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アニメ業界最大級イベント「AnimeJapan 2019」でグラフィックレコーディングを実施しました

2019年3月23日(土)〜24日(日)の2日間、東京ビッグサイトでアニメイベント「AnimeJapan 2019」が開催されました。今年の集客数は2日間あわせて約14万6千人!
海外のアニメファンが足を運ぶ、世界最大級のイベントにてグラフィックレコーディングを実施しました。担当させていただいたのは、世界最大級の動画配信サービスを提供しているNetflixさま。
このプロジェクトのディレクションを担当した小野が、実施するまでのストーリーや当日の活動についてご紹介します!

AnimeJapan 2019とは?
日本を代表するアニメ関連企業・団体が集結!!
アニメのすべてが、ここにある。
AnimeJapan 2019では、国内外を代表するアニメ関連企業・団体が多数出展し、アニメ作品展示・グッズ販売、ステージやイベントなどアニメのすべてが集結します。
(AnimeJapan 2019 公式Webサイトより引用)

▼AnimeJapan 2019 公式サイト
https://www.anime-japan.jp/

お互いの熱意からはじまったプロジェクト

とあるイベント会社さんから届いた、1通のお問い合わせメールから始まりました。
事前のヒアリングや、やりとりを重ねながら、実施に向けて準備をしていくなかで、「担当さんは、なぜグラフィックレコーディングを取り入れたいと思ったのだろう?」という疑問が浮かびました。
打ち合わせの席で、詳細をお聞きすると担当さんが熱のこもった声で語ってくれました。

「とあるイベントで、グラフィックレコーディングを初めて見て、びっくりしました。登壇内容や話がわかりやすく表現されていて、休憩時間のほとんどの時間を使って見入ってしまったんです!
担当するプロジェクトの中で、グラフィックレコーディングを取り入れたい! けれど、どこにお願いすればいいのかわからなかったんです。Webサイトで御社を見つけて連絡しました。」

熱心なグラレコ活用への思いをうかがって、わたしはとても心が動かされました。
というのも、子供の頃からアニメ作品や声優さんが好きで、作品に出てくるキャラクターのイラストを描いたり、友達と作品や声優さんについて語り合ってきました。いつか自分の好きな業界や、好きなことに関われる仕事をしたい。そんな夢を見ていました。
最初に連絡をいただいた時にも、社内のメンバーに「わたし、この案件を担当したいし、やりたいです!」と興奮しながら手をあげていました。
このチャンスを掴みたい。プロジェクトを成功させるために、わたしたちができることで一緒に場をつくりたい! お互いの熱い思いを形にするため、何度も話し合いながら準備を進めていきました。

アニメ業界初の取り組みと、戸惑い

アニメ業界でグラフィックレコーディングを取り入れるのは、業界でも初めてとのこと。初めてだからこそ、様々なことを手探りしながら、乗り越えていく必要がありました。
様々な作品に通じるところですが、アニメ作品でも声優さん・所属事務所・制作会社・出版社などたくさんの人や企業が関わっています。そして作品の世界観や、クオリティ、著作権を含む様々な権利関係などを守るため、関係各所において管理が厳しく行われています。
作品だけではなく、出演している声優さんも同様に「様々な意向で、似顔絵を描けない方がいるかもしれない。」というお話も出ていました。

・作品に登場するキャラクターやアイテムなど、描いていけないものは何か?
・どうやって作品の世界観を表現するか?
・似顔絵を控えてほしい声優さんがいる場合は、どうみせていくか?

事前の打ち合わせで入念にすり合わせていきましたが、当日やってみないとわからない、すべてが手探りの状態でイベントがスタートしました。

緊張と、楽しさが混ざりながらイベントスタート

AnimeJapanは今年で6回目。その「6」にちなんで、テーマは「ロック」です。
Netflixさまのブースでは「MOUNTAIN」と「BEACH」の2つのステージ分かれ、交互に進行していきます。まさにロックフェス!

各セッションでは配信を控えている新作アニメの魅力や、声優さんたちのアフレコ現場での裏話、魅力的な作品をつくりあげるアニメ制作会社さんたちの思いなど、このイベントでしか聞けないことを中心に展開されていきました。
わたしたちもステージに上り、出演者の作品にかける思いや魅力、裏話を即座に描いていきます。
ステージの模様は、Twitterで全世界に向けて生配信もされました。

グラフィックレコーディングでは語られた内容を記録するだけはなく、出演者が楽しそうに、和気あいあいとお話されている様子や、出演者に会いに来た観客の姿など、その場の出来事も描いていきます。

広い会場の中でも、ひときわ目を引く大きなスクリーン!
生配信中の映像を流していただいています

実はイベント当日を迎えるまで、大きな不安を抱えていました。
普段からファンアートやイラストに親しみがあり、目のこえているファンの方々に、グラフィックレコーディングは受け入れてもらえるか?
セッションが始まる前に、MCさんから「グラフィックレコーディングとは何か?」を説明してもらっているけど、批判されないだろうか…。

ところが、始まってみると不安は一気に吹き飛びました。
セッションの終盤に、MCさんによるグラフィックレコーディングを活用した振り返りがスタートすると、描かれた内容を指しながら、嬉しそうにお話ししている観客の方々。そして、かぶりつくように近づいて見たり、嬉しそうにパネルを覗き込む声優さんたちの姿が!
MCさんも描かれている内容を足がかりにしながら話を広げたり、出演者をいじる材料にしたりと、最後まで楽しい場をつくりあげていただきました。

各セッションの熱い思いを展示

ブース内には完成したパネルを掲示するエリアを設けていただき、仕上がった順に展示をしていただきました。
「いつごろ貼り出されますか?」とわざわざ待っていてくださったり、たくさんの嬉しい声が!

グラフィックレコーディングの展示を待っていてくれた参加者の方々

足を止めて見てくれたり、撮影してくださる姿も

グラフィックレコーディングとはなにか?を説明するパネルと共に

グラフィックレコーディングを活用したクロージングセッション

2日目の最後には、描いてきたグラフィックレコーディングを活用したクロージングセッションを行われました。
MCの伊福部 崇さん、天津 向さんのお二人が丁寧に1セッションずつ、作品の見どころや、出演者の様子を振り返っていきます。


セッションの内容を記録し発信で留まらず、最後までセッションの魅力を味わいながら、その場の思いを届けるために活用していただきました。


セッションを見に来る人も次第に増えていきました。みなさんとても楽しそうに、暖かく話を聞いていらっしゃいました。その姿はとても印象的で、グラフィックレコーディングが受け入れられたと感じることができました。

グラフィックレコーディングと、活動してくれたメンバーをご紹介!

2日間、手探りしながらも一緒に走ってくれた松井 大さん。AnimeJapanのほかにも、グラグリッドのプロジェクトで一緒に活動してくださっていて、とても心強いメンバーです。
地域や企業との場に入りながら活動している常葉大学 安武研究室「In & Out Lab」から菅本 彩世さん、山本 智香子さん、海野 真梨菜さん。
2日目には、ビジュアルファシリテーションチーム「BRUSH」でも一緒に活動している和波 里翠さん。鮮やかな色使いや、世界観を見事に表現してくれました。
最後に、グラグリッド代表 三澤 直加、小野 奈津美。
7名体制で全13セッションを描ききりました!

みなさんがいなければ、これだけ大規模なイベントで新たな価値をつくり出せませんでした。本当にありがとうございました。

ここからはグラフィックレコーディングを1枚ずつご紹介します。
メイン:中心となって描いたグラフィッカー
サポート:部分的に描写をサポートしたグラフィッカー

▼3月23日(土)のグラフィックレコーディング

Netflix × ケンガンアシュラ(マウンテンステージ)
メイン:小野 奈津美(株 グラグリッド)、サポート:海野 真梨菜

Netflix × ポニーキャニオン(ビーチステージ)
メイン:松井 大、サポート:山本 智香子

Netflix × Kights of the Zodiac SAINT SEIYA(マウンテンステージ)
メイン:菅本 彩世、サポート:三澤 直加(株 グラグリッド)

<ネトフリアニメ部 出張版#1>Netflix × Production I.G × WIT STUDIO × サブリメイション(ビーチステージ)
メイン:小野 奈津美(株 グラグリッド)、サポート:海野 真梨菜

Netflix × バキ(マウンテンステージ)
メイン:松井 大、サポート:山本 智香子

Netflix × エイベックス・ピクチャーズ(ビーチステージ)
メイン:三澤 直加(株 グラグリッド)、サポート:海野 真梨菜

Netflix × アニプレックス(マウンテンステージ)
メイン:菅本 彩世、サポート:山本 智香子

▼3月24日(日)のグラフィックレコーディング

Netflix × +Ultra(マウンテンステージ)
メイン:和波 里翠、サポート:山本 智香子

Netflix × 7SEEDS(ビーチステージ)
メイン:海野 真梨菜、サポート:松井 大

<ネトフリアニメ部 出張版#2> Netflix × bones × anima × david production(マウンテンステージ)
メイン:菅本 彩世、サポート:小野 奈津美(株 グラグリッド)

Netflix × 斉木楠雄のΨ難(ビーチステージ)
メイン:和波 里翠、サポート:海野 真梨菜

Netflix × ULTRAMAN(マウンテンステージ)
メイン:山本 智香子、サポート:小野 奈津美(株 グラグリッド)

Netflix × ワーナーブラザースジャパン(ビーチステージ)
メイン:松井 大、サポート:菅本 彩世

各種SNSでも発信&拡散していただきました!

SNSで当日の模様を発信していただいたところ、たくさんのいいねや、リツイートが! イベント参加者の方々からも暖かいコメントや、感想もたくさん投稿されていました。

▼「Netflix Japan Anime」 公式アカウント

▼「ULTRAMAN」 公式アカウント

▼TVアニメ「賭ケグルイxx」 公式アカウント

一緒に新しい世界を切り拓き、つくりあげた2日間

大成功で終わったAnimeJapan 2019でのグラフィックレコーディング。たくさんの関係者が力をあわせて、イベントの成功と新しい価値を生み出しました。

わたしたちのことを信じ、一緒に成功への土壌をつくってくださったアズムプロダクションの志田さん、佐藤さん、及びスタッフのみなさま。
グラフィックレコーディングをこんなにも価値ある形で活用していただき、私たちが描きやすい雰囲気に、場を温めていただきました。

ステージをつくりあげるパートナーとして、観客やわたしたちを巻き込んでくれたMCさん。記録者と出演者が分断するのではなく、描いているわたしたちも巻き込みながら、グルーヴを生み出していただきました。

本当に、本当にありがとうございました!

そしてこのイベントを通じて、「場を共有することの喜びを感じられる表現」という価値が生まれました! 詳細は三澤の記事でご紹介していますので、あわせてご覧ください。

現場からは以上です!!!

(小野)

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