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【Report】第11回グローカルフォーラム(2/26)

こんにちは! グローカルセンターインターン生の みぞ と みさき です🌟
今回は2/26(月)に開催された第11回グローカルフォーラムの様子をお届けします!


"グローカル人材フォーラム"とは?

グローカル人材フォーラム』は、京都を中心とする企業(・地域)と連携し、実践的なプロジェクトを実施する6つの大学(京都産業大学、京都橘大学、京都文教大学、佛教大学、龍谷大学、京都光華女子大学)が連携して実施する他大学間交流を目的としたプロジェクト成果を発表する場です。そして、産・官・学・民、また社会人と学生、セクターや立場を超えて多様な人が集まり、学生の学びをさらに深めながら一緒に学び、「グローカル人材」の育成について考える場でもあり、グローカルセンターにとっても大事なイベントです。
詳しい説明はこちら(note)


第一部:成果報告会(レポート作成者が参加した分科会より)

第一部では学生によるPBLの成果報告と審査員による審査が行われました。
今回は参加チームが過去最多の14チーム、ということで5つの教室に分かれて「分科会形式」で実施されました。
ここではB会場(B206教室)の様子をお届けします📮

Ⅰ. 投資チーム②(京都産業大学)【連携先:西村証券株式会社】

🌟連携先からのミッション🌟
「若者が投資に興味を持つ方法」
「若者が証券会社に勤めない、やめるのはなぜか、
どうすれば会社に興味を持ってもらえるのか」

発表の様子:実際にゲームに用いるカードを紹介!
質疑応答の様子🎤
投資チーム②PBLプロジェクト概要書

「投資チーム②」からは「投資をゲームに~遊びから学びへ~」と「証券会社に若者が勤めない、辞める理由…」の二部構成で発表がありました。
投資に対する認知度が、世代が下がるにつれ減少することや若者の投資に対する理解がまだ乏しいことに着目して、小学生からの投資教育の必要性を強調し、ゲームを用いた投資教育を提案しました。「人生ゲーム」を参考に考案したゲームを実物とともに紹介しました。株の売買に焦点を絞らず、その前後の人生も同時に考えることができるゲームとなっており、自分ごととして楽しく簡単に投資を学ぶことができる仕組みを取り入れた提案でした。


Ⅱ. 伝統産業チーム国内班(佛教大学)【連携先:株式会社木村桜士堂】

🌟連携先からのミッション🌟
国内における伝統産業品の販売促進

発表の様子①
発表の様子②
伝統産業チーム国内班PBLプロジェクト概要書

「伝統産業チーム国内班」からは、伝統工芸品への関心度および商品への満足度調査を通じて、販売促進案を提案がありました。
課題解決となる提案内容は大きく分けて二つあり、まず、一つ目の京人形がそもそも高価で安易には買えないという問題点に対しては、一部安価な素材を使うエントリーモデルの作成を提案しました。また、二つ目として、実店舗の陳列については、「人形の名前と値段しか書いていないことで、商品に対してお客様は親しみをあまり持てないのではないか」、という点を指摘し、それに対して制作工程の動画をQRコードで掲示する(解決)案を発表しました。


Ⅲ. 着物チーム(京都橘大学)【連携先:公益財団法人京都和装産業振興財団】

🌟連携先からのミッション🌟
和装の需要と消費を喚起する
・正絹の着物を購入してもらう

発表の様子①
発表の様子②:着物を羽織っておられます👘
着物チームPBLプロジェクト概要書

「着物チーム」では、「着物を若者の普段着にする」という点に焦点を当て提案しました。正絹の着物がポリエステルの着物より高価であるということ、また、着物に対して多くの学生が「着づらい、購入しづらい」という印象を抱いている点に着目し、解決策の提案に取り組みました。実際に、着物を着ながら普段の生活を行うことで「着物で現代の生活を送ることはとても難しい」ことに気づき、問題の一つとして考えていました。
そして、これらのことを踏まえて、SNS案、興味案、浸透案、海外案の4案を考えました。例えば、着物を普段来ている洋服と組み合わせるというファッションの1アイテムとしての着物の着方を浸透案の一つとして提案しました。これにより生活のしづらさという問題点を解消しました。他にも、着物の柄として人気アニメ・ゲームキャラや名画とコラボレーションを行い、購入を促す案なども発表しました。

第二部:トークセッション「提案力のある発表とは?」「グローカル人材とは?」

第二部では、第一部の発表成果をもとにしながら、学生と社会人が双方向的に学び合うために、対話型ワークショップ(トークセッション)を行いました。ただ報告を発表する・聞くだけにとどまらず、学生も社会人も対話を通して学び合う時間となりました✨

Ⅰ. チェックイン

まずはグローカルセンターのイベントでは毎度おなじみ、チェックイン※からスタートしました。
※お互いの現状を共有することで安心・安全な状態でその場に集中するための、はじめのワークです

【チェックインの様子】
👩‍🎓(学生/第一部報告チーム所属):第一部(の報告)では、理論立てた発表を目指しました。12企業にアポイントを取り、協力していただけたことを褒めてもらえて、自信を持つことができました✨報告については「まだまだ改善点があるな」と思います。

🧑(社会人/プロジェクト連携企業所属):第一部の感想を一言で表すと「学生、もっとはっちゃけてもいいよ!」です!

👨‍🎓(学生/第一部報告チーム所属):発表では緊張してもたついた感じがありました。もっと練習してくればよかったなと思っています。

👩(学生/フォーラム参加者):私も同じように学生だけど、皆さんプレゼン上手だなと思いながら報告を聞いていました!

👨(社会人/プロジェクト連携・協力企業所属):自分が協力したチームの報告は、保護者のようにドキドキしながら聞いていました💓

学生も社会人も、それぞれ第一部の発表での刺激・反省・気づきを受けてワクワクした様子でした!

Ⅱ. トークセッション①「提案力のある発表とは?」

チェックインでお互いの現状や気持ちを共有した後は、早速トークセッションに移りました。

トークセッション①のテーマは「提案力のある発表とは?」です。課題解決型学習(PBL)を行う上で、リサーチ・考察を通して考えた解決策を提案するというプロセスは非常に重要なものです。では、解決策の発表において「提案力のある発表」とはどのようなものなのでしょうか。第二部のトークセッションでは、第一部で解決策を提案した学生やプロジェクト連携先企業の社会人が一緒になって「提案力」について対話を通して考えました。

フォーラムで発表した学生は審査員によって解決策のプレゼンテーションを評価されます。では「各審査項目≒提案力」と言えるでしょうか?また、審査項目にはないけれど提案力に影響する項目はあるのでしょうか?

【トークセッションの様子】
👨(社会人):「プレゼン力」は、プレゼンテーションの中で知らないことに気づかせてもらえるかどうかだと思います。知識ベースだけではなく、着眼点が自分にないものだと、はっとさせられます。

👩(学生):「プレゼン力」とはつまり「納得力」なんじゃないかと考えました。情報収集がしっかりとなされており、理論立てた発表だと納得感があります。

👨‍🎓(学生):確かに、データをしっかり活用できていると納得感がありますよね。

🧑(社会人):データの活用だけでなく、現状把握・課題抽出を適切に行い、企業や地域の強みを活かした解決策を考えていたり、その解決策をどんどん修正していけたりするようなチームのプレゼンには提案力を感じます。一度考えた解決策を押し通すのではなく、アンケートなどの調査を通して生の声を取り入れ、仮説(解決策)と現実のギャップを埋めていけると、自然と提案力が生まれると思います。

👩‍🎓(学生):課題抽出という点では、課題の因数分解を行い、この解決策は課題のどの部分にアプローチするのかという点が明確になっていると、プレゼンに説得力が生まれる気がします。

と、このように「提案力」について考えました。他にも、第一部でお茶に関するプレゼンテーションを聞いて「みなさん、今朝はお茶を飲んできましたか?」という声かけでグッと内容に引き込まれた、という体験も共有していただき、第一部の振り返りも兼ねながら話すことができました。

Ⅲ. トークセッション②「グローカル人材ってどんな人材?」

トークセッション②のテーマは、「グローカル人材ってどんな人材?」です。

「グローカル人材」とは「世界全体(GLOBAL)へ広く開かれた視野を持ちながら、地域社会(LOCAL)の持続的な発展に情熱を持ちビジネスを実践できる人材」です。では、なぜこの「グローカル人材」の育成が求められているのでしょうか?

環境問題をはじめとして、地球規模の課題が問題視されているなか、その地球規模の課題を解決するためには、私たちが広い視野で課題を捉えながら、自分でできるアクションを考える必要があります。また、世界の街の成功事例(グローバル)を学びつつ、それを地域(ローカル)に取り入れるためにチューニングを行う必要があります。このような能力を身につけた人材を「グローカル人材」と呼んでいます。

トークセッション②では、上記のような少し抽象度の高い「グローカル人材」について、より具体的な言葉で表すために話し合いました。

【トークセッションの様子】
🧑(社会人):グローカル人材は、人の話をしっかり聞ける人というイメージです。相手の心理的な安全性を確保できる人は、地域の声・マイノリティの声も拾うことができるんじゃないかと思います。

👨‍🎓(学生):多角的な視点がある人はグローカル人材だと思います。問題の現状を調べるときには、複数のデータを参照してデータの見方を変えてみるなど出来るようになりたいです!

👨(社会人):ものごとの本質を正しく理解し、自分の言葉で伝えられるという部分は大事なんじゃないかな。

👩(学生):素直に受け止められる人、地域のことが好きな人はグローカル人材っぽい感じがします!

👩‍🎓(学生):視野が広くて固定観念にとらわれないことは、グローカル人材として重要なスキルじゃないかと思います。

私が参加していたチームでは、グローカル人材を「固定観念にとらわれず、人の話を素直に聞けて、視野を広く多角的に状況把握するとともに、物事の本質を理解できる、地域のことが大好きな人」と定義しました!

他にも「寄附して終わり(一回きり)でない、地域での持続可能なモデルが必要だよね」「グローバルな視点ってなんだろう?」といったトピックも話すことができました✨

Ⅳ. 共有タイム

最後の共有タイムでは、各グループで定義した「グローカル人材」について共有しました。

共有の様子

【共有された内容】
偏見を持たない、否定しない、行動力のある人。
→現状に満足せず、偏見を持たず、様々な人の人権文化を尊重できる!問題意識をもって謙虚にチャレンジできる!

が大切!
自分を愛して人を愛することができる、誰のために価値を提供するかという軸が一貫している人。

・世界のことを想像して、身近な問題に対して自分ごととして動き、周りを巻き込める人。
→世界の同じ課題に立ち向かおうとしている人は世の中にいるはずだから、そんな人を巻き込むために、広い視野で動ける人がこれから必要になるんじゃないか。

・さまざまなコミュニティに属していることにより、多様な考え方の引き出しと幅広い価値観を持っていて、地球規模の課題を自分ごとに考えられる人

それぞれのグループごとに様々に「グローカル人材」が定義されていて面白かったです。どのグループも「多様な価値観を持っている・受け止められる=一つの価値観にとらわれすぎない」という部分は共通していそうですね👀

社会人からは「会社の会議もこんな雰囲気だったらいいのに☺️」と声があがるほど、社会人も学生も気軽に話し合える賑やかな場となりました✨



【追記】🌸振り返り🌸

トークセッション②「グローカル人材ってどんな人材?」で出てきた意見を見てみましょう👀
まずは意見・キーワードの集計結果です📊

トークセッションで登場したキーワード✨

そして登場したキーワードをいくつかのグループに分類してみると、以下のような繋がりが見えてきました👀

赤字は分類を、青字は小分類を、黒字はその分類に属するキーワードを表しています

▼以上の結果を踏まえて

〇みぞ🧸
グローカル人材について「芯のある柔らかさ」という印象を受けました。
現状と課題を冷静に分析し、周りの想い・意見を聞いて取り入れつつ(歩み寄りつつ)、「自分がやりたいこと・熱意(モチベーションの根幹)」の部分は揺るがない、といった感じです。
また、集計方法が影響しているのかもしれませんが、「地域(ローカル)」というキーワードが、「広い視野(グローバル)」よりも少ないのは意外でした。「特定の地域の課題」というよりは「身の回りの課題」というニュアンスで受け止められている(自分ごととして捉えている)のか、世界規模の課題や世界の先進事例を見ることの方に意識が向きがちなのかな(地域の課題より、世界の課題を見ることは普段の生活の中にないから、新鮮で、意識したくなるのでは?)と考えました。

〇みさき🐋
集計結果から、「グローカル人材」というものに対して、内向きの視点と外向きの視点の重要性が同程度あると多くの人が認識しているような印象を受けました。そしてそれらは「根本的に自分自身がどうあるべきか、どんな能力を身に付けておくべきか」「社会や他者に自分自身がどのように関わっていくのか」というものを起点に考えられているような感じがします。
また、自分のフィールドからどんどん外に外に、という勢いが感じられ、「もとに立ち返る」ことが、あまり意識されていないのか、当たり前のものとして認識されているのか、あまり表出していないように思いました。


🏆アワードセレモニー・懇親会

以下のチームが受賞しました。受賞おめでとうございます!

🏆フォーラム大賞:大東寝具チーム/龍谷大学【連携先:大東寝具工業株式会社】
🏆優秀賞:企業取材チーム/京都文教大学【連携先:一般社団法人京都中小企業家同友会、滋賀県中小企業家同友会】
🏆最優秀賞:漁業チーム/佛教大学【連携先:京丹後市湊地区自治会】
🏆審査員特別賞:伝統産業チーム海外班/佛教大学 【連携先:株式会社木村桜士堂】


🍹懇親会の様子🥪
閉会の挨拶の様子🎤

行元さんによる閉会の挨拶🌸(一部抜粋)
学生の皆さんお疲れさまでした。

大人が本気になれば、学生さんも「くそっ!」「もっとくらいついてやる!」じゃないですけど、そういう風土を作っていけたらと思いますし、 今回のテーマである「地域が秘める無限の可能性、私が作る新たな未来」というところはもうみんなの感性にかかっています。未来のこととか、これからのスタンダード、テーマが違えど、これからどうする?という話をみんなの意見なしには絶対できないんですね。 なので、このフォーラムが終わっても、みんなの専門だったり、興味関心をどんどん違うバックグラウンドの人に伝えてください。

悔しい思いとか嬉しいなという色んな気持ちをハグしてあげながら前に進んでもらえたら、と思いますし、また社会人になってフィードバックをしに、このフォーラムに帰ってきてもらえたらと思います。

こうして、5年ぶりのリアル開催となる『第11回グローカル人材フォーラム』は幕を閉じました。初の分科会形式での開催、学生チームは過去最多出場となり、運営としても緊張しておりましたが、おかげさまで、多くの学生、社会人、関係者の皆さんにご参加いただきました。ありがとうございました!

事務局より

【担当者:吉田より】

フォーラムの開催にあたりまして、このフォーラム発表のために頑張ってきた学生の皆様、足を運び聞きに来てくださった参加者の皆様、審査員の皆様、受付を協力いただいた京都信用金庫の皆様、開催場所をご提供くださいました龍谷大学の皆様に心より感謝とお礼を申し上げます。
皆様からのお力のお陰で、この数年目指してきたフォーラムのリアル開催復活を実現することができました。誠にありがとうございました。
ぜひ、次年度のフォーラムにも足を運んでいただければと存じます。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします

関連ページ:第11回グローカル人材フォーラム開催の御礼とご報告(グローカルセンターWEBサイト「NEWS」)


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