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薬剤の良い所を見る

僕に言われるまでもなく
「人の悪い面より良い面を見ましょう」って
言葉がありますよね
薬剤もそうなんじゃないのかな?って話しです

美容師なら「分かるーっ!」ってなると
思いますけど、美容師が数人集まると
必ず出る話題「カラーとか薬剤どこの使ってる?」と言うセリフ

まあ、それ自体は探究心の現れで
非常に良い事なんですが
大抵の場合はどこそこのメーカーの
ここがイマイチ…みたいな会話に
なりがちなんですよね

少し視点を変えて、「この薬はどんなユーザーを
ターゲットにしてるのか?」と言う様に
考えると、もっと視野が広がるんじゃないかな?

例えば凄く彩度が高い色味が出る
カラーがあったとしますね

直接染料ならではの発色のカラーを
「○○のカラー、ビビッドな色味が出やすくて
良いよね」って言う
美容師仲間が居たら、僕はきっと
「へー、それは凄いね。
でも僕の顧客は年齢的・テイスト的にも
彩度が高い色よりも自然で上質なブラウンが
ベースのカラーを出して欲しかったなぁ」と
言うと思うんですね

この様に美容師の顧客によって
求める薬剤の方向性が違う訳です
だから薬剤のネガティブな面を考えるよりも
「あ、この薬剤はこんな客層に向けて
作って来ているんだな」と、メーカーの
意図を汲んで考えられる美容師の方が
薬剤を使いこなす事が出来るのでは
ないのかな?

表裏一体と言う言葉の通り
良い面は裏から見たらネガティブな面かもしれません
「毛先までしっかりリッジが出る」パーマ剤は
裏を返せばお客様が自宅でのブローで
自然な毛流れを再現しにくいかもしれないし

「しっかり伸びるストレート剤」は
髪が細くなって来た世代に
「クセが伸びたのは良いけど
ボリュームなくなり過ぎ」と言う
違う悩みを生むかもしれない

「メーカーがどんな意図&エンドユーザー」を
意識して作って来た薬剤なのか?
新しい薬剤のサンプルを手にした時
自分の物差しだけでは無く
「どの層に刺そうとしてるのか?」
そこに着眼してみると
案外「イマイチな商品」って
そんなに無い様な気がします

だって、僕らが毎日
一生懸命お客様に満足してもらう為に
頑張って営業しているのと同じ様に
薬剤を開発してる人達もきっと
「あーでもないこーでもない」と
試行錯誤しながら作ってるんですから

「どの層に刺そうとしてるのか?」
そう考えて薬剤を使いこなして行く方が
美容師としての幅も広がると思いませんか?

薬剤の気に入らない点を上げるよりも
薬剤の良い部分を引き出す様に
施術をするにはどうしたら良いか?を
考えた方が、自分の技術力・提案力を
伸ばせる様になるのでは?と言うお話しでした

まあ、そこを突き詰めると
「何を使うかじゃなくて、誰が使うか?」と言う
身も蓋もない結論が待ち受けてるんですけどね


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