見出し画像

年齢±10

今日のタイトル±10
突然何の事?って思うかもしれませんが
これって美容師に限らずけっこう
当てはまるんじゃないかと…

僕が美容師としての歩みを
始めたのが16歳の時
サロンで働きながら通信制の美容学校へ
通う日々を送ってカラーやカットを
練習していた訳です

で、初めてお客様を担当したのが19歳の頃
記憶が確かなら上司のお客様の
子供さんが、初めて友達とか
親兄弟以外でお金を頂いて
カットをしたお客様だったと覚えてます


そこからお客様の子供さんを切りながら
自然とその子の学校の友達が
紹介で来てくれて、またその子が
紹介してくれると言う
学校コミュニティの連鎖です(笑)

でもコレって、今思い返すと
僕がたまたま16歳で美容師になって
少し同世代の仲間よりも早く
カットが出来る様になったからなのかな?
と、思い返すんですね

これが23-25位でスタイリストデビューしてたら
あの時の中学生・高校生のコミュニティで
「ウケて無かった」かもなと思います
あの時僕を指名してくれたり
紹介してくれた子達はきっと学校で
「あの美容室行ったらウチラと変わらない年のお兄さんが切ってくれた」とか
自分達の年齢と大して変わらない美容師が
自分達と同じノリで接客する事に
新鮮さと言うか、物珍しさを
感じてたんだと思うんですね
大学生のお客さんなんて
「自分よりも年下が切るなんて!」って
まるで「高校球児が年下だと気付いた19の夏」
みたいな反応してましたから

当時の僕に大した技術力なんて
無かったと思いますし、僕よりも上手くて
次回や先々も見据えたヘアスタイルの
提案をする先輩達がいるのに
僕が平日の夕方、放課後の時間になると
ティーンズが切りに来てくれてたのは
「ノリが近いお兄さんが切る」
この一点だけに魅力があったのでは無いかと

むしろその頃に学生のお客様が
「今度お母さん紹介するね」って
言われた時には心の底からビビってました(笑)
何故なら「大人の女性を満足させられる技術力」
なんて物は皆無でしたから
ちょっと考えればそりゃそうです
だって自分は19歳で、白髪の悩みや
トークにしたって、人生の酸いも甘いも
まだ経験してない子供ですからね
接客も技術力も無く、木剣で
ラスボスに立ち向かう様な物です


翻って26年後の今
サロンを変わりながらも数人は
その頃来てたお客様が来てくれてます
ルーズソックス履いてたあの子も
制服のパンツを腰履きしてた彼も
親になったりして今も来てくれてますが
彼や彼女の子供を切りながら言うんです

「この子が中・高校生になったら僕の所に来てたら駄目だよと」
何故なら僕はあの時の「若いノリの良い美容師」
では無くなっているからです
顧客の子供さん達には、子供達の
時代とセンスに合った美容師と出会って
あの頃の僕とルーズソックスで放課後に
ワチャワチャやってた事を
体験して、担当している美容師と
一緒に歳を重ねて行く事が素敵だよと

僕は今40過ぎた美容師として
40±10歳のお客様をメインの
ボリュームゾーンとして
白髪やコシの無くなった髪の悩みを
解決する事に注力する美容師になり
10年後も一緒に歳を重ねて
20年後にはその世代特有の悩みを
解決出来る美容師になる
それが理想と言うか、一つの完成形なのでは?

ここまで書いて、この事って
他の仕事にもあり得る事では無いかなと
思い当たりませんか?
服を買いに行けばアパレルの店員さん
カウンター越しに料理を頂きながら
何気ない会話を交わす飲食店
僕ならずっと通っているバイク屋の店員

僕個人の体験ですが、バイク屋は
初めて行った20歳の時
店員も若いしカスタムに来てる
お客さん達も若くてギラギラして
尖ってましたけど
今の僕があの時のバイク屋に足を
踏み入れたらきっと「あー、ちょっとヤンチャ過ぎて大人の僕に合うカスタム無理かもな」
って、判断すると思うんですね

そのお店で知り合った人達も皆等しく
歳を重ねて、今は落ち着いたカスタムで
バイクを嗜んでいますが
これって僕の美容師人生と同じく
お店が顧客と一緒に年齢を重ねた
好例だと思うんですね

皆さんも顧客の顔を思い浮かべてみて下さい

失客を繰り返して、ずっと新規の方を
集客しないといけない状態になると
サロンがターゲットにしている年代ばかり
来店されて「自分だけ年齢が上がっている」
なんて事になってませんか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?