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フィリピンのロックダウンは世界最長。理由はスラムの感染。

フィリピンは世界の中でも先駆けて、海外からの入国者の制限、国民の外出禁止、そして企業やお店の一時閉鎖など、コロナ感染を抑止する強い規制を敷いてきました。

でも、3か月たった現在も、コロナの新規患者数は毎日三桁

一向に感染が収まりません。

その理由は、スラム街での感染爆発にあります。

スラムは大都市に集中

フィリピンのスラム街は、首都のマニラと、第二の都市セブに集中しています。

理由は、仕事を求めて地方から都市へ人々が流れて来るからです。
でも、都市に来ても、誰もが仕事を得られるわけではありません。

住むあてもなく都市に出てきた貧困層は、空き地にスラム街を形成し暮らしはじめます。

スラムで感染が発生する理由

フィリピンのコロナ感染者のうち、約50%がスラム街に集中しています。

スラムの人たちが感染リスクが高い理由

①居住環境

スラムの住人は、空地だった場所にバラック小屋を建てたり、テントを張って生活しています。


住まいは2メートル四方ほどで、隣の家との幅は20センチぐらい。
トイレも風呂もありません。

そんな密集した環境に、10人ほどの家族で暮らしているのが一般的。

スラムでは、ソーシャルディスタンスを保つことはできません。


②暮らしのリスク

スラム街では調理や洗濯などの家事は、道路や空き地などの共用の場所で行われています。
子どもたちが遊ぶ場所も、共用のスペースです。

自分が衛生面を気遣ったとしても、周辺住人との共同生活に等しいので、衛生は保たれません。


たとえば、スラムの人たちは露天のお店でお買い物をします。

ショッピングモールやスーパーマーケットでしたら、従業員や客に対して厳しいルールが敷かれていますが、露天はノーチェック。

たくさんのお客さんが、食べ物の前でおしゃべりしながら、食材を買っていきます。


③習慣のリスク

フィリピン人は、スペインやイタリアと同様、おおらかで明るいラテン系の国民です。

・大きな声でしゃべる
・ハグや握手をする
・細かなことは気にしない

せきやくしゃみによる被膜感染をする病気の場合、これらの習慣は、感染を広めてしまうリスクにつながります。


④社会ルールを守らない

フィリピンでは、外出時のマスクの着用、2人以上での移動の禁止、屋外での飲食の禁止など、厳しい規制が敷かれています。

しかし、貧困層の人ほど、これらのルールを守らず、集団で宴会をしたり、マスクを着用せずに外出したり、コロナ前と変わらぬ生活を続けています。


貧困層の多くは、教育をうけていません。

親から道徳や社会のルールも教わっていません。

だから、決められたことを守ることができないんです。


⑤治療費が払えない

病院に行けば、検査料だけでも高額な費用がかかります。

まして、陽性と診断され、入院治療が必要になった場合は、自分の年収以上の費用が発生します。

貧困層の人たちは保険に加入していません。

また、国から治療費の補助もないため、体調が悪くなっても家でおとなしくしているだけ。

その間に、家族や周辺の住民に感染が広まってしまいます。


この5つの理由によってスラムから感染者が減らず、結果としてロックダウンの長期化につながっています。

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コロナが貧困層にあたえる影響

スラムの人たちの仕事は、自営業か日雇いの肉体労働です。

・路上でのモノ売り
・土産物づくりや縫物の内職
・港や市場での荷物運び
・観光地での物乞い


しかし、感染防止の規制で、経済活動がとまれば、仕事は一切なくなります。


会社やお店勤めの人でしたら、休業保障などが支払われますが、個人事業の彼らの収入はゼロに。

国から支給されるわずかなお米と食糧で食いつないでいるのが現状です。

患者は減少しないまま規制だけが終わる

現在、フィリピン国内でもっとも強いロックダウンが行われているのはセブ市です。

それに続く強い規制が、メトロマニラとセブ市に隣接する街。

これらの地域は国内経済の中心的な場所ですが、約3か月間、経済はほぼストップ。

その間、政府は現金や物資の支給で、国民の生活を支えてきましたが、もう国の予算は限界に来ています。


3か月間のロックダウンでも感染者は減らなかった訳ですから、ロックダウンを継続しても患者が減少する見込みはありません。

ワクチンが開発されるまで国が援助をつづけることはほぼ不可能。


この先、感染者数は減少せず、ロックダウンだけが解除される、そんなシナリオが考えられます。

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