元メルカリ矢嶋氏が語る、事業成果を出すPRパーソンの思考法【PRコミュニティ勉強会レポート】
こんにちは!グローバル・ブレインの情報発信を担当している岡本です。GBでは投資先の企業支援の一環として、PR担当の皆さんと気軽に相談し合える「GBPRコミュニティ」を運営しています。
今回は、元メルカリのPR責任者であり、現在は戦略PR支援を行う株式会社はね代表の矢嶋聡さんをお招きして行った勉強会レポートをお送りいたします。
自社と社会を「見立て」で繋ぐのがPR
「企業価値向上のためのPR戦略講座」と題した今回の勉強会では、基礎編と応用編の2部構成で、スタートアップPRの考え方や成功事例を体系的に解説いただきました。
基礎編のゴールは、事業会社において求められるPRのマインドセットを会得すること。お話の中で矢嶋さんは、PRとは「メディアを通じてステークホルダーとコミュニケーションして良好な評判を形成し、事業機会の最大化・企業価値の向上につなげる」立場であると定義。そのためにPR担当が意識しておきたい、メディアコミュニケーションの仕方を解説いただきました。
メディアコミュニケーションにおいて大切なのは「自社の言いたいことに社会の文脈・時流を掛けあわせて『見立て』を作ること」。自社が持つ情報(コンテンツ)だけではなく、それをどのような文脈(コンテキスト)に乗せるかを考えていくことが、企業価値向上に繋がるPRであるとしました。
コンテキストに乗ったPRの好例として挙げられたのが、LINEです。東日本大震災を期に人間関係が変化してきたという時流に乗り、「大切な人といつでもどこでもつながれるサービス」として伝え続けたことが普及の一助となりました。
こうした社会と自社サービスの繋がりを見立てる力は養うことができると矢嶋さんは主張。メディアが関心を寄せるポイント(新規性や公共性、独自性など)への理解を深めたり、テレビや新聞を見る際になぜこの事象が流行っているのかを考えるのが有効だとお話いただきました。
「事業成果につながるPR」を実現するには?
応用編は、PR戦略のマネジメントというテーマで話が展開。スタートアップのPR担当はやることが多く、事業成果につながる施策がどうしても後手になりがちです。だからこそ、持続的かつ安定的な成果を出し続けられる仕組みを作るマネジメントが必要なのだとご説明いただきました。
戦略的にPRをマネジメントするためにやるべきことは、「経営とアラインしながら環境分析、プランニング、実行・進捗管理、振り返り・評価のサイクルを回すこと」。メルカリでは3カ月単位で1サイクル回していたとし、実際にプランニングした施策などもご紹介いただきました。
また、短期的な成果が見えづらいPRは、何を目指してこの施策に取り組んでいるのかという理解を社内から得ておかないと、本質的ではない動き方になってしまう恐れがあります。矢嶋さんも「PRの目的を言語化し、経営と合意しておく重要性」を力強く訴えていました。
勉強会の終盤には、IPO直前期にメルカリの認知を「よくあるベンチャー企業」から、「テックの力で世界を本気で目指す、信頼される企業」に変えるために行った取り組みも紹介。世論形成に影響のある政治家や評論家に正しくサービスを理解してもらうために行ったアクションや、その際のプロセスなどのリアルなお話には、聴講していたPR担当の方々も熱心に耳を傾けていました。
ほぼ2時間にも渡る講義は非常に濃密な情報量で、参加者のみなさまからは「貴重な機会をいただけた」と大満足の声を多くいただき、私たち自身としても大変勉強になりました。
ここで、今回参加されたPR担当者のみなさまからの感想コメントもご紹介します。
GBPRコミュニティでは、今後もPRについて勉強会など企画予定です。GBの投資先企業限定となりますが、参加ご希望の方はこちらまでご連絡ください🙋♀️