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思い出のノベルゲームの話×6【日記:2023/2/26】

先日、『サクラノ刻』というゲームが発売しました。
いわゆるエロゲ、R18のビジュアルノベルゲームで、2015年に発売した
『サクラノ詩』というゲームの続編
です。
前作から約8年、ため込んだ期待感を全て放出し、徹夜でプレイしました。
ここまで熱中したのは久しぶりでしたが、それに恥じない名作だと思います。
だから早く感想を書きたい、と思うのだが、前作『サクラノ詩』以上に難解な話だったので、すぐにまともな感想が書けそうにない。

だから、代わりといってはなんですが、個人的にとても気に入っている、
思い出のエロゲの話を今日はいくつかしようと思います。

1.サクラノ詩

今までやったことがあるエロゲの中では、1位2位を争うお気に入り作品。
絵画と美を題材にしており、哲学や芸術論、文学などの引用が多く難解なのですが、同時に強いカタルシスもありエンタメとして非常に優れています。
オスカー・ワイルドの『幸福の王子』もルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』もこの作品きっかけで触れました。
前述の通り、本作の題材は絵画なのですが、ストーリー展開としてはむしろスポコンに近いのかなと思います。
主人公の元天才画家と、その周りの人々が芸術・美という物を通して、魂を熱くして、命を懸けてそれに取り組んでいく。
ルールが明確に決まっており、数字で特典が積み上がっていく多くのスポーツと違い、美に明確な基準はありませんから、その分話も難しくなっているのですが、芯には熱い戦士たちの魂の戦いがあります。
芸術とエンタメは非常に近い存在でありますから、本作が指し示してくれる芸術論、才能への向かい合い方など、そう言う意味でもとても参考になる作品です。
ちなみに、好きなキャラは主人公草薙直哉とサブキャラの長山香奈。

2.Rewite

有名ブランドKeyから発売され、同ブランドとして珍しいバトルものということもあり、賛否両論な本作ですが、私は1位2位を争う程好きな作品です。
ジャンルとしては、前述の通りバトルもの×セカイ系といった感じ。
世界を破滅させる力を持つ『鍵』という存在と、それを巡って争う2組織の抗争、そしてそれに巻き込まれる主人公がどう立ち回るかを描いています。
こういうシナリオなので、結構中二的で殺し殺されもある殺伐展開も多く、元々のKeyファンには受け入れがたい人もいたようですが、それをあまりあった名作。
本作の根底にあるのは、生という物、人類という物に対する絶対的な肯定です。生きようとする意思の輝き、その美しさ、主人公「天王寺瑚太朗」の人生を通して、そういったものが見て取れます。
私が、死や滅亡を好きになったのは、多分本作がきっかけ。
終わるときこそ、人の真なる魂が現れる。
死を前にしても変わらない信念、そんな人間に私もなりたい。

3.終のステラ

「Rewite」に続けてKeyより2作品目。非R18。
本作はKeyの提唱するキネティックノベルというシリーズの作品で、他のKey作品よりも短く、低価格なのが特徴。
7時間程度のボリュームでCG、サウンド、ボイス、OPなどが入っている。
一般のハードカバー小説とさほど変わらない価格だというのに、大盤振る舞いです。もしノベルゲームやったことない人がいたら、今日の紹介の中では一番のおススメです。
ポストアポカリプス世界を舞台としたバディもので、運び屋の主人公が謎のアンドロイドの少女を依頼人の元まで運ぶ旅を描くシナリオ。
無垢な少女に対し、クールぶっている主人公が段々と絆されていき、父のような感情を次第に抱いていくという、割と王道な展開ですが、グラフィックやサウンド面のクオリティが高く、純粋に面白いといった印象です。
余計なキャラクターがほとんど出てこず、しっかりとメインの二人に焦点が当たり続けるのもいいですね。
また、余談ですが本作のライターは「田中ロミオ」先生といい、Rewiteのメインライターと同じ方。どちらかが好きな方はもう片方も楽しめるでしょう。
彼が書くシナリオは、生きるということの肯定、孤独の肯定、そういったものに満ち溢れている気がしてとても好きです。
誰かが、自分を引き継いでくれる、これ程嬉しいことはないですね。

4.月に寄り添う乙女の作法

今までの3作品とは違った方向性ですが、とてもお気に入りで影響を受けた作品です。
前述の3作品は、どちらかといえばシナリオやテーマ性という部分が好きなのですが、本作はキャラあるいはキャラ属性、関係性という部分が非常に刺さりました。
本作はいわゆる、女装主人公ものであり、主従ものというジャンル。
名門財閥で妾の子として生まれた主人公が、尊敬する人物が経営する女学院に入るため、名門淑女たちのメイドという立場で入学を果たし、性別を隠しながら学園生活・メイド生活を送っていくのがあらすじです。
シナリオ的にはまあ良作ぐらいの評価な本作ですが、エロゲとしては破格で続編が5作品も発売されています。
その原動力になったのが、メインヒロインである「桜小路ルナ様」(画面右側の銀髪の少女)
努力する天才で、人柄も良く、クールだがおちゃめで、一見完璧に見えるが本当に仲良くなると弱い面も見せてくれる、そんな魅力が溢れすぎているルナ様は、エロゲ界の人気投票のようなもので、3年連続で1位を取り殿堂入りするほどの人気を見せました。ああ、ルナ様はなんて素晴らしい方なんだ…
勿論他のキャラも魅力あふれる人物が多く、主人公の小倉朝日(本名:大蔵遊星)なんかは、男なのに女性として完璧すぎて、性癖をぶっ壊された人も多いと聞きます。
可愛くてカッコいいのが、キャラとして最強だと私は思っているのですが、その哲学を持つきっかけになったのは本作。
女装男子って、男性的なカッコよさと女性的な可愛さの両方持てるから最強ですよね。

5.おおかみかくし

本当にただの思い出の話になりますが、多分この作品が自分にとって最初から二番目のノベルゲームです。故に非常に記憶に残っています。
ただ世間的な認知度はあまり…だと思うので、知らない人がほとんどほとんどでしょう。
本作は「ひぐらしのなく頃に」で有名な竜騎士07先生の作品で、彼の作品の例に漏れず、昭和の街が舞台。
サイコホラー、サスペンスホラー的な要素が強かった、ひぐらしやうみねこに比べると、田舎の因習とそれにまつわる悲劇、そして解決という面に重きが置かれており、ホラー要素や謎解き要素は少ない印象です。
シナリオ面は色々と批判も多く、確かにちょっと”ん?”となる点はあるのですが、ひぐらしやうみねこで培われた期待からの落差が大きく、決して悪い内容ではありません。むしろ雰囲気の美しさという点では、竜騎士作品でNo.1だと思います。
特に上記のメインビジュアルが最高です。
紅く光る大きな満月、身の丈程もある巨大な鎌、巫女のような神のような雰囲気を漂わせる衣装に銀髪、そして十字架と血液は得も言えぬ神秘性を放っています。今まで見た画像の中で一番美しい、と私は思います。
その他にも、ヴァイオリンの曲の旋律が儚げで寂しげで美しかったり、最高に美しいキスのCGがあったり色々あるのですが、思い出バイアスな気がするからこの辺りにしておきます。
まあ、何か機会があったら触ってみてくださいよ。

6. 77~beyond the Milky Way~

「おおかみかくし」と同時期にやっていた作品で、これまたただの思い出。
「おおかみかくし」は割と美少女ゲー感薄かったですが、本作はヒロイン10人で主人公以外の男性キャラはほぼ出てこないというギャルゲーど真ん中
あまり私は恋愛シミュレーションゲーム的な、ノベルゲームは好きではないのですが、本作は異様に記憶に残っています。
物語の舞台は天稜国際学園という空に浮かぶ特殊な学園で、知・力・運命という3つの塔(学科みたいなもの)が競い争っているという設定。
主人公はそんな学園の生徒会選挙に巻き込まれ、各塔に所属する少女たちに狙われ、やがて好意を寄せられるようになるという、かなりベタベタなストーリーなのですが、やたらと気に入ってるんですよね……
今、こういう作品を読むと、少し飛ばし気味で読みたくなるのですが、初めてのギャルゲーということで、親鳥的な感情が湧いているのかも。
ちなみにOPが超名曲。上松氏×榊原氏のタッグで非常にギャルゲらしい。


以上、6作品の話でした。
最近はノベルゲームをやる頻度も減ってしまいましたが、音と絵、そして文章を同時に摂取できるこの表現形式はお気に入りなので、廃れることなく続いて行って欲しいですね。
そのためにも、私ももっとやらないといけないのですが、やはり値段がネック。
終のステラぐらいのサイズ感の物を、3000円前後で出してくれたら、全然買うんですけどね。



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