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【琴爪の一筆】#2『現代思想入門』千葉雅也②
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知人のアーティストから聞いた話ですが、机の上がキッチリ整理整頓されすぎていると、絵が「硬く」なってしまう。なので、むしろいい加減にしているのだと。
講談社現代新書 2022-03
p16より引用
私の場合、秩序だっているものには一定の美しさ、清々しさを感じるけれど、どこか落ち着かない気分になることがあります。それがアーティストのレベルになると、自身の表現にも影響を与えてしまうという話。個人の意識においては完璧な秩序などは求めず、ある程度秩序を乱すものを受け入れることでむしろ不安が解消される。これは私自身も賛同でき、さらには人間共通の感覚だとも思えます。
その一方で、概念的には秩序と混沌をそれぞれの背景にして、エージェントとネオ達との戦いを描いた映画「マトリックス」で例えるならば、昨今の現代人は、ちょいと一昔前と比べた程度でも、顕著に「エージェント化」が進行している気もします。自分自身がなぜエージェント化したのかという意識もないままに。
「寛容」という言葉が、年月とともに少しずつネガティブな意味合いを帯びてきている気がしてなりません。
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