【琴爪の一筆】#1『現代思想入門』千葉雅也①
序盤も序盤、本文が始まって2ページ目にあるこの一文でいきなり「はっ!」となってしまったんですよね。無意識のうちに方向づけられていた「単純化は正義」という思いこみをいとも簡単に別次元に連れ去っていくこの一文。「これは連れ去られるべき」と私のゴーストが囁いたのです。
「常識」という言葉を盲目的に忌み嫌っているにもかかわらず「自分の中にしれっと存在していて、かつ多数派かどうかすらも確証がない常識」があることに気づかせてくれる。この「つかみ」の一閃は確実に私を読了に向かわせるのでありました。
私の知人にも「つまりこういうことだよね」と言いたがる人がおり、そこはかとなく違和感を感じていたのですが、いくつかあるであろう一つの解を、この一文が与えてくれたように思えます。
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