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ユーザーリサーチの設計プロセスでAIの力を借りてみる


はじめに

こんにちは。
GLOBIS学び放題 受講者向けプロダクトの開発チーム デザイナーの加藤です。
約一年間の産休・育休を取得し、先日復帰しました。保育園に通い始めた子どもはさっそく体調を崩しまくっており、グロービスのフレックス制度に日々助けられております…。

休職中は仕事に関するトピックからほぼ完全に離れていたので、世の中のキャッチアップも兼ねてChatGPTをさわっています。
ふだんの業務に活用できないか考えながら試してみました。

ユーザーリサーチを仮定する

実際はさまざまなコンテキストがあるかとは思いますが、「キッズ服のECサイトを作りたい」という状況をひとまず仮定してみます。
まずは「キッズ服を購入する」ジャーニーマップを明確にしたいです。ユーザーインタビューを通して明文化するとします。

インタビュー対象者の条件

インタビュイー募集にあたっての条件を考えるために、ChatGPT (GPT-3.5) にリストを作ってもらいました。

インタビュー対象者の条件リスト案

さまざまな観点のアイディアをもらうことができました。
売り出したい服のカテゴリーに応じて、いくつかの条件をピックアップして募集をかけられそうですね。ECサイトの方針決め自体のヒントにもなるかもしれません。

個人的には、4や8あたりの条件例は、自力では思いつかなかっただろうなと思いました。こういった自分の箱の外の気づきはリサーチを通して得られることもありますが、はじめから頭の引き出しに入れておくことで、インタビューで多角的な質問ができそうです。

一般的なジャーニーマップ

インタビューの流れを作る前に、いま一度、購入までのフローを確認してみます。

購入までの一般的なフロー例

購入までのよくあるフローをまとめてもらいました。
特に馴染みのない領域についてリサーチする場合は、前提知識としておさえておきたいので、理解の助けになります。回答の精度が問題ないかは、周りの方にサッと確認してみてもいいかもしれません。

ここからインタビューの流れを考えていけそうです。

インタビュー質問案

この勢いで質問も考えてもらいましょう。

インタビューの質問案

インタビュー案を出してもらいます。当たり障りのない回答ですね。
先ほどのジャーニーマップと併せて、認知〜購入までの時系列に沿って質問を組んでいけそうです。
そのまま質問を使うのではなく、分解したり、答えやすい形に加工したりするとよりよいかと思います。

「キッズ服の試着や確認について、どのようなアプローチを取っていますか?」
→ 「最後に試着したのはいつですか?毎回試着しますか?」
→ 「するときとしないときがあるのはなぜですか?」
→ 「オンラインショッピングではサイズ表記を見ますか?」 etc.

もう少しひねった案も出してもらいたかったので、プロンプトを続けてみます。

面白い質問案
答えにくい質問案

回答のバリエーションを増やしてくれました。
たとえば「面白い」といっても、"funny" なのか "interesting" なのかで回答が異なってきそうなので、聞き方のパターンはもう少し試せそうですね。

たった数行のインプットでここまでのアイディアが出てくるのはすごく助かります…。自分で0から考えるよりも明らかに早いですね。
インタビューの目的を明確にし、これらのアイディアから目的を達成できそうなものを選ぶことで、意義のあるインタビューを設計できそうな気がしてきました!

おまけ:ChatGPTさんにインタビュイーになってもらう

社内メンバーから「作ってもらった質問をChatGPTに回答してもらったらどう?」とコメントをいただきました。おもしろそうなのでやってみましょう。

状況・条件を指定して質問してみた

きちんと前提条件に沿った回答になっていることがわかります。
少し深掘りしてみます。

理路整然と回答してくれました。

自身が「答えにくい質問」として出していたものもぶつけてみます。

しっかりとそれらしい回答パターンを出してくれました。

事前に想定される回答に対して、「こう返ってきたらこう聞こう」というシミュレーションができますね。質問の聞き方を変化させたり、深掘りポイントを見つけやすくなったりといった効果もありそうです。
意外といいインタビュー練習になるのでは…

おわりに

今回は、デザイン業務でAIの力を借りるアイディアを試してみました。
人と同じく、AIもまた間違える存在です。AIのアウトプットには必ず人が目を通す必要があります。
正しい回答を期待するのではなく、自分の発想力を拡張してくれる相方としてうまく付き合っていくと、面白い示唆が得られるかもしれません。

今回はリサーチにおけるアイディア出しのサポートとして利用しましたが、UIデザインや情報設計においても、雛型をサッと作ってもらうことで、全体の作業スピードをあげることができそうだと感じました。
機会があったらGPT-4でも試してみたいですね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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