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劇場版名探偵コナン 黒鉄の魚影を見てきたので感想を言う(ネタバレあり)【日記:2023/4/18】

めちゃくちゃ売れてるみたいですね、「劇場版名探偵コナン 黒鉄の魚影」。
ここ数年のコナン映画の躍進と言えば大したもんで、ほとんど毎年新記録を出している様子。これなら夢の興行収入100億円もすぐ突破しそうですね。
ファンが増えていることは、素直に喜ばしいことです。
ただ、売れているものが良いものとは限らない。少なくとも私としては、
今作の出来はあまり満足できるものではありませんでした。

なんというか、全体的に中途半端で表層的な印象があり、この作品のこういうシーンが良かったとか、キャラが良かったとか、加点できる要素があんまりなく感じてしまったんですよね。
さすがにアクションシーンには気合が入っていますが、その心情的背景が弱いため、単に派手だな、金かかってそうだなと思うにとどまり、感動したとか、数年後も記憶に残っているという感じではなし。
コナンと灰原のカップリングというところではファンサービスの色が見えますが、それも少々空回りしている印象。
「絶対守ってやる!」という台詞や人工呼吸でキスするシーンなど、絵面としては良いシーンなのですが、言うほどコナンが灰原を守れていない。
映画全体を通して受動的、キールやベルモットなど黒の組織側の人間のサポートのおかげで何とか難を逃れる流れになっており、消化不良でカタルシスの薄いシナリオ運びとなってしまっていると感じられます。

ミステリー面も本作は特に弱く、20作目同じ黒の組織関連の話であった
「純黒の悪夢」を除けば恐らく一番推理要素が少ない作品だと思います。
黒の組織関連の話なので、一般的な事件解決はカットでもよかったと思うのですが、何故あえて入れたのか……正直かなり取って付けたような内容で、この分の尺を他に回すべきだったと感じざるを得ませんでした。

あまり批判ばかり言うべきではないのでしょうが、キャラクター面に関してもかなり違和感が大きかったです。
映画オリジナルの組織構成員「PINGA」は小物のチンピラという印象で、登場させた意味があったのか疑問。「漆黒の追跡者」のアイリッシュの様に敵ながら信念を感じさせるわけでもなく、「純黒の悪夢」のキュラソーの様にドラマ性を生むわけでもないですし……
他の組織構成員についても、動きにあまり納得感がない。
特にジン。よくTwitterなどではジンニキなどと呼ばれ、アホの子扱いされていますが、さすがにそろそろ冗談でなくなってきた。
今までは不注意や物忘れ程度だったが、疑わしきは罰せよの原則を忘れるのはキャラクター性としてどうなのだろうか。私の理解が浅いのかもしれないが、一度限りなく黒に近づいた人間がいて、白かもしれないとなっても殺せるならとりあえず殺しておくのがジンだと私は思っていたのでちょっと解釈違い。

さすがに「最近の劇場版コナンはアクションばっかりで、推理とか人間ドラマがおろそかにされている~」なんて言うのは懐古厨染みているので控えますが、少なくとも今作に関してはもう少しコンパクトにして選択と集中を測って欲しかったなというのが正直な感想です。
PV段階でのワクワク感が大きかっただけ、ちょっとだけ残念。
潜水艦に乗り込んで助け出しに行くのかな、とか想像してたんですけど、
よくよく考えてみたらそれもう”探偵”じゃなくて、”特殊部隊”かなんかですね。これだけ映画やってるから、規模を派手に派手にしないといけないんでしょうが、そうすると探偵ものから遠ざかるのはジレンマかな。
以上、そんな感じの感想でした。

もし楽しんでいた方が、私の感想を見て不快に思われたのでしたら申し訳ありません。あくまで私個人の感想であり、世間や他の見た方が感じたものが間違っているなどと言うつもりはありません。
ただ、自分の感性は曲げないで生きてきたいものだ、とそう思っているだけですから。


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