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最近読んだ本紹介【日記:2023/7/13】

①ゲーム理論の入門の入門

囚人のジレンマなどで有名な経済学理論である
「ゲーム理論」の基礎について解説してくれる本です。
”入門の入門”の銘には反することなく、初心者向けにちゃんと分かりやすく説明してくれてかなり好印象でした。
今まで、なんとなく雰囲気で読んできたギャンブル漫画の見方が少し変わった気がします。正直、いつも誰がどう有利で、どうやって逆転したのかとかよく分からず、ノリと顔芸ばっかり追ってたからね……
オリジナルゲームをやるタイプのギャンブル漫画の主人公、イカれた博徒の横で驚く役ができるだけでも実際結構すごい。一回聞いただけのオリジナルゲームの戦況判断なんて、一般人には普通出来ないから。
もしかして、そういう塾とかに通ってた?

②ヒカルの碁

実は、アニメOPの「Get Over」はYoutubeでよく聞くものの、原作をちゃんと読んだことがなかったので、先日漫画喫茶で全巻履修してきました。
意外と短く、そして意外と佐威の出番が少ないのが驚きでしたね……
結局、読破しても囲碁のルールは一個も分かっていませんが、とても面白かったです。
……やっぱり好きだな、メンタルスポーツ系の作品。
絵的な派手さがなく、そして世間的な栄誉の大きさが小さい分、より本質的に人間の心の深奥が描かれているような気がして。
数学で解くことが原理的には可能な、「二人零和有限確定完全情報ゲーム」の中でこそ、それが見て取れてくるというのはなんとも皮肉な話ですけどね。

③シティガール未満

『絶対に終電を逃さない女』という方が書いたエッセイ本。
個人的にですが、どうにも気分が落ち込んでしょうがない時に読むなら、エッセイ本が一番いいと思います。
大抵、精神が乱れている時というのは、今の自分の行動に自信が持てずに迷いと無為さを感じている時だから。関係ない人生の話を聞くと、視野が広がるし落ち着く気がします。
そういう意味で、読むんだったら全然知らない人のエッセイ本を手に取ることをお勧めしますね。知っている人、尊敬する相手だと、冷静でいられなくなることが多いから。著者になるような人は大抵幼少から変な生き方をしているわけですが、自分にそれがないと嫉妬してしまうものです。
目指している業界や求める技術は違うけれど、なんとなく波長が合いそうというぐらいの人が丁度いい。本をパラパラ捲って、なんかいい感じの文章だったら買ってみる、そういうギャンブルをたまにはしてみると、人生がより豊かになるかもしれません。

この本は、冒頭を軽く捲ってみてこんな感じだったので、
「性格悪くて最高」と思ったので購入させて頂きました。

④葉

個人的に、太宰治の作品の中でもひときわ太宰治感があって一番好きです。
どんな感じ?と問われると、中々説明に窮する構造をしているのですが、
端的に言えば「太宰のメモ帳をそのまま本にした」という風体。
よくある本のようにまとまった文章がある訳ではなく、詩やエッセイ・小説など様々な形式の断章集なので、詳しい経緯はともかくとして雰囲気としてはそんな感じです。
太宰の作品の中では比較的マイナーな方かとは思いますが、彼の死生観や生活の様子がどことなく透けて見えて文学的。なんとなく、自殺というものの是非について考えさせられるような気がする。
自殺という物がいいか、悪いか、私には判断がつきませんが、少なくとも太宰は「自殺とは処世術みたいな打算的なもの」と考えていた時期があったようです。玉川上水で果てる寸前、彼は一体どんなことを考えていたんでしょうか?善悪の話はともかくとして、その刹那、彼が満足して果てたことをせめて祈りたい。

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