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文学フリマ東京36レポ日記(お知らせあり)

5月21日(日)

文学フリマ東京36の日。6時前に目が覚めてしまったので、起き出してポップを作る。昨日も何往復もしたファミマに行って、ネットプリントでポップをカラー印刷する。昨日私が印刷して置き忘れていった「U-21 早乙女ぐりこ」という紙がコピー機にまだ残っていて、めちゃくちゃ恥ずかしかった。

家に帰ってカラー印刷したポップを厚紙に貼って切って、これで文フリの準備は完了。持ち物は何度も確認したので、余った時間に爪を塗ったり髪にアイロンをかけたり化粧をしたりする。
時間になったのでキャリーケース大小2つとマチ幅の広い紙袋とリュックを持って、エレベーターで一階に下りた。夜逃げか?

エントランスでしばらく待っているとT氏がやってきた。T氏に、今回持っていく本の種類と冊数が多くて搬入が厳しいと伝えたら手伝ってくれることになったのだ。「一瞬別の人かと思った」と言われて笑う。たしかに、T氏は普段髪をひっ詰めて全身ユニクロ黒づくめの仕事帰りの私しか見ていないから、ロングヘアをまっすぐ伸ばして肩に垂らして白地に薔薇柄のワンピースを着た女は別人だと思うでしょう。

山手線とモノレールを乗り継いでいざ、東京流通センターへ。文フリに出るのももう15回目くらいなのに、第一展示場と第二展示場を間違えるという超初歩的なミスをおかしつつ、無事第一展示場に到着した。入場待機の出展者の行列に、既に武塙さんが並んでいた。武塙さんは猫がシュノーケリングするTシャツを着ていてとても楽しそうだった。手を振って列の後ろに着く。

そして会場入りして設営開始。四冊の本を面陳で並べられる即売会ディスプレイ用のグッズをAmazonで購入したのだが、組み立てが面倒くさすぎてT氏に丸投げする。設営は武塙さんも手伝ってくれて、『三酒三様』ブースも私のブースも無事に完成した。

到着した浅沼さん、黒のワンピースに黒白ストライプの靴下がめちゃくちゃシックでかわいかった。そして設営の手際がよくてすごかった。
浅沼さんのお隣で『あつかんファン』を頒布するDJゆで太郎さんにもご挨拶。

設営が終わったので、フライングでどうしてもほしい本を買いに走ったりする。僕のマリさんの『いかれた慕情』(百万年書房)を宇宙最速で手に入れたのは私です。

そして開場時間を迎える。あっという間にお客さんがやってきて、気づいたら自分のブースの前に大行列ができていた。武塙さんもずっといてくれて、ふたりでお客さんの対応しているのに全然回らなくててんやわんや。いつも文フリのときはどんなお客さんとどんな話をして何を買ってくれたかノートに簡単にメモをしているのだけれど、今回はそんな時間はとてもなかった。以下、時系列めちゃくちゃだけど印象に残っていることを箇条書き。

・新刊『恋の遺影』について「久々に彼氏ができて浮かれていた日々の日記本です。なのになぜかタイトルが遺影になっています」と説明すると、みんな「あっ……(察し)」ってなるのが面白かった。

・浅沼さん武塙さんとの共著『三酒三様』、柿内正午さんがポットキャストで取り上げてくださったこともあって、たくさんの方に手に取っていただくことができた。柿内さんのスーツはおしゃれすぎた。

・野本有莉さんにお会いできて、noteで私の日記の紹介記事を書いて下さったことへのお礼を伝えられてよかった。野本さんの記事で私のことを知ってくださった方が何人もブースに来てくれた。

・元夫がブースに来て、半年ぶりの面会を果たした。武塙さんに「これが元夫です」と紹介した。まさかT氏と元夫を同日に人に紹介することがあるとは思わなかったよ。

・自分が着物を着るようになったので、すてきな着物でブースに来てくださる方を見るとにこにこしてしまった。私もいつか……着物で文フリに来たい……。

・羽織虫さんが「いも恋」というお菓子を差し入れしてくれた。武塙さんが狂喜していた(次の日食べたら本当にとてもおいしかった)。

・「恋のイエーイ」と言いまくっていたら、ノリのいいお客さんも「イエーイ」ってレスポンスしてくれて、多分私のところが会場で一番パリピなブースだったと思う(新刊遺影だけど)

・今回も、このnote日記を普段から読んで下さっている方が何人も来てくださった。『恋の遺影』の説明をしようとすると、みなさん一様に「ええ、ええ、よく知っていますとも……」みたいなかんじになるのが面白かった。日記の感想を伝えてくださるのもうれしいし、ネット上で読めるものを紙の本でもほしいと思ってもらえるのもすごくうれしかった。既刊や『三酒三様』も併せて買ってくださる方もいて、本当にありがとうございました。

・なっつさんの差し入れはいつもすてきで、今回いただいたタルティンというお菓子もとてもかわいかった。クルミッ子を初めて食べたのもなっつさんの差し入れだったな。お手紙もいただいてうれしかったです。

・武塙さんと浅沼さんが、『三酒三様』にサインを求められると、さらさらと書いていくのでとてもびっくりした。流れで私もサインを書いたのだけれど、ひとりだけおたおたしながらパチモンのような怪しいサインを錬成してしまった。サインも三者三様ということでご容赦ください。

・みーらさん広島からはるばるありがとうございます!おしゃれなジャムをいただいて、見たら私の大好きなナッツ味で運命を感じた。

・『東京一人酒日記』はたくさん持って行ったのだけれど、持って行った部数が少なかった『ごはん味噌汁卵焼き』『早稲女×三十歳』『だらしない』は早々に完売してしまった。買えなかった方ごめんなさい。

・ロッキーが来て、「はいこれ、今日もぐりこさんきっとハンカチ持っていないんだろうなと思って」と言って小さなペーパータオルをくれた。さすがロッキー、私のことわかってる!ありがとう!

・最初から最後まで人が絶えなくて、開場した後は気になっていたブースをほぼまったく回れず。本気で買い物代行を頼みたい……。

・大好きな漫画家さんが通りかかって「早乙女ぐりこさん?!」とブースに来てくださった。前にDMでやりとりしていただいたことがあって、そのときに文フリでお会いできたら……という話をしていたのだが、数年越しに叶った。『恋の遺影』を買ってくださいました。テンションが上がりすぎてすっかり挙動不審になってしまった。

・来場者数が多くて、たくさんの方がブースに来てくださるのは本当にありがたいのだけれど、毎回来てくださっている方と全然お話しできなくて心残りがある。半年分おしゃべりしたいのに。

・『三酒三様』について、「三人とも個人で酒の本を作っているのに、三人でも酒アンソロジーを作りました!(笑)」と説明していたのだけれど、これ、大事なことだな、としゃべりながら思った。飲酒も本づくりも、「一人じゃできないから三人でやる」のではなく、「一人でもやる。でも三人でもやってみた。なぜならどっちも楽しいから」という感覚。そういう感覚で、この三人で一緒に本を作れてよかったなあと改めて思った。

・六、七年前、早稲女同盟というサークルをやっていた頃に、ある方にDMで執筆依頼を送ったことがあった。そのときには返事が来なくて、ああ、ぶしつけに厚かましいお願いをしてしまったなあ、と反省して、そのことはすぐ忘れていた。なんとその方が今回ブースに来て「あの時期は何も書けなくてお返事できなかったのですが、今、こういう名前で文章を書いています」と伝えてくださった。執筆依頼をするくらい好きな文章を書いていた方が、書けない時期を経て、今また文章を書いていること、そしてそのことを私にわざわざ伝えにきてくれたことが本当に本当にうれしかった。
一緒に本を作ってきた友人や、同時期に文フリに出るようになった執筆仲間が書かなくなっていくことに、さみしさを覚えることが最近は多かった。けれど、こんなうれしいことがあるんだから私はずっと文フリに出続けてきてよかったなあと思った。

長い!箇条書きの意味!

撤収作業があほほど苦手なので、泣きそうになりながらてんやわんやしていたところ、浅沼さんと武塙さんとユークさんがてきぱきと手伝ってくださってありがたかった。三人とも後光がさして見えました。
『三酒三様』と個人本、新刊既刊併せて280冊くらい持ち込んだのですが、終わってみたら手元の残部が全部で十数冊しかなくて驚いた。キャリーケースが軽かったのでT氏を召喚したりしなくてすんだ。ユークさんが駅までキャリーケースを一つ持ってくださって優しかった。

成城石井で焼きそばを買って、帰って夢中で食べた。明日健康診断があるので、酒を飲みたいけれど我慢する。今晩はもう何もしないと決めていたので、さっと風呂に入って早々に寝た。

文フリから一週間経つけれど、まだ余韻が残っている。浅沼さん、武塙さん、そしてブースに来てお話ししたり本を買ってくださったみなさま、本当にありがとうございました。ずっと楽しくて幸せな一日でした。

『三酒三様』及び私の個人本のお取り扱いをご検討くださる書店さまは、以下のアドレスにご連絡ください。なお、『三酒三様』は在庫が少なくなってまいりましたので、お早めにご連絡いただけましたら幸いです。
・三酒三様 sanshusanyo@gmail.com
・早乙女ぐりこ glicosaotome@gmail.com


★最後にお知らせ★

百万年書房さんの「暮らし」レーベルから、私の本を出版していただくことになりました。同レーベルから5月29日発売の、僕のマリさんの『いかれた慕情』末尾の「続刊予定」のところに私の名前が載っています。

いつも応援してくださっている方、私の本やnote日記を読んでくださっている方に最初にご報告したくて、ここに書くことにしました(そのうちツイートもします)。今、その本の原稿を書き進めているところです。最強最高の本をお届けできるように、全力で頑張ります。

あ、この日記はもちろん続けます。更新が滞っていますが、書き続けています。
いつもありがとうございます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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