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ストックイラスト、ストックフォトに未来はあるのか?というお話

ほぼ毎日私自身もストックの作品を作って投稿をしております。
サラリーマン時代の副業から数えれば足掛け4年目に入りましたが、実は2つ作った法人のうち後に作った方はストックフォトのサービスをはじめようと会社を作ったので、ストックとの関わりは10年を越えています。

ストックフォト、イラストはレンタルポジと言われるライツマネージド(都度都度ロイヤリティが発生し申請の利用範囲のみの使用)のみで、今のように一度ダウンロードしたら使い放題という性質のものではありませんでした。

デザインのデジタル化によってメディアで販売するロイヤリティフリーが出てきました。有名どころだと具満タン素材辞典等がありますが、これからはロイヤリティフリーの時代、そしてネットがあるならネットでダウンロード販売ができると考えたのです。ライツマネージドのストックからロイヤリティフリーのマイクロストックが主流になると。

そこで仕事でいつもお願いをしていたカメラマンと組んで会社を立ち上げました。スタジオを作ってデザインとフォトサービス、そして儲かった金でサイトでストックサービスをやろうと企画をしたのです。諸々の問題が起きたのと東北の大震災があったので断念しましたが、話が逸れるのでこの程度にしておきます。

参入障壁の低い商売は常に過当競争が起きる

本題のマイクロストックフォト、マイクロストックイラストの未来ですが
世界のAdobeさんが参入してますし、サービス側は高い利益率、今後AIが発展するにしたがって審査も検索しやすい序列もできるでしょうから明るいと思っています。過渡期故のサイトの乱立もフォトリアさんの例を見るまでもなく淘汰されていくと思っています。
フロービジネス、ストックビジネスって聞いた事があると思うのですが、わかりやすい例だとクライアントからオーダーを受けてデザイン、イラストを描いて納品するのがフロービジネス。単価は高いですが、受注の波があって安定しません。
一方のストックビジネスはいわゆる会員制のビジネスのようなものです。加入しているプロバイダ、生命保険、損害保険、携帯電話って簡単に変えませんよね?ストックの運営側も同じです。毎月定額制の契約をしてるので、定期収入が見込めます。こんな美味しい商売を胴元がやめる訳はありません。例えば携帯電話会社だと数千億円の投資をして人を雇う必要がありますが、ストックは売れなきゃ支払いしなくていいのですから。

逆にマイクロストックのコントリビューター(寄稿者側でありイラストレーター、カメラマン)はどうかと言えば真面目にコツコツとやる人以外は浮かばれない商売だと思います。その理由は参入障壁の低さでライバルが多いからです。そしてストックの運営側と違ってストックビジネスではないからです。(定額で収入にはなりませんので、ストックコントリビューターはストックビジネスをやっていません

私が記録にとってる数字ですが日本で最大のマイクロストックサービスであるPIXTAさんのコントリビューター数の推移です。
2019/4/25時点 294,911人
2019/6/1時点 334,308人
月に3000人以上増えている計算です。
シャッターストックさんでは毎日5万点の素材(写真・イラスト・動画含む)が追加されています。年間ではなく毎日です。ご存知の方は多いと思いますがシャッターストックさんはバリエーションのリジェクトがとても多いにも関わらず5万点。

ライバルが増える中で自分の物を売ろうと思えば通常の商売ならコストを下げて売価を下げる、コストをあげて売価をあげて付加価値で商売するのですが、マイクロストックは価格の決定権はサービス側にありますので価格競争は起きません。なので、値段を上げずに価値だけ増やさないと見向きもされなくなります
今まで1時間の作業の作品を2時間、3時間かけて作る。または従来の作品をセットにする等で価値を上げないとならないのです。

これが店舗の販売であれば、売れない商品は棚から消えていくので過当競争も激しい価格競争も起きません。
カップヌードル10年前と価格はそう変わっていませんよね。安売りされているのは棚から消えていく商品のみです。

定額制は顧客の囲い込み競争でもあります。なので5年後10年後には恐らく淘汰でストックサービスは相当数は減っていくはずです。一方国内においては今後10年で第二次ベビーブーム世代、団塊ジュニア世代の暇なオッサンオバサンがマイクロストックに参入してくるはずです。

コンテンツは無料になっていく

学生時代の話で恐縮ですが、大好きなボビーブラウンさんのダンスを学ぶためカラオケ屋や居酒屋においてあるレーザーディスクに100円を何百枚と投入しました。それ位好きだったのです。

今はご覧のとおりタダで見ることができます。
30年前のものどころか、新曲でさえユーチューブで見ることができて隔世の感を覚えることも多いですが、イラストや写真も同じ道を辿っていくと思っています。現在国内だとACがそうですし、海外にもfreepikというサイトがあります。有料ストック並のイラスト写真も珍しくありません。驚くべきことに、色を画面上で変更してベクターデータで落とせるサービスも始まりました。

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ジャンルは限られますが、ボタン1つで色替えができて劣化しないSVG形式でタダでダウンロードできます。(出典:freepikストーリー)
マネージドのストックサービスは価値の維持を行うでしょうが、このような無料サービスと競合するロイヤリティフリーのマイクロストックは価格競争で安くなっていくのは経済の原理です。

今ストックコントリビューターがやらなきゃいけないこと

一定のクオリティって前提はあるにしても、目に止まらないとどうにもなりません。極論で言えば100万点ある中自分が50万点出していれば、売上の半分を掴むことになります。
数を出したうえでバリエーションの多さ、普遍性、多様性、作家性の何かしらの売りを作っていけばほそぼそとは食べていけるのではないでしょうか。

私自身の作品でも他にあまり投稿がないジャンルってのはありまして、今現在はいわゆるブルーオーシャンに近いですが、そんなのが長く続くはずもありません。シャッターストックさんが毎日5万点増えていくんですから。テーマなんてのは、あっという間に気づかれてしまいます。

ピクスタさんの場合
2019/9/1の素材点数:46,540,822点
現在(6/25)の素材点数:52,727,058点で実に1日あたり2万点以上増えています。

まとめ
・数を出して専有率をあげる(目につくため)
・小手先よりも画力を上げること
・必要と思われるテーマを深く考える事
がストックで食べて行く事には重要ではないでしょうか。

バナー画像出典ぱたくそさん



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