自分に興味なかったら日記書いてないし、あなたに私のこと知ってほしいと思わなかったら公開してないし。

ベッドなうですが、ポメラたんは膝の上に置いてても快適に使えますね。パソコンのように発熱したり大きな音立てたりしないし、いい距離感で付き合っていけそうです。
さて昨日の日記から始めよう。

7月6日(土)

しゃんぶるぶらんしゅという同人サークルを一緒にやっているメイコと、秋の文フリで出す新刊の編集会議のために渋谷宇田川のカフェ・アンドピープルへ。私はバターニョッキ、メイコはリゾットを頼んだのだけれど、ニョッキは目視で数えられるくらいの量しかなく(二十粒くらい)、少食のメイコでさえリゾットちょっと足りないかも、と言っていた。渋谷女子はきっと主食ではなくスタバとタピオカでカロリーを摂取しているのだ。

はしごカフェして美味しいコーヒーを飲みおやつを食べようという話になり、代々木方面に歩いてアメリカンな香りのするRoasted COFFEEへ。
バーのような高い椅子によじ登り、お互いが書いている新刊用の原稿を見せ合う。新刊のテーマは「コスメ・ファッション」で、ごく短いエッセイや小説やコスメレビューなんかをたくさん載せるつもりだ。私が書いている短編小説は「女の子は笑顔がお化粧なんだから外見を取り繕う必要なんかないのよ」と母親に言われて育った女の子が大人になったら、という話。メイクやおしゃれの楽しみを伝える本にしたいのにかなり雲行きが怪しいストーリー展開になっていたので、これもうラスト渡辺直美が主人公の夢に出てくるしかないな! などと言い合った。

紙コップを覆うプラスチックの蓋のちいさな穴からホットコーヒーをすすっていた私を見て、メイコが思い出したように言った。
「あれ、ぐりちゃんコーヒーにお砂糖入れないんだっけ」
私は驚いて、コーヒーも紅茶も無糖だよ、ジュースも甘い酒も飲まないし、と言った。それは同世代女性の平均よりかなり多く飲み食いする自覚のある私にとってはすでに自分の一部のようになっている決まり事だったので、しょっちゅう一緒にお茶や食事をしているメイコが知らなかったことに驚いたのだ。
これだけ長く一緒にいても、お互い知らないことがきっとまだまだたくさんあるね、と笑い合う。

そのとき思い出したのは、何年か前の真夏の暑い日に当時の夫と最寄り駅近くのエクセルシオールに入ったとき、コーヒーの注文を夫に任せて席取りをして待っていたら、彼がアイスコーヒーを二つ手に持ってきたことだった。
「私いつもホットじゃん!」と訴えると、「こんな暑いのにホットコーヒー飲む人がいるなんて思わなかった」と言われた。
暑い日だって店内はがんがん冷房効いてるんだから、氷の入った冷たい飲み物なんて飲めない、としばらく不機嫌なままでいたように記憶している。結局この人は私のことなんて1ミリも興味がないんだ、そう思って絶望していた。

そういえば、つい最近も私、親しくしている男の人に今やっているAの仕事の話を何度もしているのに「Bの仕事どう?」って何回も何回も訊かれることに腹立てたな。人の話聞いてないの? それとも私のことどうでもいいの? って。口には出さなかったけれど。
女友達とならなんでもなく笑い合えることが、なんで恋愛対象の相手(になりそうな人含む)だと許せないんだろう。
なんで相手が自分のことを全部知って理解してくれて当たり前だと思いこんでいるんだろう。
自分だって相手について、知ろうとも理解しようともしていないことなんかきっと星の数ほどあるのに。
思春期でもないのに自分自分自分自分のことばかりで恥ずかしい。まあ、自分に興味がなかったら、自分を知ってほしいわかってほしいと思わない人間だったら、エッセイ売ったり日記公開したりしないもんなあ、とも思うけれど、恋愛対象にそれを強く求めてしまうのは自立できていないかんじがするので何とかしたい。

メイコも私も夜は別の予定があったので、渋谷のビックカメラをはしごしてポメラを探した(ほしい機種がなかったので諦めた)後、ヒカリエでちょっと買い物をして別れた。

日記を読んでくださってありがとうございます。サポートは文学フリマ東京で頒布する同人誌の製作(+お酒とサウナ)に使わせていただきます。