夏の祭りのこと

吹雪の中で雪かきをしながら。夏に。なぜあの祭りが行われてきたのかを唐突に理解する。どのようにして発生し、どのようにして形を変えていったか。血が交わり世代が変わっていくごとに。脈々と。精霊送りと呼ぶには荒々しすぎる祭り。武者や鬼を模した極彩色の巨大な灯篭。最後には海に流される灯り。(流し雛、のことも思い出した)


同じ掛け声を繰り返し、トランス状態の若者が笛の音と共に踏み鳴らす舞踏。同時に体につけた大きな鈴の音がいつまでも鳴り響く。歓声。輝かんばかりの暴力的な生命力が、土地に染み込んだ呪いをも踏みしめていく。それは、地霊と先祖をなだめる、ということ同じことでもある。先人はきっとそれを知っていたのだ。知らなくとも、どこかで気づいていたから、この形になったのだ。


荒々しい風土、地の中を走る龍、アフリカの人々が太鼓の音と共に踊るように、暴力的なエネルギーを地霊と先祖のなぐさめとするために。あれはシャーマンの舞踏だったのだ。