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自分の殻を破っていきたい、タピオカにストローぶっさすみたいに気軽に。

7月15日(月)

昨日こんな事情で寝付きが悪かったので、たっぷり朝寝をし、近所のパン屋で日記を書いた後、池袋の美容院に行った。

メイコに紹介されたこの美容院も通い始めて早一年になる。担当してくれるMさんは仕事熱心で、伸びが異様に早い私の癖毛がちゃんとまとまるようなショートヘアを毎回真剣に考えて作ってくれる。彼女は切るのに集中するとこちらに一言も話しかけてこないこともあり、それはそれで居心地がいいのだが、今日は、「他人から見た自分のイメージをぶっ壊したい」という話で盛り上がった。明るいサバサバ系に見られるMさんは時折ひらひらしたワンピースや女子っぽいキラキラのヘアアクセを衝動買いすると言っていた。私は黒髪ロングにシフォンブラウスに台形ボックススカートみたいな格好をしていた若い頃、大人しい女子だと思われてとにかくなめられたので、その反動で髪をばっさり切り派手な色柄の服や「魔法使えそうな(とMさんが形容する)ごついフォルムのアクセサリーをし始めたらそれがすっかり自分に馴染んでしまって今にいたる。

テンション高めに「この後お出かけですかー?」と聞かれたので、「メイコともう一人の友達と遊ぶの!」と同じテンションで答えたら「ほんとに仲いいっすねー!」と驚かれ(たしかに我々は美容院に行くのと同じかそれ以上の頻度で遊んでいる)、なぜかいつもより入念にスタイリングをしてくれた。

合わせ鏡で見せてもらった新しい私の後頭部は、今にも表面の殻がぱりんと割れて何かが飛び出てくるんじゃないかと思うほど、つやつやできれいな卵形をしていた。

癖毛大爆発のこの長い長い梅雨がもうすぐ終わって、すてきな夏が始まるような、そんな予感がして気持ちがわくわくした。

軽く昼ごはんをすませて、池袋駅西口で友人二人、メイコとロッキーと待ち合わせる。今日はタピオカミルクティーを飲みに行くのだ。

「池袋 タピオカ」で検索すると池袋エリアおすすめタピオカ23選だの11選だのというサイトがヒットしてしまう。そんなたくさんの中からタピオカビギナーの我々が適切な店をえらべるわけもなく、虎柄スカートを履きこなすメイコと山月記クラスタの私の希望でタピオカドリンク屋「虎騎士」に向かうことになった。

↑ロゴは力強そうだが、なんでタピオカ屋が虎で騎士なのか。すべては謎に包まれている。

並ぶこと約20分、会計後出来上がりを待つこと5分。ついにタピオカドリンクが我々の目の前に現れる。↓

ロッキーは黒糖タピオカミルクティー、私はジャスミン黒糖タピオカミルクティーにした。

メニューを見て気になりすぎた「盆栽タピオカミルクティー」は、メイコに「これ頼むっきゃないっしょ!!」と言って押しつけた、否お譲りしたのだが、こんなかんじ↓でした。なるほど盆栽。

ぶっといストローを注射針のように蓋にぶっさすのが面白かった。メイコがストローぶっさした瞬間に盆栽の葉っぱがストローの圧に負けてタピオカの海に沈んで一気に緑のない不毛地帯と化したのも面白かった。

タピオカをぎゅんぎゅん吸い上げながら雨上がりの池袋を歩いていたら、いつもは腹立たしい人混みも信号待ちも、なんだかどうでもよくなった。

さて、私の飲み物の好みについてはこの日記に書いた。この日記を受けてメイコも同じテーマで記事をアップしている。仲良しだね。

かつて私はいつだって、私が冷たい飲み物も甘い飲み物も飲まないことをよく理解して、黙っていてもホットコーヒーを注文してくれる男の人に側にいてほしかった。だけど今は、私の飲み物の好みを知っていながら、面白がって「タピオカミルクティー飲みに行こうよ!!」って誘ってくれる友人たちと一緒にいる時間をかけがえのないものに感じている。

正直な話、上記の二文を書きたいという下心で、私はメイコとロッキーのタピオカ屋行きに同行したのだ。しかし予想外にホット/アイスと砂糖の量が選べたので、「ジャスミン黒糖タピオカミルクティーのホット、無糖で」という全く冒険しないメニュー選択をしてしまった。せっかくのチャンスだったのに自分を変える気ゼロ! 頭固くていつまでも自分ルールに縛られているつまんない野郎!
タピオカにストローぶっさすみたいに、気軽に勢いよく自分の殻を破っていけたらいいのにね。

いやでもタピオカ自体に黒糖が入っていて、飲み物が無糖でもかなり甘かったから許してほしい。それにしても「黒糖タピオカミルクティーの無糖」とは、白いブラックサンダーばりに矛盾を孕んだ存在であることだ。

タピオカを最後の一粒まで吸い込んで、途中でジュンク堂書店に寄ってから東口にある串揚げ屋に向かった。クーポンで一人一杯無料になるハイボールはやたらと甘かったので、ちょっと飲んだ後にロッキーにあげた。やっぱり甘い飲み物無理。メイコもロッキーにあげていたので、ロッキーは無料のハイボールを三杯飲んだ。

今日も色々なことを厄年や大殺界のせいにしながら会話をしたのだが、なんと、ポメラでは「大殺界」も「天中殺」も一発変換できなかった。

ポメラの世界には大殺界が存在しないらしい。優しい世界。一生ポメラについていくよ。

#日記 #タピオカ #虎騎士 #ハイボール #串揚げ

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