メディア運営でアウトソースしてはいけないもの

フリーランスになってから、もうすぐ2年になろうとしています。
この2年弱の間に商業メディアとオウンドメディアの仕事をしていました。

特に後者の仕事が多く、企画段階から関わることもあれば、既に運営しているメディアへの寄稿もありました。

オウンドメディアは商業メディアと異なる点が多々あります。

一番大きな違いは商業メディアはメディア自体が主体で、言葉を選ばずに言うとオウンドメディアは主体ではなく本業の添え物である点です。そのため、チーム構成やKPIなども双方で大きく異なります。

この違いがどのように左右するか、一番わかりやすい「ヒト」と「カネ」にまつわる部分で言うと以下のようになります。

オウンドメディア論

オウンドメディアは事業ではなく、その他の広告と同じ位置づけで運用することが多いので、チーム構成は小規模かつ流動的です。
そのため、アウトソーシング(外注)主体の運営になります。ライターや編集はすべて外注し、代理店や編集プロダクションのような専門チームが動き、企業側は月数回の企画会議に担当者が参加するというケースが多かったように思います。

そういうわけで一時期よりは落ちついた雰囲気はあるものの、オウンドメディアに関する相談や依頼は2年間で定期的にありました。
その際、担当者から言われる言葉で一番多いのは「自分たちは専門外なので、プロの手を借りてなんとかしたい」という声です。

わかります。
僕も会社員時代にWEBメディアを立ち上げることになった際に、真っ先に頼ったのは編集・執筆経験者や、そういう人との人脈を持つ人たちでした。メディア運営のイロハからパートナーに支払う報酬の相場に至るまで、たくさん教わりました。そのおかげで、今の自分があると言っても過言ではありません。

ただ、相談を受ける際に一番困ってしまうのは、「外に頼めば、なんとかしてもらえるから、自分は(ほぼ)何もしなくていい」という受け身の姿勢が前面に出ているケースです。

専門外の領域をアウトソースするのは当然のことですが、アクションに対する熱意はアウトソースできるものではありません。
できることは限られていても、熱量のある人の周りには自然と人が集まります。そういう人は自分にできることに集中してコミットしながら、うまく周りのプロに頼るという棲み分けができているから、成果も出ているのだと思います。

取材や執筆、サイト運営で直接できることがないとしても、企画趣旨を丁寧に説明したり、メールに対する返答が常に早かったり、外注がうまく機能するよう社内調整するなど、自分ができることにコミットしている担当者がいる案件は比較的円滑に話が進みます。

一方で目的やスケジュールもはっきりせず、やるべきことが見えないなかで「やってください」と投げられるケースは、よほど報酬が良くない場合を除いて、周りのモチベーションも上がらずに有耶無耶に終わることが大半です。

オウンドメディアに限ったことではありませんが、どんな条件や人であれ、中心にいる人に熱意があれば、周りは動き不格好でもコトは進められます。予算や経験が無くても、まずは熱意を持つことが何よりも重要に思います。

Truly great companies aren't built by the greedy, but by the passionate.
真に偉大な企業は、欲によってではなく、情熱によってつくられる。

アメリカのベンチャーキャピタリスト、William GurleyがCNETに寄稿した記事より

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