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月光堂
2023年7月30日 10:00
この本からの素敵な一文の引用も早いもので5回目、最終回です。読書体験とはどのように表現すればよいのでしょうね。明確なテーマが見えなくても、その作品が醸し出すトーンや空気感というものを自然と感じとります。それは物語でも学術でも、文字の隙間にどこかしら現れてくる。そしてむしろ生身の作者とは切り離れてそこにあり続けています。本を読むという行為は、いわば読者だけが入れる純粋で不可侵な、作家の分身と密会