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スタートアップとの協業推進をドライブさせるためには?新設CVC向けキャピタリスト研修レポート

グローバル・ブレイン(GB)でPR・イベントを担当している新坂上です。GBでは純投資およびCVCのLP(Limited Partner:出資者)の皆さんに向けた、キャピタリスト研修も定期的に行っています。

前回の研修に引き続き、今回は直近GBと共同でCVCを設立されたLPの皆さんに向けたキャピタリスト研修を開催しましたので、その様子をお届けします。

この研修は、CVC組成時に考えておくべき方針や戦略、CVC運営においてよくある課題などを体系的に学ぶとともに、縦と横の繋がりを深めることを目的としています。

まず初めのセッションでは、スタートアップと大企業双方の支援を行うGBのGeneral Partnerの慎より、協業の進め方や進める上で直面しやすい課題などの事例を、大企業・スタートアップ双方の目線から解説しました。

スタートアップとの協業推進をドライブさせるには

その方針によってCVC活動の内容は大きく変わります。金銭的リターンもさることながら、シナジー重視で投資されているCVCの皆さんにとって協業推進は重要なミッション。社内外に向けた発信や、事業部との議論を行っている企業は多いものの、実際の協業推進という部分では、事業部との深い連携や経営陣の巻き込みには課題があるとの声もよく聞きます。

「大企業とスタートアップが協業をスムーズかつ強力に推進するためには、中長期のゴールだけでなく、投資後半年〜1年のマイルストーンを具体的に設定し、お互いが合意することがポイントになります。また、大企業側のCxOレベルの方を協業プロジェクトに巻き込んでいくことも非常に重要です」と、支援を通じての実感を語る慎。

協業の実現に向け、継続的に社内から協力を得る方法など、CVC活動全般を円滑に進めるために重要なポイントを紹介しました。

CVC運営の事例に学ぶ

今回の研修では、2021年にCVCを組成された日揮株式会社の坂本氏をお招きし、担当であるGBのPartnerでキャピタリストの山口とともに、パネルディスカッションを行いました。

設立から3年の間に多くの出資検討や協業推進を担当されている坂本氏。経営層を上手く巻き込み続ける方法、協業計画の阻害要因と解決手段、協業を進める上での最適な組織体制など、CVC企業の典型的なお悩みに対し、これまでのご経験に基づきながら実際の取り組みについてをお話しいただきました。

事業戦略とアラインしたCVC戦略の考え方

続いてCVC支援を行うGBのGeneral Partnerの西田が登壇。CVC活動のあるべき姿について、以下のように改めて定義しました。

1. CVC活動とは、事業会社が自己資金でファンドを組成し、自社の事業内容や戦略に関連性があるベンチャー企業に投資し企業育成と事業連携を通じ、本業との相乗効果を得ることを目的とした活動

2. CVC活動の使命は、会社の外部の技術やアイデアを投資育成活動を通じ学習し、時に自社の事業と連携させ本業との相乗効果を得ること

その上でCVC戦略を検討するために必要な「投資先選定を効率的に行うための投資領域設定の流れ」「ポートフォリオ設計の考え方」「CVC設立前後で必要な体制やリソース、スキルセット」などの事例をご紹介しました。

各講義の終了後は、各CVCとGBの担当キャピタリストがともにディスカッションを実施。各社が現状抱える悩みや課題、スタートアップとの協業を軌道に乗せていくために組成段階から注力すべき具体的な施策について、活発な議論を行いました。

CVC担当者同士が連携できる場として

講義終了後は懇親会を開催。参加いただいた皆さんからは「予め課題となりえる点を事前に知ることができ、今後のCVC運営の参考になった」「同時期に組成された他社CVCの方と、現状の取り組みや課題を共有できる機会は大変ありがたい」といったお声もいただきました。

今後もGBは各社のCVC活動を支援すべく、各領域の最新情報を知れる勉強会や、CVC運営に必要なキャピタリスト研修、またCVC担当者同士が連携できるような横の繋がりを作る場を設けるなど、さまざまな取り組みを予定しています。ご関心のある方はぜひご参加ください。