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映画『ホビット』EE版考察(二周目)

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主人公側から観てしまうと分かりにくい裏ストーリーを主観的合理性とリアリズム(IR)の観点から掘り下げる。全11回。考察一周目⇒ https://www.nicovideo.jp/… もっと読む
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#スランドゥイル

#10 ガンダルフと呼ぶレゴラス ミスランディアと呼ぶスランドゥイル──その情報はいつ?誰から?どうやって?

全てが終わって冷静になった時、レゴラスはやっと自分がやり過ぎてしまったことに気付いたところから第10回目。 【拙訳】 レゴラス「森へは戻れません」 タウリエルが追放なら自分も同罪であるとね。そして国王にその息子を追放させるようなことはしなかった。あくまで自分が先に王子としてレゴラスというエルフを追放した(そういう権限があるかは別として)。父にとって自分がどれだけ大切な存在かよくよく知っていたから。 【拙訳】 レゴラス「父上に伝えてくれ。タウリエルに居場所がない国なら、私

#7 なぜ“黒い矢”は必要だったのか──スランドゥイルの虎の尾を踏んだギリオン

そんなわけで、ルールに従って淡々と掘り下げていくと、ちゃんと矛盾なく収まる。つまり弩砲(”風切り弓”と”黒い矢”)以外にも竜を倒す方法はある。 でも真似したくはない。 第7回目はじゃあ"黒い矢"の意義は何なのさ?ってとこ掘り下げてくよ。 そもそも”エレボール”こそ自国にバリスタを配備すればよかったよね。なのにバリスタは”デイル”にしかなく、ドワーフたちは剣や槍といった近接武器だけで対峙してた。「ウロコは現存するどんな鎧よりも硬い」と知っていたはずなのに。では逆にデイルが

#1 何故スランドゥイルはエレボールを助けなかったか──前回言及しなかった最初に戻り考察二周目を始める

※映画『ホビット』EE版(エクステンデットエディション版)の考察です。劇場公開版の方ではありませんので注意! 読者が映画視聴済みであることを前提に執筆しています。 今回は、ここnoteで考察の第二段を語っていきます。 前回の考察では、首飾り”ラスガレンの白い宝石”を中心に、エルフ王スランドゥイルを掘り下げ、主人公側から観てしまうと気がつきにくい、スランドゥイル側の親子の物語を示しました。 前回の考察『スランドゥイルの首飾り』(※以下:考察一周目) この考察一周目では一