推しが卒業発表した後の世界

10月18日(金)

仕事関係のお通夜に出て、同僚と献杯をし、家で飲み直すためにコンビニで缶チューハイとアメリカンドックを買って帰ってきて。

缶をぷしゅっとやりながらツイッターを開いたらそのニュースが目に飛び込んできた。

「カントリー・ガールズ 活動休止のお知らせ」。

私は今年9月1日に友人に連れられていったハロコンで、カントリー・ガールズ「夏色のパレット」を見て、他のユニットにはないその王道アイドル感にときめき、そして船木結さんの透明感とパフォーマンスに完全に魅了されたので、とても残念だけれども、今の状況だと仕方ないのかなあという気持ち。

だけど、その後に記されたメンバーの今後についての報告を読んで目の前が真っ暗になった。

船木結さんは「ハロー!プロジェクトから離れたところに自分の身を起き、ダンスを中心に学びながら自分の力を試したい」と自ら申し出て、「2020年3月をもってハロー!プロジェクト、アンジュルムを卒業、以降芸能活動を休止」するのだという。

どうして。
どうして船木さんが卒業しなければならないのか、アンジュルムのかっこいい曲でもカントリーのかわいさ全開の曲でもあんなに魅力的なパフォーマンスをする天性のアイドルみたいな彼女が、ハロプロの次期リーダーを目指すと言っていた彼女が、どうして卒業を選ぶのか。彼女が自分の意志でそれを選んだというのは本当なのか。何もわからなくて受け入れたくなさ過ぎて、何一つわからないのに「卒業」が発表されたことは事実なんだと受け入れざるを得なくて、そうしたら涙が出てきて止まらなくなった。

答え合わせのようにネットで検索すれば、卒業理由についてのいろんな推測があふれている。カントリーとアンジュルム、二つのグループを兼任することの大変さや、カントリーの進退についての運営の不誠実さや、今年三月に卒業したカントリー同期の梁川さんへの思いや。彼女と出会ったばかりの私には何もわからないし何も言えない。

私が、生で歌って踊る船木さんに出会ってから、たった一ヶ月半しか経っていない。好きになったばかりなんだよ。これからもっともっと彼女のことを知っていって、どんどん成長していく彼女を見守って、「やばいお金ない!」なんて言いながらもたくさんグッズを買って黄色やライトグリーンのペンライトを振って応援していくのだと思っていた。そうするつもりだった。ずっとその時間が続くわけじゃないのはわかってたつもりだったけど、来年三月までしかそれがかなわないなんて思ってもみなかった。つらすぎる。

だからいやだったんだ、アイドルにはまったりするの。今生の別れでもないのに、推しや運営の決断ひとつでこんな胸がちぎれそうな思いをするんだ。だから好きになりたくなかったんだ。

でもどうしても、「好きにならなきゃよかった」「出会わなきゃよかった」って思えない。

だって、この一ヶ月半、たった一ヶ月半だけど、めちゃめちゃ密度が濃くて楽しかったから。アイドルにのめりこんだことのない私が、自信を持って「この子がすごい!大好き!」って言えた初めてのアイドル。

毎日アンジュルムやカントリーの動画を見て、あっという間にハロの曲だけで何時間もヒトカラできるようになった。一人でリリイベに並んで握手した。「推しがいる幸せ」みたいな日記も書いた。写真集穴が空くほど見て、ブログを追いかけて。11月の単独コンサートも行くよ。

9月24日のラクーアでのリリイベのとき、後楽園駅について彼女たちの歌声が聞こえたとき、全力で走ったな。

そんな風に人を好きになれたことも、好きな人に向かって全力疾走できる自分を知れたことも、うれしかったな。

そんな風に私の生活と私自身を変えてくれた船木さんに、私はまだ何も返せてない。

来年三月まで、そしてその後会えなくなっても、彼女をめいっぱい推して、彼女の人生が幸せなものであるように祈り続けるしかない。ファンはいつだってそれしかできないのだ。

(※この日記を書いている時点で発表から丸一日経っているので少し前向きっぽいことも書いていますが、実際にはこの発表の日は全然気持ちの整理がつかないまま寝て、夜中も何度も起きて泣きました。日記とは。)

#日記 #エッセイ #アンジュルム #カントリーガールズ #船木結

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