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アメリカのエース、体操選手シモーン・バイルス途中棄権の勇気

7月27日、東京オリンピックの体操の競技にて、アメリカのエース、シモーン・バイルスが途中棄権した。

記者会見で「メンタルヘルスを第一に考える」と堂々と本人が自らの言葉で話した。

Put mental health first because if you don’t then you’re not going to enjoy your sport and you’re not going to succeed as much as you want to. So, it’s ok sometimes to even sit out the big competitions to focus on yourself. Because it shows how strong a competitor and person that you really are, rather than just battle through it.

訳)
心の健康が第一だと考えます。そうでなければ、スポーツを楽しむことができませんし、思うように成功できません。
だから、時には大きな大会を欠場して自分に集中するのもOKです。
なぜなら、ただ戦い抜くのではなく、自分がどれだけ強い競技者であり人間であるかを示すことができるからです。

コンディションが悪い中、戦って負けのクレジットを自分に課す必要はない。

4年に一度の大舞台であるオリンピック、しかし、たかがオリンピック。この日を目指して限界を越えようと自らを高めてきたことだろう。しかし、ここから先の良き選手人生そして、より良き自分の人生を考えたら、今回棄権をすると言う判断は、今後のための投資ともいえる英断なのではないか。

様々な戦い方があり、考え方も様々だ。もし、これが最後のオリンピックで、そこに何かをかけている選手であれば無理さえもが価値になることもあるかもしれない。

しかし、そうではない限り無理を押してまでやっていいことなど何もない。心にとっても体にとっても。

これはオリンピックやスポーツ競技に限ったことではない。勿論自分の力の限りを出し尽くす事は大事だけれど、それで自分が壊れてしまい、取り返しがつかないことになるのであれば、それを判断した時点で引くことも英断だ。今後、アスリートとしてより良い姿で試合に臨み、より良い競技をするためにも。

勇気のいる決断だった事だろう。

「人は、健全な心と体あってこそ最大の力を発揮できる」
それを考えたシモーン・バイルス選手の途中棄権。


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