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【琴爪の一筆】#5『現代思想入門』千葉雅也⑤
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本書は、「こうでなければならない」という枠から外れていくエネルギーを自分に感じ、それゆえこの世界において孤独を感じている人たちに、それを芸術的に展開してみよう、と励ますために書かれたのでしょう。
講談社現代新書 2022-03
p244より引用
著者の、ほんの少し寂しさを纏った淡い微笑みが目に浮かぶような一文。
この一文のみならず全篇を通じて衒わない文体に、とても好感が持てました。
実はこの一文に至る前に、独白とも言える別のエピローグがあります。物事に真摯に向き合った人がどうしても辿り着いてしまうであろう境地が書かれています。それはぜひこの本を手にして確かめてほしいと思います。
本当はもっとたくさんのご紹介したい一文があるのですが(少なくとも20以上はあった)、私自身、寂しくも心地よい読了の感慨を胸に、次に進もうと思います。
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