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独りでは何も知れない。語れない。

 今回の記事は、下記URLの記事を参考にして書かれています。

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 我々一人一人の視点や視野や知見は限られ、一次情報(自分で直接的に経験して得た情報や自分で実際に調査して得た情報)を得るには物理的な限界がある。

 それゆえに「私たちは他者に頼らなければならない。例えば専門家や研究機関や調査や参考文献などに頼って、森羅万象についての必要な知識を語ってもらわなければならない」(アンソニー・ウェストン著・古草秀子訳『論証のルールブック(第五版)』(ちくま学芸文庫、2018年) p62~p63)。

 つまり、我々人間は一人では何も知れないし、何も語れない。一次情報を得られない。それゆえに、我々が何かを論ずる際には二次情報(他者の一次情報)に頼らざるを得ないのである。

 しかし、二次情報の情報源は慎重に丁寧に選りすぐらねばならない。なぜなら、信頼・信用に値しない情報源や信憑性について疑問符が付される情報源が世の中には山ほどあるからだ。

 特にインターネット上には、専門家の皮を被った素人の裏付けのない「それっぽい」言葉や情報が山ほどある。「論」という名目で書かれているが論証の体を成していない文章もたくさんある。

 しかも、権威のある情報源が発信している情報だからといって真実であるとは限らない。

 他者の情報に頼ること、すなわち引用することは、何かを論ずる上で必要不可欠なことであるにもかかわらず、「危険の多い方法でもある」のだ。情報の扱いには細心の注意を払わなければならない。

 事実であることが誰にとっても明白であることや、議論や主張の論点・本筋とはみなされない事実は、情報源の明記による裏付けが必要とされないかもしれない。議論や主張において提示する全ての情報を裏付けていてはキリが無いからだ。

 ただ、もし、あなたの提示した事実を裏付けることを他者から請われたのであれば、裏付ける必要があるかどうかを再び検討し、必要な場合には引用によって情報源を議論に公開するべきである。

 一方、情報源を明記し裏付ける必要がある事実とは、調査や統計についての正確な数字や議論参加者が知らないであろう知識・研究といった事実であろう。

 引用は、「誰もが容易にその情報源に辿り着ける基本的な情報をおさえてあれば十分だ」(アンソニー・ウェストン著・古草秀子訳『論証のルールブック(第五版)』(ちくま学芸文庫、2018年) p62~p63)ということを肝に銘じておいてほしい。

 ここで言う「基本的な情報」とは、文献の場合は、書籍名・著者(・翻訳者)・出版元・出版年・引用したor参考にしたページなどであり、サイトの場合は、サイト名と当該サイトのURLなどである。



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