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薬剤オタクも良いけれど

前回書いたコチラの記事に
近しい同業者から反応があって
「皆それぞれ美学があって面白いなぁ」と
感じた次第です


さて、今日はもう一つ
前回の話しと少し近いですが
「1番大事にしてるのはどこ?」って話しです

先日お客様から、高齢のお母さんが
中々美容室へ行けないから
白髪を染めたいのだけど薬剤を
譲ってくれないか?と、相談されました

まあそれ自体は珍しくないと言うか
そりゃ、高齢のお母さんを染めてあげたいと言う
優しい娘or息子が相談する相手は
我々が1番最適ですし
今はサロンカラーの合間に使える
「インターバル何とか」って薬もありますからね

で、お母様の写真を見せて頂いて
髪色に合うレベルのカラーを選んで…と
そこでお客様から「やっぱり美容室のカラーで染めると全然違うのかしら?」と言うセリフが…

「そりゃ違いますよー」なんて
軽口叩いて応えながら、ふと思ったんです
「カラーが良いんじゃなくて
お母様に合ったレベルを選んで
キチンと塗布してキチンと放置時間を守って
そこで初めて良い仕上がりですよ」と
伝えねばならないと


誤解を恐れずに言うと
「僕が市販のカラー剤を使った方が」
「素人さんがプロフェッショナル用カラーを
使うよりも」キレイにダメージ無く
染める自信があると言う事です

だって、塗布するスピード、最適な
放置時間の僕と
カラーを混ぜてからオタオタしながら染めて
挙句の果てに「しっかり置くと良く染まると
思って30分以上テレビ観たり食器洗ってた」
なんて事を言ったりする素人さんの
カラーテクとでは、比べるまでも無いですよね

視点を変えれば
プロの料理人がスーパーの安売りの食材
僕が生産者こだわりの食材
「よーいドン」って何かの料理を作っても
絶対に勝てないと思うんですよ
食材の切り方、最適な火の通し方etc
食材1つを取り出して食べれば
もしかしたら素材の良さで違うかもしれませんが
皿に盛られた料理の完成度で
勝てるとは思えません

富士スピードウェイでフェラーリや
ポルシェに乗った僕が
カローラに乗ったF1ドライバーに勝てるのか?
それだって絶対に無理です
コーナー手前の減速・ブレーキングテク
ありとあらゆる場面でことごとく
マシン性能を上回るドライバーの性能差が
露わになる一方だと思います

結局何が言いたいの?って所は
カラーやパーマは薬の値段や良し悪しでは無く
「この人は〜だから補色入れて」とか
「褪色してもキレイな様に少し〜して」とか
そのカラー剤のどのレベル・色味を使って
染めるのか?それを決める美容師の
知識と経験値・テクニックに価値がある訳で
「○○カラー」とか「どこどこのカラー」で
カラーしてます!と言う事が
本質では無いんじゃないかな?って事です

勿論、今のカラー剤よりも科学が進歩して
より良い薬を模索する事は大事ですけどね

1番根っこの部分は忘れない様にしたいですね

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