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【住友生命保険様:事例発表】自社コア人材のグローバル化こそ、経営戦略実現の原動力

2022年7月20日(水)第299回グローバル人材育成研究会では、「『グローバル重視』で推進する経営人材育成」をテーマに開催。
住友生命保険相互会社様(以下、住友生命保険様)より以下2名様をゲストにお迎えし、当社よりご導入いただいた約半年間の選抜人材のグローバル化プログラムについて発表いただきました。
自己変革を実現する、経営人材育成プログラムに必要な要素をたっぷりとお話いただきました。

住友生命保険相互会社
上席執行役員兼国際業務部長( 元執行役員兼人事部長)川口 謙誠 様(写真中央)
人事部 人財開発室担当室長 佐藤 亜矢子 様 (写真右)

未来の経営人材を、どこに力点を置いて育成するのか?

GAD(グローバル・アジャイル(俊敏)・デジタル)が加速する現在。日本企業にとって、そうした環境変化に適応し、さらにはそれを機会として自社のビジネスを伸ばしていくことのできるリーダー人材のプールをどのようにつくっていくか、が鍵となります。

当社代表の福田 聡子
住友生命保険様のグローバル人材育成プログラムでは、
「右脳型英語学習法」の講師としても携わらせていただきました。

「グローバル人材が育たない悪循環」になっていませんか?

その際、以下のような循環がボトルネックとなって、なかなか踏み込めないということはないでしょうか?

1.重要な国内ビジネスは優秀層が担う
国内ビジネス・プロジェクトは利益率も高いので、必ず成功に導けるよう社内でも優秀層が担う。

2.優秀層がグローバルが苦手、必要なスキル習得のための時間がない
優秀層は当然忙しくなり、自らのグローバルスキルを習得したり磨いたりする時間は少なくなる。

3.グローバルプロジェクトの機会を逃してしまう
たとえグローバルで自社製品・サービスを展開する機会があっても、優秀層をそこに投入できなくなるため、プロジェクトを行うのに二の足を踏む。

4.グローバル事業が育たない
そのため、組織としてグローバルには打って出たいものの、それを担う人材がいないのでグローバル事業が育たない。

5.「本流はやっぱり国内ビジネスでしょう」という雰囲気
社内では、「グローバルビジネスは傍流で、国内ビジネスを進めるのが本流」という雰囲気が社員の中に形成。ますます優秀な人材は国内ビジネスのほうに投入されるようになる。

どこでこの悪循環を断ち切るか?

では、どこでこの悪循環を断ち切れば良いのでしょうか?それは、2の「優秀層がグローバルが苦手、必要なスキル習得のための時間がない」という点です。なぜなら、社内での影響力も大きい彼ら/彼女らに、ある時期集中的に投資し、変革を促すことで、部下や同僚なども大きく影響を受け、オセロのように変わるようになるからです。

しかし、こうした組織開発と人材育成は「言うは易し、行うは難し」。実現させるためには、数多くのハードルを越える必要があります。誰もまだ成果がみえない中で、忙しいエース級の人材を現場から離して研修に参加してもらうよう依頼するのは、大変な勇気と根気が必要です。

そんな中で、この優秀層の自己変革とグローバル化に取り組んだのが、住友生命保険様です。

経営人材候補のプールを計画的につくる住友生命保険

住友生命保険様では、経営人材がグローバル対応できることは必須の要件。最終的に経営人材となる社員は少数かもしれませんが、育成・選抜のためには、分母として人材をプールしておくことが必要です。また、同社では「グローバル事業」に従事する社員は駐在・本社ともに増加傾向にあり、さまざまな部門でグローバル人材が必要とされていました。
そのような背景から、当社の「グローバルリーダー育成プログラム」を導入いただきました。

自己成長が実感できるのがプログラム参加の醍醐味

住友生命保険様の場合、以下のような構成で自己変革に向けたプログラムを設計・実施させていただきました。
*「グローバルマインドセット」醸成プログラムについては詳しくはこちら

選抜グローバル人材育成研修 全体像イメージ
対象層:選抜課長クラス
期間:合計16日、8か月間

初日のプログラムでは、「英語に自信がない」「完走できる気がしない」とおっしゃっていた受講生の皆様も、最終プレゼンでは、見違えるように堂々と自社の未来やその未来を実現するために自分が行うことを発表し、その場を楽しんでいる様子が伝わってきました。
プレゼンを聞いた社長も、「うちの社員じゃないみたいだ」「本当に(受講者が)変わった」と、とても喜んでいたそうです。

実際にプログラムの参加者の1人でもあった佐藤様は、このようにおっしゃっています。

まさに8カ月で人生が変わりました。英語が話せるようになった、ということではなく、頑張ることが大切だなということが、わかりました。40歳を過ぎてリスキリングを考えるのは、よいポジションについていればいるほど難しいものです。そこから自己成長が実感できるのが、この研修の醍醐味です」

このようなコメントは、実は多くの参加者からもあがっていました。「40歳を過ぎてから、ある程度のポジションについてから、いかに自己変革を促すか?」人生100年時代、今後の長いキャリアを考えるうえで非常に重要な問いでもあります。
そのような意味でもこのプログラムは非常にチャレンジングではありますが、「できないと思っていたことができるようになってくる」という小さな成功体験を積み重ねることで、自己変革を促しやすくなるのです。

社内で賛同してくれる仲間をいかに増やすか

このように、一度企画したり参加をしたりすると、このプログラムが「優秀層の自己改革とグローバル化を実現する」ことを実感できるものですが、新しいことをスタートするときは、社内説得、人選など様々なハードルがあると思います。住友生命保険様では、プログラムの導入と参加者募集をどのように行ったのでしょうか。
ポイントは、大きく以下の3つです。

  1. 地道かつ丁寧な声掛け

  2. 会社全体のメッセージの中でのグローバルや人材育成の重要性を引用

  3. 選抜研修だからこそ、「できない」ではなく「できる」を前提にする

このような選抜プログラムでは、エース級の人材を送っていただき、彼ら/彼女らが自己変革していくことで組織への波及効果をねらいます。しかし、どの部署もエース級の人材は忙しいため、実務から離れることを嫌がるものです。川口様は、各部門の上長や、参加候補者に、プログラムに参加することのメリットを地道に伝え続けたそうです。一つひとつ、丁寧に説得していくプロセスに近道はありません。まさに、オセロの石(駒)を一つずつひっくり返していくようなものです。

「忙しいエース級人材をさらに忙しくさせるようなことはできない」「当社の人材には難しすぎるのではないか」。このような声は、社内を説得していく際によく聞かれる言葉です。しかし、選抜研修であれば、参加者はみな感度も高く優秀なビジネスパーソンのはずです。「できる」ことを前提に、さらなる高みを目指すチャレンジを後押しすることが重要なのではないでしょうか。

人事部門が自社人材の可能性を一番に信じ、一歩踏み出すきっかけを作っていくこと、そして丁寧に成長を見守ること。川口様、佐藤様からの姿勢から、改めてその重要性を感じました。

川口様、佐藤様、ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!

■お問合せ先: グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社 

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