ始めた。

「あーーーそうか!誕生日だった!
えっ?まさか食べて終わりじゃないのか!?(汗)」

更に驚いたのが、さっき迄 鉄板の前で故郷、鹿児島の話しなどしながら料理をされてた真面目そうな60過ぎの店主が奥から スタッフとして働いている娘さんと一緒に

「はぴばーすでーとぅゆー♪ はぴばーすでーとぅゆー♪」
と、緊張気味に歌いなが らろうそく一本を立てたケーキにHappy Birthdayと書かれた皿を持ち、私のテーブルに向って運んで来るではありませんか。

まさか、2人でやりきるのか!!

どこぞのチェーン店みたいにその他スタッフの盛り上げ隊 数名が居ないのに?
ま、居ても困るのだが、、、

現状、店主一人がお皿を持っているから実質盛り上げ隊の役割をしているのはスタッフの娘さん一人が手を叩いている状態。

え?隣からも声が?
横を見ると旦那も頑張って手を叩き歌っているではないか!

マジで!?

少しパニック状態の私。

なんだ、このアットホームすぎる誕生日会は、、、
家族そろって食卓を囲んでいた時もこんなことはしてもらったことはない。

とにかく恥ずかしい・・・。

私:「えー!もう、このように祝って貰う様な歳でもないんですよ、、、」
(周り ニコニコ ニコニコ) 

私はどうするのが正解なのか!?

歌は続き「ハピバースデーDear〜〇〇」の名前のとこになる。
店主さん達も名前は知らないらしく旦那が一人で私の名前を言うシーン
『Dear    ○○・・・♪』
・・・・・・妻の名前言っちゃえるんだ、、、
など色々考えているうちに

最後の  「ハーピバースデートゥーユ~~~♬」
3人拍手  パチパチパチパチ・・・・・

「・・・ありがとうございます(汗)」

「ロウソク消して」
とニコニコ店主に言われ正気に戻り 慌てて一本だけ立ててあるロウソクの火を消した。

何年振りだろうか、他人の前で誕生日ケーキのろうそくの火を吹き消すのは、、、。
というか、自分の誕生日ケーキの火を消す事自体何年振りの事か?

おめでとうございます!と言われ、
「いやいやもう、51なんですよ。こんな事されて恥ずかしいです。」
と話すと

店主が「でも、嬉しいでしょ?」と。

何でわざわざ確認するのかな?と少し引っ掛かりながら

「まぁ、嬉しいですけど、」と返すと

「この前、同じ様に誕生日サプライズをして泣かれた方がみえました」

と話され、とっさに
「えーっ、あっごめんなさい、本当、私も感動しました」
と言い冗談で顔を上に向け涙を拭くふりをする私。

・・・ハッとした一瞬にして自分の軽はずみな行動を恥じた。

慌てて事の詳細を確認する私
私: 「年齢はどれくらいの方で?」
店主:「60過ぎの夫婦の方で、、、」
私: 「泣かれたのは奥さんの方ですよね?」店主の言葉を遮り確認を急い   でしまった。

店主:「そう、奥さんがね、こんな事して貰ったのは初めてだと泣かれました。こんな事が出来るような人ではないと、、、」

「・・・」
言葉が出なかった。

私は、何を学んできたのか 自分を恥じた。
一言でも心から「嬉しい」と それだけを言えばよかった。

純粋に 心から相手の事を思い、気持ちを受け止め感謝する。そして素直に感動を表現する。

サプライズで涙を流されるなんて 旦那様もさぞ喜ばれたでしたょう。

第一に相手の気持ちを考える事が出来なかった私 
気づかせて頂けて良かった。

サプライズ ありがとう。







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