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コロナ渦で売り上げ半減した状態から6か月間で営業組織の立て直しとV字回復させた話(後編)

こんにちは、GLナビゲーション株式会社の神田です。

今回は前編に続いて、「Marketo Engage」導入による具体的な成果や今後の展望についてお話ししていきます。

「Marketo Engage」具体的な活用方法

Marketo Engageの配信メールでは、コンサルタントを提案するメール内にレジュメを閲覧できるリンクを貼っています。このリンクをクリックした段階で社内アラートが鳴るように設定しました。社内アラートの内容には、コンサルタントのスキル要件に合わせたカテゴリ別のスコアが記載されているため、リアルタイムでその顧客がどのコンサルタントに関心があるのか判断することができます。

闇雲なアプローチではなくて、ピンポイントで「この領域のコンサルタントに興味がありますよね」という前提で話すことで、短時間で確度の高いアプローチが可能になりました。

また、Marketo Engageによる一斉配信アプローチだけでなく、より深く、顧客1人ひとりにあったコミュニケーションを実施しました。具体的には、Gmail連携のアドオンを利用することで、Marketo Engageで配信しているメールをテンプレートとして普段使いのGmail上にボタン1つで呼び出せるようにしました。

現在は、100人ほどプールしてるコンサルタントを「就業状況×属性(スキルセットや単金など)」に応じてパターン別けしていくので、トータルで200~300種類ほどのメールが自動で配信されております。

Gmailアドオンを活用することで、各企業担当者が求めるコンサルタントの情報をGmail上で瞬時に呼び出し、配信することができるようになったので、時間をかけず、個別最適化したメールを経験やスキルに関係なしに、誰でも送れるようになってます。

「Marketo Engage」導入後の具体的な成果 〜営業1人あたりの生産性4倍に〜

Marketo Engage導入前に比べて、営業生産性は少なく見積もって4倍以上に上がりました。具体的には、営業1人当たりが獲得する月間の面談数と決定数は約4倍になりました。

 これは、仮説に基づいた適切なタイミングで、適切なリードにアプローチすることができたことが大きな要因だと思います。

グラフ

また、売上以外の成果だと大きく4つの成果が出てます。

1. アプローチの効率化
2.再現性のある組織への変革
3.より時間価値の高い業務にリソースを割く事が可能に
4.サードパーティーとの連携による仕組みづくりと業務効率化

1. アプローチの効率化

まず弊社のKPIとして、決定に繋げるための面談設定数をおいています。Marketo Engage導入前の架電では、1週間に10件の面談を組むことが限界でしたが、導入後には20件、30件と増えていきました。

また、弊社の営業組織で非常に重要なフローである架電アプローチの効率化を実現することができました。まず、約600件の全リードにメールを送ったとして、ここからの架電によるアプローチが肝になります。もちろん、メールを送信した600件すべてに架電することはできません。

そこで、スコアリングに基づいて顧客の優先順位がついたことで、アプローチすべき顧客と架電による対話ができるようになりました。数字で可視化された根拠に基づいてアプローチができるため、営業一人ひとりの意思決定にもしっかりとした根拠が生まれます。

2.再現性のある組織への変革

2つ目は、特に経営側の視点から重要なこととして、このような再現性がある組織へのイメージを具体化できたことが大きいと思います。属人的だった営業プロセスを汎用的で柔軟性のあるプロセスへと変えることができました。

主観的な仮説ではなく、スコアの蓄積と直近のメールの反応のマトリックス化することで、顧客がいまどの状態にいるかの分類と優先順位付けが明確になりました。

スコアを見てみると、私達が考えていた顧客ニーズとは違った、別の領域に興味を持っているケースが多かったのです。これまで見えてこなかった顧客のインサイトやニーズが見えるようになったことは大きな変化でした。

マトリックス図


3.より時間価値の高い業務にリソースを割く事が可能に

3つ目として、営業組織内での業務の切り分けが可能になりました。もともと、弊社の営業主力メンバーも未経験からのスタートでしたが、これまでの属人的だったアプローチをMarketo Engageで取得したデータをもとに型化することで、誰が架電をしても同じ結果が得られるフローを作り出すことができました。

今では、初めの架電はアルバイトや新人メンバーに任せて、繋がったリードを主力メンバーが巻き取る仕組みが成り立っています。この仕組みによって、メンバーはより重要な業務に集中することができます。

このように、時間価値が高いところにリソースを集中できるようになったことによって、最少人数で最大成果を上げるための土台ができたと思います。

4.サードパーティーとの連携による仕組みづくりと業務効率化

Marketo Engage導入に伴い、社内インフラも整えました。スプレッドシートやタスク管理ツール上で管理していたデータとMarketo Engageを連携をする為に、自動化ツールのZapierを利用しました。

全てのツールに自動連携ができる為、各営業がスプレッドシートに入力をするだけで、Marketo Engage上の指定の顧客リストに追加され、メールが自動配信、スコアが付与され、メール開封などがあった場合はリアルタイムでSlackチャンネルにアラートを鳴る仕組みができました。

データドリブンな営業スタイルにシフトしていく為に、社内インフラを整えた事は大きなトリガーとなっています。

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振り返りと今後のビジョン

インタビューの中で、Marketo Engage導入によって具体的に成功したと思えるエピソードを聞かれましたが、エピソードはありません。ホームランのような成功事例が出ないことがMarketo Engage導入でのポイントです。気が付いたら結果が出ていました。少しずつヒット率をあげていって、最後に振り返ってみて「成長している」と実感しました。

今後は、BPOサービスだけでなくDXをサービスにしていく事例になりたいと考えています。実際にDX化した営業によって、トップセールスではなく若手メンバーでコロナ渦でも1.6倍に売り上げを増やすことができました。今後、中小企業にありがちなハイパフォーマー頼みな構造をなくして、小さな会社でもDXをサービスにしていくことができると証明します。

また、今後はBtoBからBtoCの施策に取り組みたいと考えています。具体的には採用活動において、新規で応募してきた人をMarketo Engageに登録しています。メールの開封、未開封によってアプローチの仕方を柔軟にすることができました。今後は過去のデータを活かしながらBtoCの領域の幅も広げていく予定です。



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