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2021年11月の記事一覧
ショートショート 「面接」
面接官 「それでは面接を始めさせて頂きます」
2人 「よろしくお願いします!」
面接官 「えー、事前に説明した通りですが、今回採用となるのは、お二方の内1名のみとなります」
2人 「はい」
面接官 「採用となった場合は、最低勤務期間6か月以内となります」
大沼 「最低勤務期間?」
面接官 「簡単に言えば、最低でも6か月は働いて頂くということです。特別な事情がない限り、6か月以内に
ショートショート 「compare」
「お待たせ致しました。レモンティー飲み比べセットです」
この喫茶店に入るのは初めてだ。
店の名前は『compare』
読み方はコンペア。“比べる”という意味らしい。
何故この店に入ろうと思ったのか分からない。ただ、何となく。客は俺以外居ないようだ。
そんなことより、目の前に置かれた3杯のレモンティー。1つは青いストローが、1つは赤いストローが、1つは紫のストローがささっている。
ショートショート 「自動販売機」
「多分この辺りのはず…」
俺はある物を探していた。それは、「恐怖」を買える自動販売機。友人から教えてもらったそれに興味を持った俺は、地図を書いてもらってそれを頼りにここまでやって来た。
この地図が正しければ、このT字路を右折すれば目的の自動販売機があるはずだ。錆だらけのカーブミラーを横目に、期待を膨らませて右折した。すると、50m程先に真っ黒な自動販売機らしき物が見えた。
近づいてみる
ショートショート 「“妻”」
「この海来るの何回目だっけ?」
「さぁね…な~んて、私はちゃんと覚えてるわよ。3回目でしょ」
「あれ、それだけ?」
「そうよ。『何回目だっけ?』って聞くほど来てないわよ」
「そうか~。俺も年なのかな、6回位来たことあるような気がしてたんだけど」
「もう、しっかりしてよね」
「ハハハッ、ごめんごめん」
私は笑いながら隣にいる妻、“翔子”(しょうこ)に目をやる。ちょっと変わった妻。首か
ショートショート 「卵」
卵を落とした。うっかり手を滑らせてしまって。スーパーの特売で買った卵。フローリングに落とした。しかし、割れなかった。珍しいこともあるものだと思いそれを手に取ると、卵の形をした白い石だった。石でオムライスは作れない。残りの卵は2個。オムライスを作るには最低3つは欲しい。近くのスーパーに買いに行くことにした。
スーパーに着くと、真っ先に卵売り場へ向かった。いつもの様に卵パックが積み重ねられている