ビジョンヘッダ2

ビジョンデザインに大事な5ステップ

ここ最近、TOYOTAの「コネクティッド・シティ」プロジェクト「Woven City」等のように、新しい事業やサービスを創っていく際、ビジョンをデザインして掲げていく方法に注目が集まっています。
経産省でも、ビジョン駆動型のアプローチの必要性がトピックとして挙げられていますね。

■ビジョン型のアプローチがより必要となる
(中略)
しかしながら、ビジネスや社会課題解決において、将来が不確定で、さまざまな領域を横断した思考が必要とされる現在、1つの具体化されたビジョン=あるべき姿を描き、人々が自律的にそこに向かっていくことで物事が成し遂げられるビジョン駆動型のアプローチ(レトロスペクティブなアプローチ)がより必要とされている。
第3回 高度デザイン人材育成研究会 討議資料 P9

グラグリッドでも、「こんな未来の社会を創ろう!」「社会と自分達の組織は、こんな関係でありたい」という、ビジョン駆動型のアプローチの実践を積み重ねてきました。
その中で今回は、ビジョンデザインに大事な観点を活かしたビジョンデザインのワークショッププロセスについてご紹介します!
(20名程度のチームで半日程度で実施するものです)

ステップ1:キーマンからのインプット

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・方向性を照らす【15分】
事業のキーマンの方に、会社として進みたい方向性、個人としての思いやストーリーもあわせて示していただきます。

ここで大事なのが、経営者の方や、事業のキーマンの方に心から語ってもらうという点です。会社や組織の「進みたい」方向性はもちろん、個としての葛藤や熱意を語ってもらうことで、参加しているメンバーの考えるフックを作ります。

ステップ2:個人でチームのビジョンを描き出す

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・「描き方」のレクチャー【10分】
・個人でチームのビジョンを描き出す【20分】

インプットの話をうけて、メタファーや抽象などの手法を用いて、ビジョンを個々人が描いていきます。

ステップ2では、「描く」という手法を用いて、「個」がイメージを深堀りし、広げていきます。

イメージを深掘りし、広げていくために、私たちはまずは言葉から考え、次に絵で描いて広げていくアプローチをとっています。
まず「未来のチームは〇〇のようだ」という言葉で表現し、その表現からメタファーを発想して描く(もしくは抽象画で描く)という流れです。
(上手下手に囚われず、自由に描くための方法を私たちはその場でレクチャーします!)

また、「個」が自分の内面と向き合って、じっくり描く環境を作るということも大事です。一人でじっくり考えられるよう、あえて会場の外に出て、自分が居心地のいいところを探して描いてもらうこともあります!


ステップ3:チームでのシェア、解釈、読み解き

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・「ききだし方」のレクチャー【5分】
・チーム内での共有、読み解き【40分】

4~8名のチーム内で、描いたビジョンを共有します。
共有された一人一人のビジョンをグループ内で質問しながら読み解きあい、一人一人の大事なキーワードを抽出していきます。

ステップ3では、描いたビジョンの絵を共有し、読み解きあっていきます。描いた絵を一人一人説明していく際、読み解きの質問をしあう際など、チームの誰かがビジョンの大事なキーワードを書きとっていくのがポイントです。
キーワードって、話しながらふっとでてくるものなのです!


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ビジョンの絵のまわりに、どんどんキーワードが収穫されていきます!

ステップ4:共通するビジョンのキーワードを紡ぐ

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・チーム間共有【10分】
チームの成果を全体へ共有します

・鑑賞会【10分】
全員で絵を鑑賞し、一人一人がふせんに、発見や気になった点を収穫します

・全体対話【30分】
ファシリテーターが共通点を見出しながら、対話を深め、ビジョンにいきるキーワードからビジョンを紡ぎます

ステップ4では、全員で描かれた絵を鑑賞しながら、全体でビジョンにいきる大事なキーワードを抽出していきます。
チームを超えて、共通点や、大事にしたいことが見えてきます。

ステップ5:ビジョンのグラフィックを描くのと同時に、ステートメントの文を研ぎ澄まし、全員が納得できる形へ!

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・ビジョングラフィックのラフ共有【10分】
ステップ4で紡がれたキーワードがともにある世界観を、ビジュアルファシリテーターがラフで数パターン描きだし、全体へ共有します。

・ビジョングラフィックのラフを土台に対話【20分】
ラフ絵をベースに、ビジョンのイメージを全員でブラッシュアップし、収束します。

・精緻化
その後、ビジュアルファシリテーターがグラフィックを描き、全体へ共有します。(ワークショップ内で仕上げることもあれば、後日デジタルデータで納品することもあります)

ステップ5は、いよいよビジョンのグラフィック、そしてステートメントを研ぎ澄ましていきます。

まずは、ステップ4で紡がれたキーワードをもとに、ビジュアルファシリテーターがビジョンのグラフィックのラフ案を、複数描いていきます。視点、関係性の捉え方や描き方、メタファー、世界観、社内や社外で伝えるストーリー。切り口は様々です。
同時に、キーワードを紡いだステートメントの骨子もできていきます。

複数の切り口の絵があることで、「これが私たちのイメージに近い!」と参加者が話し合える土台を作ることができます。
(ここを複数の切り口で、しかもプロジェクトの目的に資するものを描けるるのは、プロのビジュアルファシリテーターならでは!)

そしてラフ案を、描きながらブラッシュアップ。
同時にキーワードを紡いだステートメントの文章も一緒に研ぎ澄まし、最終的に全員が「これだ!」と言えるグラフィックと、ステートメントに仕上げて、完成となります!

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 描いたビジョンを、届けたい相手に届けるために

そうそう、描かれたグラフィックの活用も、前もって打ち合わせしておきます。(活用できるサイズ感もですが、そのシーンに応じて必要なグラフィックの内容や質、関わり方も変わってきます)

懇親会

プロジェクトのキックオフミーティングや、全社総会で飾り、説明することで、メンバーの士気を上げたり。

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共創スペースに飾って、来社する方とディスカッションするために貼りだしたり。(デジタルで精緻化し納品。その後パネルで出力いただいています)

他にも、社内報やメディアへの出稿、PR活動や採用活動へ利用する等、プロジェクトによって利用方法は様々です。
大事なのは、そのプロジェクトの目的に応じた活用(ビジョンを届けたい相手まで届ける方法)も一緒にデザインすることが、こうしたビジョンデザインのプロセスには欠かせないと考えています。
時には、描いたビジョンを読み解いて、さらに多様なメンバーで語り合うワークショップを行うことも!

よみとき


ぜひ、ビジョンデザインに興味をお持ちの方は、グラグリッドのビジョン創出支援事業へお問い合わせください!

ビジョンの創出から、その届け方まで、プロセスに伴走します!

(和田)




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