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マーク・ラファロ

映画「哀れなるものたち」のことを色々と反芻している。

主役のベラを演じるのエマ・ストーンは、すさまじくびっくりするくらい素晴らしかった。

物語の中に登場する金持ち色男役ダンカンに大好きな俳優マーク・ラファロが生き生きと演じている、

映画の中ではとても大事な視点を観客に持たせる役なのだけど、とても軽やかに演じていて、その存在が映画全体に小技を利かせまくっていて、これまた一層映画を面白くさせている。

この役者、マーク・ラファロは演じる役の幅が本当に広い。
定番のハリウッドエンタメ、マーベル、ロマンチックなドラマはもちろんのこと、現実に起こった事件や社会問題を提示するメッセージが強い作品への出演も多い(積極的出演のように思う)。

いずれも、彼のリアルな演技で映画の中に引き込まれる。

彼が気になったきっかけは、実在する巨大企業の公害事件を訴えた『ダーク・ウォーターズ』(https://dw-movie.jp/)という映画を見たとき。
巨大企業を訴えた実在の弁護士の役を演じていたのだが、本当のことを正義を全うしようとするごく普通の人間をとてもリアルに演じていて、見ている私は映画の中に引き込まれてしまった。この役者、なにもの?と。
あとから『ゾディアック』の刑事役の人か!あの映画も彼のこういう人いるいるな演技がなけりゃただのエンタメだったな、と思い出した。
それから、彼の出演してる映画はしっかりして面白いかもしれない、と思い、配信で見つけるたびにピックアップして見ている。

マーク・ラファロの出演作品をすべて見たわけではないのだけど、何よりも彼の役者としてのチャレンジ精神を感じたのは『ある家族の肖像』という6話完結のドラマ。
双子の兄弟、妄想型統合失調症のドミニクと彼を支えるトーマス。
マーク・ファレロが一人二役をこなしている。

何がすごいって、統合失調症のドミニクはかなり太っていてそれを支える双子の兄弟のトーマスはわりと平均的な体つき。
同じ人が同時に演じるには体形が違う。

撮影の進行の仕方も気になる、多分どちらかの役をまとめて撮影したのだろうけれど、6話のドラマの尺なので、そうとう時間がかかったかな?(統合失調症役のほうが先か?と)。

双子の兄弟、それぞれの視点からの人生の葛藤を、ものの見事に演じていて、きっとファンにはたまらない作品だと思う。

多くの映画ファンがそれぞれの視点で一つの指針として持っていると思うけれど、見る映画を決める一つの視点が「この役者が出てる映画なら面白い映画かも」と。

私にとって マーク・ラファロ はこのポイントが高い。

今回の『哀れなるものたち』も、そこのポイントが高かった。
予告編を何度見ても、どう考えても、そこそこヘンテコな超アート系の映画。そんな映画で、とても軽くリアリティのある演技が多い彼がどんな形で登場してるんだろう?と。

見て納得。
『哀れなるものたち』の中では必要な視点で必要な演技者だったな、と。
やはり彼は俳優としてクレバーだと思ったし、改めてこの人を深堀したくなってきた。

ちなみに、ハリウッド俳優の中ではあまり見ることのなかった、ガザの平和について言及している彼のインタビューをFBで見つけた。

American Actor Mark Ruffalo to Biden: Give Peace a Chance #FreePalestine

Posted by Free Palestine on Monday, February 12, 2024


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