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電気通信シーラカンス【日記:2023/3/29】

先日散歩をしていたら、ものすごく古びた電話ボックスを見つけました。
すっかり色あせているばかりか、液晶画面がダメになっており文字の判読すら難しい状態になっている、多分数十年物の逸品です。、

公衆電話と言えば緑のイメージですが、赤や青、グレーなど他の色もあるらしい
これはグレー電話と呼ばれるISDN回線を使った電話。
ちょっとレアもの?

普通ここまで壊れたら、保守や交換をされると思うのですが、
削減を進める公衆電話にそんな費用をかける気は恐らくないのでしょう。
置いてある場所も駅前や商業施設前でもなく、その辺の道路の脇という微妙な位置なのでより優先度は低そうです。

公衆電話についてちょっと調べてみると、こんな記事が出てきました。
やはりというべきか、公衆電話の削減についての話。
2022年当時、10万9千台ある公衆電話を2031年までに3万台まで減らすという計画が発表されたらしいです。
近年では、公衆電話=レトロのアイコンにすらなっているので、まあ当然と言うべきか、むしろまだそんなに数があったと驚くべきか。
生活をしていて使う場面も、誰かが使っている場面もほとんど見かけませんし、ほとんど酒の空き缶捨て場になっているので減らす方が賢明でしょう。

公衆電話の設置数のピークは1993年で、当時は93万台以上が日本に置かれていたというのに、栄枯盛衰は早いものです。
今後も災害時の連絡手段などのため、一定数は残されていくと思われますが、いつか街中でこの黄緑色を見かけることはなくなるのかもしれません。
別にそれで何かが困ったことがあったり、生き方が変わったりはしませんが、一つの文化の終わりには少し寂しい気分になります。

あの古びた灰色の彼は、いつまで生き残っていられるのでしょうか?
きっと撤去リストの上位でしょうし、1年もしないうちにいなくなっていそうです。そこから消えても多分誰も気が付かない。
でもそれはちょっと寂しいので、またいずれ散歩がてら様子を見に行こうかなと思います。
来年の桜が咲くまで、彼がそこにいられたらお祝いに電話でもかけてあげようかな。まあかける相手がいないから、自分のスマホに掛けるだけになりそうだけど……
他人の心配をする前に自分の心配をしたほうが良いぞ、無職ぼっち野郎。


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